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異世界二重奏は高らかに  作者: 羽良糸ユウリ
最終章:旅の終わり
208/221

トリガーのお話。

年末年始バタバタしてて投稿遅れました

 「諸君!! 朝が来た!! これより、我らが敵を打倒すため再出撃を行う。今後、後戻りは許されぬだろう、今回のようなことが起こることなどないだろう! だがそれでも、私たちについてきて欲しい。我々の、輝かしい明日を勝ち取るために!!!」



 グリムが兵たちの前で勇者を代表して堂々たる演説を行い、兵たちの士気は万全のものとなった。

 もちろん響たちもだ、魔力や傷も回復し、次の戦いは最初からトップスピードで戦うことが出来るだろう。


 「椿」

 「んぉ? どうしたんじゃ?」

 「()()()やらないか?」

 「……なぁるほどのぅ。妾もそのアイディアは無かったぞ。よし、全員集めるかの」



 椿と響は主要メンバーを集められる順に集め始めた。

 最初に集められたのはイグニス・ハーメルン・グラン・レイヴン・フール・ミスズの魔族たち。

 六人は何だなんだと集められ、一つのテントの中で座らされて目を瞑った。



 「もう目を開けてよいぞ」



 促されるままに目を開けた六人の視界には真っ白な空間が広がっていた。

 目の前にはシンプルなちゃぶ台と、正座している椿と響の姿があった。



 『コレハ……』


 「驚いたかの? ここは精神世界、お主らの精神を繋ぐ特別な場所―――――まぁ細かいことは気にないことじゃな。とりあえず、茶を飲め」



 そう言って椿はまずはイグニスから湯呑にお茶を淹れてちゃぶ台の上に置いた。

 イグニスは若干警戒しながらも大人しく湯呑を持って湯気の立つお茶を啜って『ほぅ……』と呟いた。



 『中々、美味いではないか』


 「そうかそうか。お主らも飲め」



 椿は茶をハーメルンたちにもすすめ、ハーメルンたちは少しの間を置いてからゆっくりと飲んだ。

 本格的なお茶はあまり口にすることがないハーメルンたちはあまり飲みなれないお茶特有の味に一息ついて顔をほころばせた。



 「ハーメルンたちはあんまりお茶飲んだことないと思うけど……」


 『確かに口慣れない味だが、悪くない』


 『そんで? ここが精神世界とかっていうのだとしてもなんで連れてこられたわけ?』


 「ほほほ、ヒビキと同じようなことを言うのじゃの。そのお茶はな、妾の力を断片的を取り込みやすくしたものじゃ。効力としては禁術が使えるようになるぞ」


 『禁術が!?』


 「と言っても、あくまできっかけを作ったに過ぎないがのぅ。使えるかどうかはお主らの魔力量や技量によるからそこのところ勘違いせんようにな」


 『ナルホド。急ニ呼ビ出サレタ理由ハコウイウ事ダッタカ』



 イグニスは立ち上がって先に帰ると言った。

 響は椿にイグニスをここから出してあげるように言った矢先、イグニスは構わんと一蹴、目を瞑ったかと思うとその場から消えた。

 椿もそれには驚いた様子を見せており感心していた様子だった、そして残りの面々もすぐにこの世界から帰還させ、ハーメルンたちがようやく目を開けて見えた景色は兵たちで一杯の塹壕の中だった。



 「ハーメルン。ぼーっとしてるぞ」


 『っ……ヒビキか。驚かさないでくれ』


 「驚かそうとしたわけじゃないんだが……ごめん」


 『あ、いや、気にしないでくれ。それよりさっきのことの方が驚いたぞ、禁術が使えるようになると一言言ってくれれば良かったものに』


 「それもごめん。椿がどうせなら驚かせようって言ったからつい乗っちゃって」



 ハーメルンとそんな話をしているとさっきのメンバーが再集結し、響と椿に詳しい説明を求めた。

 二人は今もうすでに禁術が発動できるようになっていることを伝え、逆にイグニスにどうやってあの場から出られたのかを質問した。



 イグニス曰く、入れるなら出られるだろというおおよそロジックとは呼べない説明だったがなんとなくイグニスなら仕方ないという謎の解釈によってそれ以上追及することはなくイグニスもそれ以上語ることはなかった。



 「ふぅ、さて残りもやるかの」


 「大丈夫か? 一気にやって」


 「平気じゃ、昨日一晩で随分回復したからの」



 椿は自信満々にそう答え、手の空いているものから適当に呼び始めた。

 流石に兵たち全員にトリガーを発動させることは出来ないのでお茶会を開くのは主要メンバーに限られるがそれでもかなりの戦力アップにつながることには間違いない。



 今度は梓たちを集め、最後に勇者の面々を集合させてお茶会を開いた。

 その後、全員は最終確認を行いいよいよ戦いに挑む心構えが出来た。




 さあこれから再びアザミとカグラの元に乗り込もうという時、空から()()が降ってきた。

 すぐさま臨戦態勢に移った数千数万の兵と響たちはその飛来物を注意深く見つめ、土埃が晴れるとその正体がはっきりした。



 「まじかよ……」


 「向こうから来るとは、予想外じゃな」



 謎の飛来物、

 それは討伐対象でありこの戦争の終着点である女神アザミとカグラだった。

若干スランプ気味

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