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僕の彼女は姉《シスター》です  作者: KAIYAMA
第二章 気付けなかった『心』
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だるいよね!

「……!?何で?何え!?」

 穂は言った。悲鳴に近い声で、最後は言葉にもなっていない。

 穂が俺の家に居るのはなぜか?と聞きたいみたいだな。変な話だが、あいつに家の合い鍵を渡しているのだ。信頼はできるし……。

 既に誤解を生じているが、落ち着いて説明しなければ……。

「いや、これについてはだが「だまれ!!!」」

 ……。

 穂は、例の鍵と箱みたいな物を俺に投げつけて部屋を出て行く……。

「追いかけな……。ごめん」

 なぜ謝る?もうよく分からねぇー!

 姉が部屋を出て行く。……。箱は弁当でしたか。

「恥ずかしいだろ……」

 さて、急いで追いかけよう……。とは言っても、あいつの家は俺の近所。5秒もあれば行ける。

 しかし……。家には居ないようだ。

 ならどこだよ?取りあえず、電話……。いや、メールがいいか。知り合いに一斉に送信だ。

『穂を見たら教えてくれ!』

 これでいい……。

 とにかく走ろう……、走るしかない!

 春の生暖かい風邪を受けながら、とにかく走る。穂が心配だし……、ほかに何か大事なことがある気がするんだ。

 俺は、何かに気付けなかったんだ。

 気がつけば、メールが二件来ている。

『ん?穂ならさっきまで遊んでたけど』

 と、バスケ部の仲村。

『このメールには本文がありません』

 と、福田……。また名前を封印されたいのか?

 一体、穂は何処にいる?目が泣きそうだったからな。まずいな。

 あいつが落ち込んだ時に何処へ行くのやら……。

 バッティングセンターか!あいつはそれでストレスを解消するはずだしな。

 


「みのるー!いるかー?」

 ……。この中に今女の子は居ないな……。

 ならどこだよ!?強く落ちていた空き缶を蹴り飛ばす。

 俺が一番、穂を理解してると思ってた……。一番愛してると思ってた……。

 ただ、そう思い続けてきた人を傷つけた。俺は糞だ。

 せめて、穂は見つけたい……。ここで穂が見つからなければ、もう明日からは話すことも許されないはずだ。

 ……。なんだかんだで俺はずるくて卑怯なやつだな。こんな状況になったら、穂に会いたい。

 あいつが大好きだ!なんて言葉を言うことは許されない。でも、あいつを見つけて言いたいことがあるんだ。

 俺に選択肢は二つだ。穂を見つけて仲直りか、穂を見つけられずに引きこもりになる。

 ま、その二つでは選ぶものは決まっている……。見つけるしかないだろ!失いたくない物の価値はでかいからな!

 誰も、失わない……。

 そんなかっこいい台詞を言っていたら、河原に一人の少女を見つけた。誰かは言わなくてもいいだろう。

「みのるー。おーい!」

「帰れ」

 言葉を発すると同時に石を投げてくる。恐ろしい……。

「いや、なら一緒に帰ろうぜ!」

「あんたは……大好きなお姉ちゃんのところにでも行ってな……」

 人て、……。性格が変わるよな!それも突然!最近になって学習したことだ。

「何言ってんだよ?俺が好きなのは「死ね!」」

 言葉の最中に割り込んでくるとは……。

 ついでに石をまた投げつけられる……。いや!数がおかしいって!なんで、5個同時?それを連続で!?

「待て!落ち着け……。落ち着け!」

 河原に寝ている穂を止めようとするが運悪く、足場をなくし転がり落ちる……、そのまま川に転落……。

 浅いからいいが、服はびしょびしょだ。

 穂もさすがにこちらを心配しているが、近づいてくる様子はない。

 仕方ない……。帰るか。世の中諦めが肝心なのかもな。明日からでもまだ遅くはない!

 そうさ!今は危険すぎる!

 そう考えて、帰ろうとしたらだ。

「……。も、もう、帰っちゃうの?」

 ……。……。一つだけ言わせて。

 女子てだるいよな……。

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