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夕暮れ

夕方になって人も減り始めた頃、物販を売り切った。昼夜祭に行く人たちが出ていった後に、僕は南昇降口へ向かった。高校棟の奥の物理準備室を通らないとたどり着けないこの昇降口は、一般の人どころか、生徒もほとんど知らない。僕と二条さんは待ち合わせによく使うので知っている。

少し待っていると、二条さんがやって来た。

「ごめん!待たせちゃった?」と言うので、「全然、さっき来たところだよ」と答えた。

「じゃあ、行こっか。」と言い、歩きはじめると、二条さんが恥ずかしそうに「…ねぇ…手、つながない?」と言ってきた。僕は若干驚いた。何かを二条さんの方から言ってきたのは初めてだったからだ。僕はフッと笑って「いいよ。」と答えた。僕は、おもむろに二条さんの手を取った。二条さんは花が咲いたかのような笑顔を浮かべる。それを見て、僕は生きていることを実感した。

「それじゃあ、今度こそ行こっか。」と言い、懐中電灯をつける。途中で山道を通るので、夜に行くときは必須だ。少し歩いていると、二条さんが聞いてきた。「そういえば、どこに行くの?」

「あれ?言ってなかったっけ?」と僕は答えた。「うん。言われてない。」と二条さんは言う。「ほとんど誰も行かない『平和の丘』だよ。」と僕は返す。

「平和の丘」とは、学校から少し歩いたところにある丘のことで、小学生が遊んでいるのをよく見かける。夜になると静かな大地と化すが、星がきれいに見える。でも、流星群が見られる時でもほとんど人がいない。単純に知名度が低く、穴場になっているのだろう。

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