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僕の彼女は姉《シスター》です  作者: KAIYAMA
第二章 気付けなかった『心』
8/11

放課後……

 昼になれば、太陽は頭の真上にくるのだ。そんなことは言うまででもないが。そして、空腹も限界に達する。

「いやいや~。あのお二人はお熱いですね~」

「そうだな……」

 適当な応答をする。あの二人とうのは、俺の姉と福田(今回は紛らわしくなりそうなので後も名字は出さないこととする)。結局あの二人は付き合い初め、仲良くしているみたいだ。それが原因で、俺は昼飯を作ってもらえなくなった。姉が作るのは福田の物だけ。まあ、前からそうだったからいいんだけどね。しかし、何故だか心が寂しさに溢れる。

「もう!そんな適当な返事ばっかりしないでよ!はい、お弁当食べよ!」

「いや、女子とかと食べろよ……。なんか恥ずかしいから」

「照れないでよ~。だってふっくんがいなくちゃ一緒に食べる人いないでしょ?:

「俺は友達がどれだけ少ないんだ!」 

 そういって、友人の渡辺に助けを求める。ちょうど、俺の席の隣の隣に渡辺を含めるサッカー部男子が集まっている。

「お!卵焼きをもらいましょうかね……」

「……。いがっち……。これは俺の彼女は作った大事な弁当なんだぞ!!知ってるだろ!サッカー部で5組のマネージャーを!」

 ちなみに、こいつは田村。はっきりいって今後登場する見込みもないので空気と考えてもOK!

「うわ、甘!俺は卵焼きは塩味派なんだ!やっぱり食べなきゃ良かったわ~」

「消えろ~……」

 こいつはいじられキャラというわけでもない。サッカー部キャプテンで美少女マネージャーが彼女……。

「へへへ。ほら。俺のパン半分やるから……。元気をだしたまえ」

「いがっちも気づけよ!彼女の卵焼きといったら母親が作ってくれた卵焼きと同等、またはそれ以上だぞ!」

「そりゃあ、たしかに貴重だな……。はい、パン半分!」

「おいおい!」

 まあ、こんなノリはいつものこと。俺もたまに被害者になるんだ。

「いがっちもね、玉置にもらった卵焼きを誰かに食われたらやだろ。ほら、この田村の失望感を見ろ。笑いが溢れてくるだろ!」

 たしかに笑えるぜ……。穂……、俺にお弁当作ってくれるかな?

「おい!お前は何まぎれて俺のパン根こそぎ貰ってるんだよ!俺の昼飯はぁぁあ?」

「さあ?田村の代わりに俺が食ってやった。田村よ!感謝したまえ!」

「まずは俺に謝れよぉ……」 

 こいつらといると話が弾む。なぜか福田や穂といる時以上にだ……。案外ずっと一緒にいると口数も減るのか?





 授業は終り、帰宅の時間だ。え?いつも授業のシーンが無いって?そんなの大人の都合でカットだよ。特におもしろいことでもあればいつか出てくるだろう。

「穂、今日みんな部活無いみたいだし俺はほかの奴と帰るから」

「私もそのつもり~」

 それなら良かった。安心して帰れる。

「さてさて、彼女に別れの言葉を告げたみたいだし……、今日はゲーセン行くか!!」

「いや、カラオケだろ!てか、彼女ではないから」

「どこが付き合ってないように見えるんだよ。もはや結婚してるといってもいいぞ」

「結婚できないから。今日はカラオケ確定」

 と、いうわけでカラオケに向かう。例のサッカー部の連中5人でだ……。

「カラオケといっても、どこ行く?」

「カラオケタロウで良いだろ?安いに越したことは無いからな!」

「はい、俺賛成!」

 俺に続けて、賛成コールが続く……。

「それにしても、何で俺に彼女ができないんだ?中学生時代といえば、バレンタイチョコ貰い王渡辺だぜ?」

「知るかよ!てかお前の顔だと『義理チョコを貰い集めました』て感じだろ、それなら納得」

「勝手にお前の独り合点で話を進めるな……」

 実際のところ、渡辺は美形だ。地味男日本代表とは全く違いますよ……。

「でも、やっぱりうちのエースは田村だろ!あの瑠璃ちゃんと付き合ってるんだぜ?」

「ほんといいよな~!リア充とかマジ消えろ!」

 リア充とは、俺もよく分からないがリアルが充実してる人のことを指す言葉らしい。多分、チャラ男というチャラチャラしてる男が使っているのだろう……。別にこいつらチャラチャラしてないけど。

「それ言ったら、玉置と付き合ってるいがっちも十分良いだろ!」

「だよな~。たしかに突発的に可愛いわけでもないが、なんか癒されそうだよな~……」

「まあ、穂は天使だからな!仕方がない……。うん仕方がない」

「だからお前は勝手に話を大きくするな」

「へいへい。といっても俺だって穂とは付き合ってないぜ。穂と付き合ってるように見えるか?それはそれでありがたいけど」

「もう誰が見てもカップルにしか見えない。ラブラブカップルだね!」

 そうこうしてると、カラオケタロウに着いた。店内は客で混雑している。

「あ、5人で……。ジュースバイキングの6時間コースでお願いします……。はい、はい……。分かりました」

 渡辺が勝手に6時間コースにする……。喉がおかしくなるぞ!

 部屋は307号室だった……。あ!俺の誕生日は3月7日!いいことありそう!

 飲み物をドリンクバーでコップに入れて、それを片手に部屋に入る。5人が一番ちょうどいい広さだ。

「さて、一発目は何行きますか~?」

「やっぱり、『翼をください』か『ほたるの光』でしょ!」

「帰れ!カラオケ来てそれはしらけるぞ!それなら家でも歌えるだろ!」

 なんでその曲を歌おうとするんだ……。まあ、いつもは美川さんとかの歌を歌うからそれよりはまだマシな方か……。

「では、最初の曲は『千の風になって』いがっちさんお願いします」

「え!?何その選曲!?……。私のお墓の前で~……」

 それなりに声を真似て歌ってみる……。あれ!?才能あるんじゃね!?

 そして、サビに入ろうとする……。

「千の……」

「はい、いがっちさんでした~」

 そこで歌を止められる……。

「最後まで歌わせてくれ~……」

「あれ?あれ福田じゃね?」

 ……。たしかに福田だ。

「もう一人誰だった?」

「野球部関連じゃない?」

 いや……、あれは俺の姉だ……。

「やべ!お腹痛!腹痛!トイレ行ってくる!」

「なんだよ急に(爆笑)」

 とにかく、意味があるかも分からないが、俺はあの二人を追うことにした……。理由も何もない……。でも動かないわけにはいかなかったのだ。

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