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プロローグ

唐突に復讐物が書きたくなったので書きました。

 いつも通りの日常。

 登校して、ホームルームをやり、授業を受け、昼休み、また授業を受けて放課後。

 今日もそんな代わり映えしない日常を過ごすはずだった。


 それは朝のホームルームの時に起こった。


「おい! なんだよこれっ!」


 そう叫んだのは倉持堅太。お調子者でクラスのムードメーカー。それと同時に彼は弱いものに対して見下すような奴だ。


 そんな彼が叫んだ理由は俺達の足元に原因があった。


 光を放つ魔法陣。

 夢物語の中でよく見られるそれが俺達の足元に広がっていた。


「誰だ。こんな悪ふざけをしたのは」


 のんきにも担任である代々木貴士は生徒の誰かがしたことだと決めつけているようだ。


「先生! ドア開かない!」

「窓もだ!」


 騒然となる教室内。

 そんななか俺は何故か落ち着いていた。

 周りが慌てすぎているからだろうか。彼らを見ていると冷静になっていく。


「いい加減にしろ! 悪ふざけはここまでだ!」


 怒鳴る代々木。

 未だに騒然とする教室内が魔法陣から放たれる光によって白に染まった。


 視界が良くなるとそこは豪華絢爛な場所だった。

 RPGなどでよくみるような謁見の間によく似ている。

 クラスメイト達は先程まで慌てふためいていたのが嘘のように呆然としていた。


「成功のようだな」

「はい。お父様」


 広い部屋の中に響く初老の男性の声と、少女の声。

 クラスメイト達は一斉にそちらへ向く。


「ようこそ勇者達よ。私はフィールズ・ディル・ウィルフィールド。ウィルフィールド王国の国王だ」

「私はシェリー・リイル・ウィルフィールドと言います。第一王女です。お見知りおきを」


 国王、王女と聞きざわざわとするクラスメイト達。

 男どもは王女の美しさに目を奪われたようだ。


 この手の話は何度か読んだことがある。

 異世界クラス召喚と言われ、一つのジャンルとして語られていることが多い。まさか、自分がその立場になるとは思わなかったけど。


「ウィルフィールド王国・・・? そんな国聞いたことないが・・・」


 代々木は国名を聞いて首をかしげる。


「それはそうだろう。ここは貴殿らの世界ではないからな」

「なっ!?」


 その言葉に代々木は言葉を失う。

 クラスメイト達も同様に。

 唯一テンションが上がっているのはオタク連中だ。

 異世界と聞いて喜んでいるのだろう。


「竜胆君」


 周りを傍観していると、声をかけられた。

 そちらを向くと、そこにいたのは肩まである髪を一本に束ねている少女。日向飛鳥。

 小学校時代からの幼馴染みだ。


「日向か。どうした」

「これってどう言う状況なのかな」

「多分異世界召喚って奴かな。ウェブ小説とかで読んだことある」

「ふーん」


 興味がなさそうな彼女だ。


「あの、僕たちがこちらに呼ばれた理由を教えて頂きたいのですが」


 場が混乱しているなか、一人の少年が国王に具申した。

 彼は神城光希。人当たりもよく、正義感もあり文武両道。物語の主人公をそのまま現実に持ってきたような人間だ。

 クラスのリーダー役として慕われている。


「ああ。君達を呼んだのは他でもない。世界を救って欲しいからだ」


 まさにテンプレ。


「世界を?」

「うむ。この世界は今魔王の驚異に曝されている。魔王は勇者にしか倒すことができないとされ、伝承通りに君達を召喚したのだ」


 どこまでもテンプレだ。


「なるほど」

「でもよー。俺達ただの学生だぜ? 呼んだところでなんの力もない」


 国王と神城の会話に入り込む倉持。


「それに関しては安心して欲しい。君らは世界を渡る際に神より力を授けられている」

「力を? 本当に?」

「保証しよう」


 その言葉聞いてオタク連中のテンションがさらに上がる。


「・・・皆、僕は国王様のお願いを聞こうと思うんだ。どうかな?」


 神城は国王の方からこちらに向きを変えるとそう提案してきた。

 クラスメイト達はお互いに顔を見合わせる。


「俺は光希に賛成だ。せっかく力をもらっているんだ。誰かのために使うのも悪くねぇ」


 最初に声を上げたのは倉持。


「光希がやるっていうなら私もやるよ」

「うんうん! 運命共同体ってやつ?」

「みっくんがやるならボクもやるさ!」


 と、神城にいつも引っ付いている女子たちが賛同する。

 それを機に他の生徒たちも賛同していく。

 過半数が了承したところで神城は国王の方へ向く。


「国王様。僕たちが世界を救います!」

「その言葉を待っていた。さっそく君らの力の確認と行こうじゃないか。おい」


 国王が声を上げると、俺たちの背後にあった大きな扉から三人の兵士と一人の神官のような服を着た男が入ってきた。

 神官の服を着た男の手には水晶玉。

 彼は国王の前まで来るとお辞儀を俺たちの方へ振り向く。


「この男はアグノット教の神官アイズラス。彼の持つ水晶玉はステータスが確認できるものだ。それに手を置くことで各々の力を確認できる。一人ずつ確認してくれ」

「わかりました。誰から行く?」


 国王の言葉にうなずき、俺たちの方へ振り向いた神城は俺たちに問う。


「なら安全の確認のために俺から行こうか」


 名乗りを上げたのは代々木。


「そういって速く知りたいだけじゃないのー?」

「あくまでも安全のためだ」


 生徒の茶化しを軽く受け流した代々木はアイズラスの持つ水晶玉に恐る恐る手を置いた。

 すると、水晶玉が光を放った。


「確認できました。STRがB、VITがB、DEFがA、INTがA、DEXがS、AGIがBです。Sがあるとは素晴らしいステータスです」


 アイズラスがそういう。

 その言葉に代々木含めた異世界人たちは一様に首をかしげる。


「ステータスはEランクからSランクまである。Eが最低、Sが最高だ。Sが一つでもあったら優秀なステータスと言えよう」


 その言葉に代々木は笑みを浮かべてガッツポーズをする。

 それを見た生徒たちは水晶の前へと並び始めた。

 俺は最後尾になってしまった。


 各々のステータスを伝えられ喜びの声を上げていく。


「おお!」


 しばらくすると、アイズラスが声を上げた。


「全てSです陛下!」

「え?」


 オールSの生徒は間抜けな声を上げた。

 その生徒は神城光希。驚きも何もない。予想はついていた。


「全てSとは・・・いやはや、実在するとはな。続けよ」

「はっ!」


 その後も次々とステータスの確認が行われていく。


「君が最後か」


 ついに俺の番となった。

 俺は水晶玉に手をのせる。

 水晶玉は光ると、アイズラスは怪訝な顔をした。


「全てDランク。一般兵にも劣りますな」

「ふむ。それは残念だ。他の者たちは皆Sが一つ入っていたためまさかとは思ったが・・・。うむ、運がなかったな少年よ」

「そう・・・ですね」


 何とも言えないこの感じ。


「これにてステータス確認は終了とする。君たちには部屋を割り振ろう。そこで明日からの訓練に備えてくれ。食事はメイドたちに持っていかせよう。おい!」

「はっ! 勇者様方。こちらへ」


 一緒に来ていた兵士たちに連れられて謁見の間を後にした。



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