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水の戦乙女(アクア・ヴァルキリー)   作者: らいとふっと
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連撃 (side : デューレ)


「本当の暗殺術だと? オマエ達程度が…影の魔神に勝てると思うなァッ!」


激昂する月影。

再び影に身を潜めようと動く!



光の精霊(ウィルオーウィスプ)…!」


影は照らせば消える。

精霊の放つ眩い光によって、影に潜む技は封じ込められた。



「な…!?」


月影の顔色が変わった。

慢心しきっていた影の魔神が、初めて見せた驚愕の表情。


影に潜む原理については全く解らない。

自分だけでなく、ドラゴンゾンビの様な巨大なモノさえ潜ませる事が出来る恐るべき能力。


だが、最初から解っていれば対処するのは容易い。



「ヨーミン、ドラゴンゾンビはお願いするわよ…?」


「解りました! でも、トドメは残しておいて下さいね…」


これだけの会話で通じた、新たな相棒(バディ)


アタシは月影を、ヨーミンはドラゴンゾンビを。

それぞれが矢の様な速さで急襲。


月影を2対のナイフで斬りつける…振りをしたフェイント!

交錯する様にヨーミンとポジションを入れ替える。

ドラゴンゾンビに向かった振りをしたヨーミンが、身を捩らせながら渾身の一撃を放つ。


辛うじて小太刀で受け止めた月影だが、その額には大粒の汗が流れている。


まるでセーラっちと一緒に戦っている状況を彷彿とさせる、アタシとヨーミンのコンビネーション攻撃。


月影とドラゴンゾンビに対して、交互に斬撃を加えてゆく。

フェイントを織り交ぜ、攻撃順をランダムにした高速の攻撃。


一撃必殺だけが暗殺術の極意ではない。

(あら)ゆる場面で即座に対処出来る柔軟さ。

それこそが最も必要な事なのだ。




既に勝敗は着いていた。


ドラゴンゾンビの首は斬り落とされ、その斬り口からは強酸の血が流れ落ちている。



そして、アタシとヨーミンの同時攻撃。


1本の小太刀では防御もままならない。

アタシのナイフ乱舞を受け止めている月影。

その腕を確実に捉えるヨーミンの斬撃!


小太刀を握る右手首が斬り飛ばされ、宙を舞う。


その一瞬の怯みさえ、見逃したりしない!

正面に周り込み、腹に膝蹴りを放つ。


口から鮮血を吹く月影。

そして…!



「終わりだぁッッッ!」


背後からヨーミンの大剣が月影を貫いた。

腹部を串刺しにされ、大量の血が鼻と口から噴水の如く吹き上がる。




「お姉様を酷い目に遭わせた奴を…このまま死なせたりしないよ…」


「がッ…あがッ…がッ……」


放っておくだけで間もなく死ぬ。

だが、ヨーミンはそれすらも赦さないつもりだろう。


最初に確認された通り、あとは任せる。



血塗れで横たわる月影。

その身体をまるでゴミの様に蹴り飛ばすヨーミン。


その先にあるものは……!


動かぬ亡き骸となったドラゴンゾンビの、斬り落とされた首の真下。

滴り落ちる血液が、水溜りの様になっている。


血溜りの中へと蹴り入れられた月影の身体から、ジュウジュウと強酸に焼かれる音が聞こえ始めた。



「ぐぼッ…が…うが……ッ!」


次に視界に入れた月影は、見るも無残な姿となっていた。

顔は焼け爛れ、頬の肉が削げ落ち、飛び出た眼球がぶら下がっている。



「ペットのゾンビと同じ顔になれて…良かったね…」


ヨーミンがそう呟いた時には、月影の身体の大半は溶け落ち始めていた。

踠き苦しみながら溶解してゆく月影。



こうして、影の魔神との戦いが終わった。


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