秘密を知ったとき……
ここまで読んでくれたあんたらならもう気づいたろ?俺会話回数が少ないだろ?
誰とでも会話は基本的に一言程度だ。穂は例外だがな……。
人と最低限の話をして、話をしたいときに話す。人生はこれで満足だ。穂が無しでは成り立たないがな。それに、あの名字のみしか紹介されていない奴もいなくては無理だ。
お風呂はいいね~。ちなみに穂の家の風呂だ。もう自宅よりも落ち着く程にな
れているが。
ちなみにだ、今から穂は俺に告白するのだ。風呂から出れば、部屋ではベッド
ルームでの楽しみが待っている~♪まぁ、穂の部屋だがな。
……♪明らかに風呂に入ろうとする人がいる……♪
まさかな……♪さすがにな……♪でもまさかの……♪
「おっす!先輩」
「お前かよ!!!……」
……。説明する気にもなれない……。
穂の弟。玉置慶太郎だ。坊主で典型的な野球バカ。
「痛いよ、先輩……」
「ん?」
あ!さっき風呂の石鹸投げつけたんだっけ?
「それはすまない」
「それより、まさか先輩姉ちゃんが風呂に入ると思ったのかよ?」
……。図星ですよ……。
「涙目に!リアクション取りにくいから」
「泣いてねーぞ。てかお前さ……、なぜ俺を先輩と呼ぶ?」
「先輩だから?」
「兄貴と呼ぶがいい。いずれは義兄になるのだからな……」
「俺は姉ちゃんを渡さねーからな!」
こいつは俺のことを認めてくれないのだ。理由はただ単に地味顔だからとか……。
「わかった。シスコンは黙ってろ」
「違うからな。先輩の背中流してやるよ」
「まずタメ語をどうにかするんだな」
ふぅ……。気持ち良かった。野球バカの背中洗いは最高だな。
俺は穂の部屋に向かっていく……。
「久しぶりだな。亮介」
「ぎゃぁぁぁぁああ!」
鳥肌立ちまくりなんですけど!何でいるんですか?何も今日来なくても……。
「女に対してその態度は何だ?殺されたいか?」
このお方は、玉置佐緒里。黒髪の美人だ。見た目はね!なんかアメリカの特殊部隊に所属しているらしい。よくわからんが。
「殺されたいのかと聞いているのだ!」
グォン!
膝蹴りを入れられる……。
「何すんだよ!人を殺す気か?」
「蹴られただけで死を考えるお前の神経は大丈夫か?」
大丈夫だよ。それからあなたの蹴りは殺人兵器だからね!
「で、お姉様はどうしてここに?アメリカの特殊部隊は?」
「休暇だ。何か悪いか?」
「いえ、何も悪くはありませんよ^^」
笑顔で返事をする。満面な笑みを浮かべているはずだ……。
「では、さようなら」
早急に部屋に戻ろうとすると、タイミング悪く稔が出てきてしまった……。
「あっ、お姉ちゃんもう来てたの?来てたなら声ぐらいかけてくれればよかったのに~」
「それは悪かった。この地味男とついつい長話をしていたようだな……」
この家の住人は、俺のことを地味男と呼ぶのだ。まあ、実際のところもそうなんだけどね。あの名字も俺のことをたまにそう呼ぶ。生意気なやつだな。
「では、僕はもう寝る時間なので」
再び逃げようとするが、それも失敗する。
「え~、まだ8時だよ~。寝るには早すぎるよ~」
「喝!君みたいな可愛い子は危ないから、僕と一緒に早く寝よう!」
「ここ家だよ?それに亮くんと一緒にいるほうが危ないと思うのは私だけ……?」
泣けるよ……。俺どれだけ信頼ないの……。
その後、俺は沙織さんに蹴られました。まぁ、こんなの慣れたものだからそこまで痛くはないけどね!
時は経ち、次の日の夕方が来た。急展開すぎる?特になんもなかったんだ。気にするな。あの後殴られて殴られて一日を過ごしたんだよ。
……。今、俺は姉の部屋にいる。パソコンを返してもらいに来たからだ。
……。俺でも分かる……。目の前にあるものは銃だ……。ハンドガンというやつか?
やはりおかしかったんだな。いきなり姉なんか出てくる訳がない。
ならあいつは誰だ?となるが考える必要もない。金目的のなんかだろう。
「ただいま~」
……。殺される!?
ハンドガンで対抗するしかないな。
駄目だ……、手が震える。
コトン……。
終わったね~。明らかに相手気づいたろ。
再び手をハンドガンに伸ばした……。
でもさ、間に合わなかった……。