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国の名前はふたりから  作者: 小林晴幸
旅立ちは夜の森
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0.最近の大陸事情

 ※このお話は色々初めての初心者が頑張って書いています。執筆初挑戦です。習作なので色々おかしな部分が目立つかもしれません。

 どうぞ温かくも広い心で読んでいただければ嬉しいです。

「俺は絶対に、ここに魔族の国を作ってみせる!」

 ―今から十年くらい前、そんなことを言って実現させた馬鹿がいた。

 馬鹿の名前はメレグタール。別名グター。私の幼馴染みだ。


 その昔、この大陸に住む六つの種族には隔たりなど無く、力を合わせて共存し、

平和に暮らしていたと聞く。あくまで、伝承の中に聞いたことがあるだけだけど。

 今ではとても考えられない。だって私達の暮らしている時代では、『人間』種族を軸に

六つの種族は険悪な状況を生み出している。

『人間』は魔族や妖精族のような種族に比べれば儚い程に寿命も短く、個体としての能力は非力。

だのに生命力は強いし繁殖力は強いし、貪欲な性質といい、生き物として儚いと呼ぶには抵抗が

ありすぎる。

 彼等の数が少ない頃は、種族間のバランスも狂うことはなかった。

だけど『人間』の数は増え、力に勝る他種族が数を頼みに圧倒され、種族間のパワー

バランスが狂ってしまった。そのことが、やがて今に至る騒乱を巻き起こしていった。

何しろ『人間』は、低い能力故に生存本能が強く、それに付随して六種族の中でもずば抜けて

欲望の強い種族なのだから。多種族よりも有利な状況に立てるとなったら・・・

彼等の際限ない欲望を思えば、今の騒乱は起こるべくして起こったことなのかもしれない。


 分をわきまえて慎ましく暮らしていた人々は争いの中で欲望を強め、最早歩んだ歴史に

取り返しはつかない。穏やかなだけで満足できていた過去はとうに戻らない。

 他種族では有り得ぬ速度で『人間』は数を増やし、大きくなっていく彼等の『群』は、

『国』と呼ばれる集合体へと育った。それまでは種の違いによる境界線などなく、

土地の所有権など誰も考えなかった。自然の恩恵の前に、そのような発想もなかった素朴な人々。

だけど『国』へと発展した『人間』達は急に『領土』を主張し、理不尽な土地の独占を行った。

 それだけではなく、数で勝るのを良いことに、我等魔族をはじめ、他種族の排斥、迫害を行った。

それは殲滅しようというような勢いだった。もう、やりたい放題の無茶苦茶だ。


 魔族は『人間』よりも能力的にかなり優れていたけれど、所詮は力自慢の個人主義。

『協調性』という言葉は知っているのに、何故か『チームプレイ』という言葉は知らなかった。

お陰で数の暴力の前にはけちょんけちょん。抵抗虚しく、素直に追われるまま追いやられ、

魔族は勢いを無くして殆どされるがまま。


 ―そんな時代の、魔族のちっさい隠れ里に生まれたのが、私とアイツ。

 いつだって世話が焼けるのに、気付けば私を引っ張って走り出す、同じ年生まれの幼馴染み。

 私を壮大な騒ぎに巻き込んでくれた、ヤンチャ坊主のグター。



何だか暗そうな出だしかも知れません。

どうぞこの続きも読んで頂ければ嬉しいです。

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