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僕の彼女は姉《シスター》です  作者: KAIYAMA
第一章 『普通』の人生
2/11

新しい家族?

 ……。

「だからね、私はあなたの姉で、今日アメリカから帰宅したの……」

 ……。

 わかったぞ。親父のやつ浮気してやがったな。それで今この女がカミングアウトしようとしてるのか……。

 いや違うな。まずあの人女に興味ないんだ。お袋にもあまり興味ないらしいな。まぁ、いまは関係ない。

「つまり、あなたは僕の腹違いの姉という訳……?」

……。何聞いてるんだよ俺は……。俺完全に嫌われましたね。相手涙目だもの。

「だから……(ぐすん)私は亮介の実の姉であり……(ぐすん)アメリカから社会勉強のために帰宅したの……」

ありゃ~。しかし今冷静になってみれば、この俺の前にいる人かわいいな。姉みたいだけど……。

「てか、俺のパソコンなんで使ってるの?」

 今更ではあるが、なぜかパソコン使ってる。それ俺のだぞ!まぁ、俺はインターネットかハーツしかできないがな。

「あ、借りてる」  

 平然というなよな。

「いまネットゲームダウンロードしてるから。このパソコン昨日買ったやつなの?なんも入ってないじゃん」

……。一年前すっよ!

「なら、自分の部屋で使えよ。俺使わないから」

「ありがと」

なんとも眩しい笑顔だ……。まだ涙目だがな。

 そうして俺の姉は部屋から出て行った。……、なんか疲れたし、寝るかな。




 …… 。何で朝から焦げ臭いんだよ。貴重な朝の時間が焦げ臭いために台無しだ。

 ……。まさかあいつ料理してないよな……?

 慌てて滑りながらキッチンにいくと(リビングを途中通ったが)だ、俺の察しは正解だ。思った通り食べ物が焦げている。

「なにこれ?こんなに火力が強くていいの……?……。あっ!亮介おはよう」

 ……。リアクションに困ることしてくれたよ。まぁ、かわいいとでもいっておこう……。

「おはよぅ」

「ごめんね、私早速料理でも作ろうかと思ったけど……、この結果で……」

 まぁ、火力は正直普通だと思うぜ。アメリカは知らんけど。てか料理なんてい

らないのに。

「お弁当はできたからさ、食べてね」

 おぉ~。かわいすぎるだろ。比較するなら穂の半分ぐらいだな……、いや穂と比べたらそこまでだな。

「ありがとよ」

 俺の広い心。朝早くに起こされたのにこの優しさ。

「まぁ、朝ご飯はなんか自分で作ってね。私は焦げたの食べるから……」

 女子というのは言ってることと顔は一致しないものだ。完全に食べて欲しいと

いう顔してる。しかも自分は食べたくないと……。

「いいよ、俺が食べるから。お前は俺のために作ってくれたんだろ?」

 優しいな、俺。

「じゃあ、どんどん食べてね。味噌汁も作ったから」

「ありがとよ」



 突然きた姉……。未だに困惑しているが、こんなに優しいし色々してくれると、久しぶりに家族の有り難みを感じるな……。まっ、語るつもりはないがな。


 ……、味噌汁、暖かいな……

 





 さて、既に時間は8時15分。いくら学校まで徒歩5分とはいえそろそろまずい。

 いつもは、天使と登校しているのだ……。ただ今日はまだ来ない……。

「亮介!一人で何してんだ」

 やっと来たか……。

 壁から背中を離した時に気付いた……。あいつバカだろ?俺が気付かないとでも思ったか!バカ者め!

「おい福田君?」

「おっ?朝からいきなり愛の告白か?」

「あぁ、そうだよ。しかしお前ではないんだよ。穂だよ。わかったか?」

 では、消えてくれ。バイバイ。

「なんでやねん」

 それをツッコミ口調で言われると殺したくなる……。

「わかった。じゃあな。ありがとう。もう夜だもんな。気をつけて帰るんだよ。はいお小遣い」

「つまんねー。何そのギャグ……。今のお笑い芸人よりつまらないぜ」

 ……。意外にショックなんだが。

「わかった。真面目に俺は天使を待ってるから……」

「妖精妖精もうようせい……」

「その分かりにくいギャグやめようぜ。わからない人大半だから」

 気になる人は検索してね!

 すると、今更気付いたが後ろで穂が笑っていた。

「朝から二人で漫才か~」

 してないから。誤解ね、それ。

「あの程度のもので笑うとは……。お笑いの真髄を学がいい」

「知るかそんなもん。真髄て何だ?」

 俺の勝ちだな。バカは返答に困っている。

「まぁ、とにかくオンバトを見れば?」

 オンバトは知ってる人も多いだろうが、お笑い番組だ。

「じゃ、ふっくんも一緒に学校行こ~」

 ふっくんとは、言うまでもないが福田のことだ。

「仕方ないし、行くかよ」


 後に聞いた話によると、その時かなり舌打ちをしていたらしい。人間はこえーよな。



「おい、五十嵐」

「五十嵐だが、なんですかね?」

 まぁ、こんなのはいつものことだ。『宿題見せてくれ』という定番パターンだ

ろ。

「宿題見せてくれ」

 一語一句狂いがないと……さすがにおもしろいな……プッ。

「ほら」

 相手に投げつけるように渡す。これもいつもの同じだ。

 まぁ、次は『恩に感謝するぜ』だろ?意味不明な発言だと思うが。

「今日さ、転校生来るらしいぜ」

 そう来たか。

「転校生か~。なに?早速告白してきたの?」

「証言によれば結構可愛い系みたい」

 華麗にスルーしやがった。しかも証言て……。

「そうか。それで早速耐えられなくなりいかない行為に至ったと」

「お前頭大丈夫か?」

 だいじょうぶだよ。

「で、転校生なんて来るもんなんだ。この時期に……」

「てか、話戻すが玉置の寝床襲ったやつにあんな訳わからんこと言われたくない

わ~」

「……。リアクションとりにくいからやめてくれ」

「否定することだな」

 ……。ちょっとした不祥事があったんだ。気にしないでくれ……。しないでください。

ガラガラ――

 ドアが開く。一応説明。

「転校生が来ている。入りたいなら入れ」

 転校してきて早々にこれはキツイだろ……。

 うちの教師はかなりの鬼教師だ。よく並みの教師が脅しでいうようなことを本

気でやらせるのだ。

「は~い」

 アイドルが呼ばれて入ってくるみたいだ……。……。あれ昨日来た自称俺の姉ではないか。事実の話みたいだけど。……。

「五十嵐薫です。これからよろしくお願いします」

 よろしく~。

「じゃ、川崎の隣が空いてるから座れ」

「はい」

 てか、あいつ姉じゃないの?何で俺と同じ学年?

 落ち着け!こんなのよくある事だろ。細かい事は忘れろ。うん忘れた。



 先生の話が終わると同時に福田が席の前に立つ。

「な、可愛いだろ?」

「ふつう」

 つまらなそうな顔をして席に戻っていった……。



 意外にも、姉との絡みはなかった。あいつはあいつで、早速友達を見つけて盛り上がっているみたいだ。面倒なことにならなくて済んだ。

「やっと昼飯だー!」

「お前子供だな。少しは昼飯だから何だよ?」

「既に飯を食べてるお前に言われたくないから……」

 あの姉が作った弁当は、かなり美味いな。朝があったので心配だったが、心配もいらなかったみたいだな。

 すると、穂が席の前に来た。

「(もじもじ)今日私の家に来ない~?」  

 キター!!!

 ついに告白か。まぁ、薄々感じてたけどな。俺は鈍感な、幼なじみの気持ちにも気づけないようなやつではないのだよ!!!もうお腹いっぱい~。

「わかった。今日もいつも通り待ってるから」

「ありがと~」



 その夜、俺は穂の家に向かった……。



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