召喚
「やったッ!成功したぞッ!」
「おおッ!遂に……」
数人の男の歓声が聞こえる。
パチパチと拍手もしている人もいる。
眩い光。
それは私を包んでいた。
えっ……?
突然の状況に頭が追いつかない。
ここ……何処?
薄暗い部屋……?
……いや、もっと広い。
学校の教室くらいの広さは有ると思う。
いったい、何故こんな所に居るのか?
私を包んでいた光が、徐々に弱くなってゆく。
つい先程までの記憶は確か……。
学校帰り、お気に入りのショップに向かってた。
お兄ちゃんからお小遣いを貰ったから、可愛いパンプスを買おうと思ってたんだ。
信号が変わるのを待ちながら、スマホを取り出して……。
そして、次の瞬間……此処に居た。
私を包んでいた光はゆっくりと、完全に消えてゆく。
「何が起こったの……?」
ようやく何とか絞り出した言葉。
足元には何だか変な模様がある。
丸い円の中に星が描かれ、見た事もない文字。
ええと、魔法陣……って感じ?
教室くらいの広間は石造りで、壁も巨大な石壁だ。
何と言うか、ヨーロッパのお城の中?
行った事なんてないけどさ。
私から少し離れた所には、数人の男が居る。
見た感じだと、皆4〜50代くらいのおじさん達だ。
顔立ちからして外人さんに間違いない。
西欧の顔立ちなのかな……?
「お、女ではないか……!?」
「ま、まさかッ! 勇者ではなく、巫女を召喚してしまったのか!」
「これは残念ながら失敗、ですなぁ?」
この外人さん達、日本語を喋ってる?
それもかなり流暢な、日本に住んで数十年って感じ。
まさか…私、誘拐されたりしたヤツ?
歩いてた時、後ろから変なクスリを嗅がされたりして意識を失ったりとか……?
まさか、ヤバ過ぎるでしょ!?
慌てて自分の身体を見下ろす。
乱暴された様な形跡はない。
着ている学校の制服も乱れてない。
今のところは……大丈夫みたいだ。
私が自分の身を心配し始めた時、おじさん達が声を上げた。
「これは処分ですなぁ…」
「止むを得ない、急ぎ準備を致せ!」
「ハッ!急ぎ執行人を呼んで参ります」
その言葉に命令され、奥の方に居た男が一人だけ駆け出す。
更によく見てみると、壁際には更に数人の男が立っている。
「あ、あの……」
私は必死に勇気を振り絞りながら、近くのおじさん達に声を掛けた。
「ここはいったい何処なんですか……? 」
「異世界より召喚されし巫女よ。 貴殿を即刻、処分致します。」
私の質問を遮り、言い放たれた衝撃の発言。
「解り易く言いましょう。即刻、処刑致します!」




