処刑
処刑……?
全く理解出来ない。
必死に今の状況を整理してみる。
多分だけど、私は誘拐されたっぽい。
突然にこんな場所に連れて来られたけど、乱暴な事はされてない。
そして、処刑する?
誰を……?
「処刑……って、誰が殺されるんですか……?」
この広間に来て初めて大声が出た。
「巫女よ、女子に生まれた己が運命を怨むがよい。 この世界では貴殿は厄災となるのだ」
意味が解らない。
いったい何なの……?
あ、もしかしてテレビのバラエティ番組?
私がビクビクして泣き始めたりしたら、ドッキリ大成功って出て来るよね? ね、ね……?
そんな私に近寄ってくる影。
私を囲むおじさん達とは違い、ムキムキのマッチョな大男。
鉄兜に覆われていて表情すら判らない。
右手に巨大なハンマー、左手に巨大な斧を持っている。
私を絶望させるには充分過ぎるビジュアルだった。
どう見ても……この人が死刑執行人だ。
「あああッ!じ、冗談でしょ?」
私は自分が涙目になっているのに気付いた。
巨大な執行人を見上げながら。
嘘だ!嘘だ……嘘だ、嘘だッ!
恐怖で涙がドクドクと流れる。
膝が震えて尻餅をつく。
無意識のうちに漏らしてしまった。
その事による羞恥心よりも、命を刈り取られる恐怖が遥かに勝っている。
私、死ぬの? 殺されるの?
いったい何処かも判らない場所で殺されちゃうの?
嫌だ……!
死にたくない! 死にたくないッ!
遂に執行人は私の傍らにやって来た。
これからハンマーで叩き潰されるの……?
それとも斧でメッタ斬りにされるの……?
私は自分が理不尽に殺されようとしているのを、はっきりと理解した。
サイテーな人生だったな……。
まだ16歳なのに、こんな悲惨な殺され方なんて……さ。
涙で視界がボヤける中、私は執行人がハンマーを振り上げるのを見た。




