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僕の彼女は姉《シスター》です  作者: KAIYAMA
第一章 『普通』の人生
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この気持ちはなんでしょうか?

 うぅ……。

頭が痛い。それに体がビリビリする。体全体が悲鳴をあげているようだ。ただ生きていただけましかもな。

あの後、いまいち何があったかはわからない。ただ姉と思われる人にスタンガンで気絶させられたのは確かだ。

「あ!気がついた?」

 ……。何を言えばいいのかわからない。

「うん」

「ごめんね。さっきスタンガン当てちゃったから……、気絶したみたいで……」

「そっか」

「取りあえず、水飲んで」

 ……。信用できるか?いまさっき俺を気絶させた人間が渡してきた水なんて……。明らかに毒入りとかだろ……。

 しかし、姉が『飲まないの?』みたいな顔をしてきたので、仕方なく飲むしかなかった。

 一気に飲み干した後、気になっていたことを聞いてみた。

「なんでスタンガンなんか持ってるの?」

 すると、平然とした顔で、

「護衛用」

 だとさ。護衛どころか、完全に相手に攻撃してるだろ……。

「なら、それをなぜ俺に?」

「亮介は私に普段入らないでしょ。だから泥棒かと思って……」

「なら、あのハンドガンは?アメリカは知らないけど、日本じゃ完全に犯罪だよ」

「え?あれ……、エアガンだけど」

 ……?

「ほら」

 中から小さな弾を取り出す。たしかにありゃあ、小さいころに遊んだおもちゃだ。

「いまから、お粥作ってくるから待ってて」

 ……。恥ずかしい。結局は、俺の早とちりという訳かよ。馬鹿みたいだぜ。

 ……。しかしなんだこの感じは。今、俺は姉のベッドで寝ている。たしかに女子のベッドではあるが、あいつは姉だ。なのになぜだが同様してしまう……。

 よくわからないまま、再び寝てしまった……。




 あれから、3日が経った。特にそれからは何もなかった。

「お疲れ様さまです」

 家にアメリカからの荷物が届いた。多分、姉のだろう。

 この前の失態もあるし、挽回してやるか。

 箱は3個もあった。しかもかなり重い……。

 一つ目の箱を開ける……。すると、大量のゲームがでてきた。多分、ニンテンドーDSとか言うやつだろう。残念だが、機械音痴の俺には無縁の物だな。二個目の箱も同様の内容だった。

 三個目。次は服とかだろう、と思った。

 ……。何て言えばいいのだろう。

 表紙だけなら、完全にいかがわしいゲームだ。しかしだな、ゲームというのは家族で楽しむ物だろ?ならそんな物ではないはずだ。

 ……。でもな、さすがに俺でもわかることがある。表紙に書いてある、R18の意味ぐらい……。

 さて、どうする?まあ、普通に姉の部屋に置くという手もある。しかしだな、もし俺がHなゲームを持っていたとして、家族に見られたら自殺を考えるだろう。

ましてやあいつは女だ。

 ……。仕方がないが、普通に部屋に置いておくか。しょせん、人事ではあるからな。そこまで深く考えるとばかばかしくなる。




「ただいま」

 前日と同じような気持ちになる……。不安だ。

「さ、入って」

 ……?今日は誰か連れがいるのか。まあ、あいつクラスでも既に馴染んでるからな。当然、友人も多いのだろう。

「おじゃましま~す」

 ……?あの声は、まさかの名字か?……あれは名字だな。しかし、我ながらネーミングセンス無いな……。いや、そんな事はどうでもいい。何であいつが俺の家に?そりゃあ、俺と遊ぶ時はわかるけど……。

 ……。そういえば、あいつの部屋にダンボール置きっぱなしだな。それはかなりの問題だろう。俺なら、あれを見たら逃走する。

 ……。いや、待てよ!普通に考えて、女子が男子を呼ぶなんて、まず彼氏だろ?

 それなら良い。名字は必ず、あの物を見たらすぐに飛び出していくだろう。姉には悪いが、なんかあいつと付き合っているなんてかなり悔しいからな。

ガチャ

 破滅へ、動きだした……。ぷぷぷ。

「こ、これは!!!」

 ……?なんかリアクション不自然じゃね?もう少しビビッてもいいだろ。俺は声さえもだしてはいないけど。

「今日発売の、シスコレの新作ではないか!」

「ぎゃぁぁぁぁぁああ……」

 慌てて声を押し殺す……。ばれてないよな?

 しかし、あいつ……。そんな趣味があったのか?嘘だろ!?……。明日からあいつの話すの少し避けよ。さすがに、親友と言えるほどのやつがあんな趣味を持っていたと思うと焦る……。

「これ予約にもかなり苦労したんだからね……。じゃ、約束だよ?一緒に……しよ?」

 !?今『しよ?』って言ったよな。男女で、部屋で二人っきりですることなんて……。もうあれしかなくね?やばくね?

 さすがにこればかりは見過ごす訳にはいかない……。こんなこともあろうかと、姉の部屋から前にスタンガンを貰ってきたんだよ!盗んだというのが正しいが。

「その前に、これを一度プレイしよ?」

 おいおい!お前は俺の姉よりそのHなゲームのほうがいいのか?ふざけるな!

 さて、どうする?とりあえず、何も知らない振りをして、姉の部屋に入って俺も混ぜてもらおう。もちろん、混ぜてもらうというのは遊びにだからな?そこを理解しろよ。あくまで止めるためだ。

 ではドアを開けて……

「やあ、お二人さん。何をしてるんですかね?」  

 長老風に言ってみた。

「……」

 まさかのスルー!?てか気づいてなくね?

 慌てて部屋から撤退する……。

 もう無理なのか?俺には入れないような関係にまで……?

「じゃあ、インストしてあるから勝手にやって。お茶持ってくる」

「ありがと~♪」

 なんて楽しそうなんだ……。

 すっかり忘れていた……。普通にドアが開いて、姉に盗み聞きしてたのがばれた……。



「つまり、お二人さんはゲームをする予定だったと?」

「そう」

 話があまりにも長かったので、俺がまとめよう。

 姉は、あいつとたまたま同じゲームを持っていて(格闘ゲーム?とか言ってた)それで対戦したら名字(あえて言うが福田)がかなりの腕だったらしく、うちにお呼ばれして他のゲームもやることになったらしい。

 ちなみに名字は、Hなゲームが大好きらしい。毎日夜中までやってるみたい。

「そうかそうか。なら俺の出る幕でもなさそうだ。ほなさいなら」

 今度は関西弁風。最後だけで、俺のイメージ上だけどね!




 そして、夜になった。今回はそこまで急展開でもないぞ!まだ二時間ぐらいしか経ってないからね!

「お~い、ご飯だぞ」

 今日は俺の当番だ。うちでも当番制が導入されたのだ。

「待って、今行くから」 

 今は春とはいえ、まだ5月で結構寒い。なのにユニフォーム(?)見たいのでバスケの練習をやっている。一応だが、バスケ部に入りたいらしい。

「早く入れよ……」

 


 もう展開さすがに読めたろ?俺の姉は風邪をひいた……。

 そして姉と二人きりで、姉の部屋で姉の看病をすることになったのだった……。

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