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僕の彼女は姉《シスター》です  作者: KAIYAMA
第二章 気付けなかった『心』
6/11

罠にはご用心

 俺の目の前に、綺麗な少女がいる。彼女の名前は五十嵐薫。俺の姉だ。黒髪に僅かに茶色が混ざっている髪の毛。その他は説明し難いが、アイドルに近い。見た目も性格もだ。彼女は最近、突然俺の前に姿を現した。そして俺はキスをした……。

 まあ、過去の話はこの辺で止めよう。今までの話で、賢い奴なら既に数々の疑問があるだろ?

 まず、姉なのに何で同じ学年?穂と姉は初対面のはずなのに無駄に仲が良いのはなぜ?

 穂というのは、俺の幼なじみでもあり彼女にしたい人でもある。髪型は茶髪で、いつもボケボケしてる。どう見ても、姉とは真逆な奴だ。

 ほかにも疑問はあるが、取りあえずこのくらいでいいだろう。これを確かめる

には、やっぱり穂に聞くのが一番だ。

 姉が来てからは、2週間が経った。俺は今日まで、悪い魔法にかかっていたようだ。冷静な判断ができなかった。今日になって、冷静になったら疑問が数々浮かんできた訳だ。

 ま、こんな長話はここまでだ。

 今は待ちに待った、昼休み。飯だ。

「お前の飯、最近可愛くなったな~。あ……、作ってる人が変わったのか」

「まあな」

 よくわからない返答をしてしまった。

「そうだ!穂!」

 すると、席が隣の穂はこちらを向いた。

「なに~?」

「あのさ……、何であいつと仲良いの?」

「あいつ?」

 たしかにそうなるな。

「あ、姉」

「かおるん?だって昔から仲良いよ。5歳ぐらいからの仲だよ。5歳ぐらいから手紙のやり取りして……」

 弟には手紙もなかったぞ!

「後、何で同じ学年なの?」

「え?双子だからでしょ……。それは私に聞かなくても……」

 !?双子だと。つまりあいつと誕生日が同じ!?

 冷静に考えれば、そりゃあそうだよな。

「ありがと」

「へへ~。どういたしまして~」

 なんかかなり嬉しそうだ。どうしたんだ?

「おい、五十嵐」

「なんだい名字君?」

 あ……。ついついニックネームで読んでしまった。ちなみにさっきから一緒に飯を食ってるのは福田だ。

 今さらだが、福田隼人。通称、名字だ。理由は知ってるだろ?説明するには長くなる。

「名字て、誰だ?」

 さすがアホ番長。気付くわけがない。

「ん?そんなこと言ってないぞ」

「そうか。今日午後暇?」

「穂との用事が……ごめんな」

 すると、後ろからいらない声が来る。

「あ!今日は私友達とカラオケ~」

 ……?おいおい、酷いな~。

「なら仕方ないだろ?今日一緒に駅行こうぜ」

「どこに?」

「お前が行くべき場所だ」

 どこだ?まあ、穂が無理なら行くか。暇だし。

「なら、仕方ない。今日は付き合ってやろう」

 


 先に結論を言わせてもらう。世の中何でも軽く言わないほうが言いよ!罠が溢れてるのだから……。





「どうだ!テンション上がって来たろ」

「……」

 上がるどころか、言葉を失ったよ。

「お前たしか、Hな物が駄目なんだよな。前に玉置に似てるやつAV見せたら吐いたんだよな」

 ……。あのさ!お昼だよ!今!

 たしかに俺はそういうものが駄目なんだ。あんな物を見る気持ちが知れない。名字はこれを見るのが大好きらしいがな。

 そしてこいつは穂にそっくりな奴の〇〇を見せてきた(○○は察してくれ。言いたくもない)。

 たしかに最初はノリノリだったよ。でも見たら熱は出るし、吐くし……。うぅ……、また吐き気が。

「でもな、大丈夫だ。ここには数々のお品がある。お前が欲しくなる物もあるはずだ!」

 ……。もうわかったろう。ここは少し怪しい道にありそうな店だ。多分○○とかしかないんだろう。見た目からしてヤバイから。

「俺、帰る」

 すると、やつは俺の手を掴み

「来てくれ!俺買いたいものがあるんだ!」

 お前が行きたいだけだろ……。さすがのこいつも一人では心細いらしい。

「分かった。100円でいいだろう」

「安くね!?」

 ……?十分100円でも高いだろ!

「アホ番長め!100円で何が買えるか知ってるか?」

「お前がアホだろ。ここじゃ、100円だと何も買えないぞ……」

 何呆れてるんだよ。呆れたいのはこっち。誰かこの店で買うなんて言った……。さすがアホ番長。

「ほら、行くぞ!男達のオアシスへ~♪」

「おい!大丈夫か?完全に顔が崩壊してるぞ。にやけ過ぎだぞ。まだ店に入ったばかりだぞ」

 最初はこのノリで突っ込みもできた……。しかし、出来ない状況へと追い込まれた……。

 部屋中に広がる、いかがわしい声(サンプル映像が流れている)。周りにいる、目がヒョウと化した男達。

 さすがに、こんな所に来てることが穂に知られたら、俺なら、死ぬな……。

「あのAV、もらうぜ……」

 ……!!8000円!!高い!!最近、姉の勧めでゲームを買ったんだがそれよりも高い!!

「あの、福田君?君はそれを買う金があるのかい?」

「今さ、3万あるから。今年のお年玉全部使う」

 親戚の人達聞いたかい?こいつはお年玉を○○に使うらしい。最低な人だ。

「お前さ、顔色悪いよ」

 そりゃあ、こんなところにいたら……。

「なら、3階にはまだ18禁でないものあるからそこ行くか。これ会計してくる」

 手慣れてるな~。こいつ既に何回か来てるな。

「会員証はお持ちですか?」

「はい」

 すると、店員はスタンプを押す。

「おめでとうございます。30ポイント貯まりました。特典の500円QUOカードです」

「どうも~♪」

 あいつ……。がっつり来てるじゃね~か。何だよ30ポイントて!?




「何でこの三階はこんなにも女の人が多いんだ?」

 ……。自分で聞いたから仕方ないが、爆弾踏んだな。

「それはだな、ここの一部がレディースコーナーでだな……」

「もういい」

 これ以降は、健全な男子に悪影響をもたらすだろ!

 あれ……?名字がいない……?いまさっきまで俺と話をしてたろ。

「あれ……?もしかして、五十嵐?」 

 恐れていたことが起きた……。目の前には学校の同じクラスの女子がいるのだ……。

「もしかして~、五十嵐、真面目に見えて案外のムッツリ?」

「失礼な。な、訳ないだろ」

「学校では、こういうものに興味無さそうだけど、実は一人こんな店来てるんだ~」

 面倒なことに、こいつは福田の彼女だ……。まさか福田と来たとは言えない。

「いや、待て。お前もこんな店に来てる時点でそんなことは言えないはずだ」

 勝った!普通の女子はこんなジャンルは興味がない。明らかに俺の優勢。

「ここはお互いに、今日のことは誰にも言わないことで良くないか?」

「なら、やっぱりあんたが金を出しなさいよ。口止め金」

 何を言ってるんだよ!?こいつは自分の状況を理解できないのか?

「あのさ、あんたこんな趣味バレたら、穂にふられるよ」

「別に世間の男子は皆こうだろ?」

「え?何を言ってるの?とぼけようとしても無駄。この階は、レディースかジュニアアイドルのコーナーしかないの」

 結局、何を言っているんだ?

「つまり、あんたはレディースグッズで遊んじゃってる変態か、ジュニアアイドルに興奮してる変態のどっちかなの」

「えぇぇえ!?」

 何ということだ!?どっち選んでも人生終了じゃん!

「まさかね~、五十嵐は信じてたけどね」

 ……。いいんだ。そうさ。

 俺は、自分のことよりも、親友を守るよ。……。さて、どうやって暴露しようか!もう即効で、福田を電話呼び出ししてやるか。

「待て待て。実はだな……」

 と、最後に名前を言い掛けたときに

「違う!こいつは悪くない。悪いのは俺だけだ!」

 福田がやってきた。まるでこいつが仲間をかばう良い役みたいではないか……。

「隼人!いや、でもあんたら仲間でしょ!五十嵐をかばおうとしても無駄だけど!」

「違う!なら、これを見ろ!」

 福田はついに、禁断の○○を、彼女に見せるのだった……。




「いいんだ……。良かったんだ……」

「泣くな」

 この結果だ。結局、こいつはあいつと別れるとこになったのだ。お互い秘密を知ってしまい、気まずくなるからな。なんか、暴露しようとした俺が、スゲー悪役に感じるのは気のせいか?

 ついでにこいつは、ショックな事が起きると、人一倍へこむのだ。一時的にだが……。

「いや、新しい彼女を作ればいいんだ!まだ人生止めるには早いぞ!」

 こんな感じに……。てか、そんなに悩んでたのかよ!

「分かった。今日は仕方ないからお前の家で○○見てやろう」

 勘違いするなよ!!別に俺は見たい訳ではないからな。

「なら、今日は大量に見ることになるからな~」

「へいへい」




 もう一度だが言わせてもらう。世の中迂闊に喋らないほうが良いよ。罠が溢れてるから。

 この後どうなったかは、君らの想像に任せるよ!

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