表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水の戦乙女(アクア・ヴァルキリー)   作者: らいとふっと
4/175

名前


「馬に乗るのは初めてですか?」


「は、はい……予想以上に揺れて!」


イケメンさんは私を抱えながら、器用に馬を走らせている。

私が召喚された場所から少し離れた街。

そこで身仕度を整えるらしい。



でも……ね?

私、おしっこ漏らしてゲロ吐いた女だよ!


人類史上、最低最悪な第一(ファースト)印象(インプレッション)な出逢いだよ?


身体もかなり臭う筈なのに、どうしてそんなキラキラした笑顔を見せられるの?


もしかして…爽やかな顔して、実はヤバい性癖の人?

排泄とか嘔吐に興奮したりするタイプ……?


って、何考えてるのよ……命の恩人なのに!


私の馬鹿!ヘンタイ!




「どうしました?気分が優れないなら、少し休憩しましょうか?」


彼は私の様子を見て、手綱で馬の速度を抑えながら私を気遣ってくれる。


あーッ、もう! 私ってばサイテーッ!





馬を走らせる事3〜4時間は経過しただろうか?

結構離れてると思われる宿場町に到着した。


当然、宿屋に入ると真っ先に入浴させて貰う。



何となく解り始めたけど、ここは中世のヨーロッパみたいな感じの世界だ。

勿論、洗濯機なんて有るわけもなく。


着ていた学校の制服や下着も、ついでに風呂場で洗う。

ショーツもブラも替えが無いけど……どうしよう?



取り敢えず、今日は宿屋の寝間着を着るしかない。

この寝間着で屈んだりしたら、胸が丸見え。


でも、あのイケメンさんなら見られても全然構わないかな?


て、何考えてるのよ私!




身体も綺麗になったし、私は髪を束ねる。


あのイケメンさんの好みは、どんな髪型なのかな?



何か目的が有って助けてくれたんだろうけど、私があのイケメンさんと(ねんご)ろになる可能性なんて無いよね、うん。


そんな事を考えながら普通にお下げ髪を結ってしまったのだった。


うーむ、地味だなぁ……ま、いいや。





イケメンさんが待つ部屋をノックする。


「巫女様……? どうぞお入り下さい!」


彼がドアを開けて、私を部屋の中へと案内する。

それにしても、巫女様って呼ばれるのは妙な気分になる。


あ、そうか。

まだお互い、名前も知らないんだよね。



「あの……巫女様じゃなくて、名前で呼んで欲しいな。 私の名前は水木(みずき)星羅(せいら)。 セーラって呼んで?」



私は自分の名前が好きじゃない。


いわゆるキラキラネームだから。

親のセンスを疑う。


お姫様じゃないんだからさ。

由来は、星が綺羅綺羅でセーラだよ?



でも、彼にはちゃんと名前を伝えたい。


何故だろう?

今、そう思った。

もしかして私、この人に恋しちゃったのかな……?



「わかりました。 巫……いや、セーラ」


「うん…じゃあ、貴方の名前も教えて?」



「僕はロヘラングリン・スペングラーと申します。 ローランとお呼び下さい」


「宜しくね、ローラン!」



初めて呼ぶ彼の名前。

初めて呼ばれる私の名前。


ローランに名前を呼ばれると嬉しくなる。


これからはもっと好きになれるかな?

自分の名前の事を、もっと……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ