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僕の彼女は姉《シスター》です  作者: KAIYAMA
第二章 気付けなかった『心』
7/11

休日……

 人は、僅かな月日の間に変わってしまう生き物なのかもしれない。最初はどんなに優しく見えても、そんなものは罠にでしかないのだ……。

「ん?だから照れなくてもいいんだって~。別に何もおかしくないんだよ!私のことを『お姉ちゃん』て呼んでも!」

 わざわざこの人の名前を言う必要もないだろう……。一応だが、俺の姉だ。

 キスをしてから数日が経ったら、突然こうなった。まるで人自体が変わったみたいだ。

 結局、姉のことが好きなのかは分からない。ただ、穂に関しては確信を持てる。好きだ。二人の事を好きになるなんてことがあれば、死にたいものだ。

「いや……。別に呼びたくないから」

 こんな会話を学校でされたら最悪だ。まあ、さすがに学校ではこんなことは言

わないがな。

「も~!照れなくてもいいのに!あそこまでしたのに~」

 ……。こいつほんとに人が変わってないか?

「仕方ないから、今からデートする?」

 いきなりだが、分かったぞ!こいつ今話題(?)のツンデレとかいう奴だな!本当は、俺がキスした時にもう恋してしまったのか。不器用は可哀想だな~……。

「分かったよ。で、どこ行くの?」

「ゲーセンかな……」

 ゲーセンとは、ゲームセンターの事だ。念のため。

「いいよ。まあ、貴重な休みを家族で過ごすのも悪くはないな」

「じゃ!決まりね~」





「おりゃあ!おりゃ、おりゃ……」

 姉は、モグラ叩きをしている。正直、あんなにも叩いていいのか分からない……。

「何これ!?これで今日の2位スコア?どんだけ一位は点高いんだよ~」

 ……。たしかに、あの叩き方以上に叩くというのは至難の技であろう。見てみたいものだ……。

「ま、ランクインしたからいいや。名前は、アイドルと……」

「何でアイドル?」

「……。理由は無いけどさ」

 一位の名前は……。ふくたろう?ネーミングセンスが無いね~。

「じゃ、次行こう!」

「次は?」

「シューティングゲームだね」

 シューティングゲームとは、正式名はわからないけど、よくゲーセンに置いてある、迫り来るゾンビだったりを撃ち殺したりするゲームだろう。

「じゃ、今回は二人でね」

「了解」

 こういうゲームをクリアしたこと無いんだよな……。ま、大丈夫だろう。

「おりゃ~……」

 マシンガンを何故か打ち続けずに、一回、一回、指を離す……。

「て、はぁぁぁあ?」

 ……。こいつ全ての弾を外すことなく、殺すのに必要な数だけ弾丸を当ててやがる……。これが常識なのか?

「うわぁぁぁぁああ……」

「あ!何しんでんの?この雑魚に殺されるなんて……」

 僕は下手何ですよ。しかも自分の画面見てなかったし……。

 どうも、こいつはかなりの腕らしい。見物客が周りに集まっている。俺の勘違いでは無いらしいな。

「あの子かなり上手くね!?しかも可愛いし……。ナンパするか!」

「いや、どうも連れがいるみたいだよ……。しかもこいつはヘタクソだな……」

 余計なお世話だ!それに姉は渡さないぞ!後、こそこそ話は相手に聞こえないようにしろよ。うるさいゲーセンでも丸聞こえだ……。

「おいおい!もうラスボスだよ……。さすがに早すぎるだろ。てか一度もまだ死んでないとか……」

「てか、隣の地味男日本代表は何だか……。何であんなカワイ子ちゃんの彼氏が……」

 変なあだ名付けるな!どんだけ最低なヤツらだ……。

「どっうだ~」

「な……!?」

 画面を見て驚いた。ハイスコアでクリアしてやがる!それにこの早さはないだろ……。

「すげ~!ハイスコア出しやがった!」

「おい!五十嵐!」

「何だ?」

 ……。今の返事は無かったことにしよう。

「お!やっぱり五十嵐じゃん!」

「あ!ふっくん!」

「よ!」

 こいつら、いつからこんな仲良くなったんだ?




「お前セコいな~。いくらサラダがおかわり自由だといっても、ハンバーグセット一つでその量はないだろ」

「お前は何だ!カレーばかりおかわりしやがって!人のこと言える立場か」

 俺たちは夜ご飯も兼ねて、ファミレスに来ている。

 サラダバーは旨いからいくら食てもいいだろ。別にカレーだっていいがな……。

「そういえばさ、姉貴はアメリカで何してたんだ?」

 俺は姉のことを姉貴と呼んでいる。まあ、これが一番、無難な気がする。

「ん?アメリカでは勉強ばっかり。それ以外の時は向こうの友達と遊んでた。留学生用の寮みたいのがあったんだ」

「ふーん」

 結構大変だったんだな。意外と遊んでばかりかと思ったが。あのゲームとかを見ても……。

「ま、向こうは向こうで楽しかったよ。こっちに来てからは、遊んでばかりだし」

 向こうの方が、暮らしは充実していたのかもしれない……。ま、こんな話はどうでもいいか。

「ふっくんと亮介は仲良いの?」

「良いも、何もだな、親友だな。今までは……」

 良いことを言うじゃねーか!ん?今までは……?

「今までは……?」

「……。このタイミングだから言うか!」 

「何だか、恥ずかしいけどねw」

 何二人で隠し事してるんだ?

 あ!もう一つ聞かなければならないことを思いだした。

「何か、二人仲良すぎないか?」

「実はそれなんだけどさ……」

 姉が言おうとする。

 ……。なかなか言おうとしない……

「何なんだよ?」

 少しキツい言い方になった気がする。

「私達さ、付き合ってるんだ……」

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