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国の名前はふたりから  作者: 小林晴幸
アイツの魔法
176/193

115.発動

珍しく、とても短いです。



 膨れあがった魔力の固まりが大きく破裂し、弾け飛び。

 

 闇色の卵が割れた中には、暗黒の雨が詰まっていた。




 紫を帯びた、どろりとした闇色のソレ。

 ソレが何なのか、きっとこの結果を造りあげたアイツにも分からない。


 ただ、影一つすら残さずに。

 この場にいた『人間』だけがきれいに。

 痕跡すら見つけられないほど、跡形もなくきれいに。

 何の名残も見せないほど、忽然と。

 行使された魔法の力が吹き荒れた後には何も残らない。

 全てが終わった時、戦場には『人間』らしきものは何も残っていなかった。

 全て、全て。

 生きていた証拠も見つからないくらいに。

 『人間』と呼ばれる生き物は一人も残さず、全て消え去っていた。


 それは文字通り、消滅。

 忽然と掻き消された『人間』達は、闇の牙に噛み砕かれて。

 切り裂き飲まれ、飲み下されて。

 地の一滴すら残さず、カタチのない闇に食い殺された。


 私達の中に本能的な恐怖と、驚愕、そして言葉にできない罪悪感を焼き付けて。





 

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