30/34
(この視点は櫻井のものではない)(欠片)
私、二条彩夢は、元は近衛という公爵家の娘だった。母はすでに亡くなり、猫との混血というだけで義母と義妹にいびられる日々だった。殴られたり蹴られたりすることも多く、腕には痣ができてしまった。首に残っている傷も、 自殺未遂でついたものではなく、義妹にロープで絞められて付いた。
そんなある日、唯一与えられた小さな屋根裏部屋に独り閉じこもって泣いていると、窓を叩く者がいた。怖くなって開けると、そこには数少ない私の味方をしてくれた執事の二条洋人が立っていた。現在の父だ。彼は私を連れ出してくれて、養子縁組もしてくれた。いつだって私の味方になってくれた。今も父には感謝している。




