憤怒
エルフの美少女デューレの案内で集落を目指し、深い森の中を進む。
「でさ、アンタは第1王子と騎士団長、どっちを狙ってんの?」
「どっち狙いって…何?」
そう言えば…
第1王子、ローランのお兄さんには会った事がない。
勉強家の文官タイプな人らしくて、学者や研究者が集う学問都市に数年前から留学しているらしい。
いつか会えたら、お兄さんにもローランの事をお話ししなきゃいけないな…
デューレはニヤニヤしながら、私の顔を覗き込む。
「すっ惚けちゃって〜! アンタ、どっちかを狙って王国に身を置いてるんでしょ?」
「ゴメン、興味ないよ…」
何を言っているんだろう?
エルフって、こんなに耳年増だったの?
イメージが狂うなぁ…
思わず困った顔をしてしまった私に、デューレは続けてマシンガントークを炸裂させた。
「アンタくらい可愛い戦乙女が誘えばさ、どっちもイチコロだって!」
「私…可愛くなんかないから…」
「まったく、何を謙遜してんのよ! 何の為にオッパイぶら下げてんの? 女は何の為に股の間に○◯○○付いてるか解ってる?」
うわ…
種族は違えど女の子同士とはいえ、初対面で放送禁止用語を堂々と口にするなんて…!
引くわー。
このエルフ引くわー。
過去の私を遥かに凌駕する残念な子だ…。
ドン引きしている私に向けて、デューレは話し続ける。
「あ、もしかして亡くなった第2王子狙ってたとか?」
思わずビクンと反応してしまう。
「第2王子ってば、聖戦士だったくせに負けて死んじゃったらしいじゃない? 情けないわよね!」
(………………)
「これから魔王との戦いが始まるってのに、使えない奴だよね、全く…」
『パシッ!!』
そこまで聞いた時…。
私の手は、デューレの頬を平手打ちしていた。
「…貴女に、ローランの何が解るのッ!」
怒りで血液が沸騰しそうだった。
他の事なら、何を悪く言われようと構わない。
だけど…
ローランの事を何も知らないデューレが、彼の悪口を言うのは許せない…!
「な、何すんのよ…!?」
私を睨み返すデューレ。
私と彼女の会話はここで途切れ、集落に着くまで口を聞く事は一切無かったのだった。
平手打ちシーンの効果音がなんと、『パンツ!』
になっていました…馬鹿過ぎる(-_-)
慌てて訂正しましたですよ…。




