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国の名前はふたりから  作者: 小林晴幸
アイツの魔法
170/193

110.私の気持ち(戦場前)

未だ書き方に悩みつつ、書いているのですが。

ちょっと矛盾点や未熟さが現れているやもしれません。





 私達が里を飛び出してから、気付けば何年も経ちました。

 思えば遠くまで来てしまったモノです。

 最初は勢いだけで飛び出して、アイツに引き摺られるばかりだった私。

 アイツの思いつきだから、頓挫することも充分考えられたんですけど。

 ここまでとんとん拍子に進むとも思ってなかったんです。

 何しろ、馬鹿の発案なので。

 馬鹿の考えにしては上手くいくと、思っていましたけれど。

 勝算なんて、それでも何にもないし。

 そもそも、細かい算段すら、欠片もできていなかったし。

 それがこんなに上手くいって。

 仲間は増え、囚われていた『奴隷』達は解放され、追いやられた土地を取り戻し。

 気付けば此方が『人間』を追いやる勢いで。

 馬鹿の勢いって、凄いと思いました。

 みんなみんな勢いに巻き込まれて、今日のこの日があるんですから。

 馬鹿には責任を持って、今後も仲間を導いてもらわないといけませんね。

 アイツにそれができるでしょうか?

 アイツはうまくやれるでしょうか?

 そこを支え、助けるのは………きっと、私の役目ですね。

 まだ来てもいない今後を考えるのも、徒労かも知れませんけれど。

 既に始まってしまった争いですから。

 その終わった後、先の先を考えることも、大事だと思ったのです。

 せめて、私一人だけでも。

 どうせあの馬鹿は、そんなことを考えている余裕もないでしょうから。

 …考えると言うことすら、思い至らないかも知れませんけれど。




 動き出すにも眠りすぎて出遅れた私です。

 もう既に事態が動き始めた後で何をしても、全ては遅いと思い知りました。

 私にできることは、既に皆が全てを決めた、後のこと。

 みんなが決めて、実行したことをサポートすること。

 その準備の手伝いと、万難を排す為の幾らかの裏工作。

 鬱々と沈み込みそうになりながら、考えに没頭する暇もないと自分を嘲笑い。

 己を戒めても、どうにもならないと分かっています。

 それでも、どうにもならないとしても。

 己の無力感、何もできなかったという自責の念は無視できなく膨らみます。

 

 こうして、自分を責めても、過去を後悔しても。 

 それこそ本当に、どうにもならないんですけれど…

 現実逃避もままならない忙しさが、私を文字通り「忙殺」しようとしていました。

 死ぬ。本当に死ぬ。忙しさで死ぬ。

 誰も私を殺そうとはしていないし、むしろ本当に気遣われ、案じられています。

 それでもじっと寝ていることはできないし、寝過ぎて最近眠気も薄いし。

 皆が死のうとしている時、誰もが奔走している時。

 私は我が身だけが可愛いと、忙しい皆を見ぬふりができません。

 私は、私にできることをしたい。

 今まで何もできず、皆に負担を掛け、アイツに心労をかけた償いにもなりませんが。

 それでも、私は…

 私は。


 私は、みんなの為に身を削ってでも、尽くしたいと思ったのです。


 この身などどうなっても良いとは言いません。

 それでも、私のことを大切に思ってくれる皆の為に。

 私は自分の能力の全てを費やして、皆を助けると自分で決めた。


 その結果、どんな結末が私を襲うかは知りません。

 どんな未来が来るのか、怖くもあります。

 そんな恐ろしさの全てを払拭はできないから。

 自分を取り巻く一切合切の恐怖を紛らわす為にも。

 ただ必死にがむしゃらに、私は戦場へ身を投じました。

 救護テントに待ちかまえる、救命という激務。

 表の戦場の裏に待ちかまえる、命を賭けた…命を救うことを目的とした戦場へ。


 苦しいぐらいの気持ちの中で。

 私はこの時、全く思ってもみなかったんです。

 どんな悲壮な覚悟も、強い気持ちだろうと。

 どれもも馬鹿らしく感じ、頭の中から吹っ飛ばしてしまう。

 そんなモノが、この日待ちかまえていたなんて。





ちょっと今回は自分の考えを整理する為に書いた面があります。

ので、ちょっとごちゃごちゃしてます…。

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