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(この視点は櫻井のものではない)
俺はなぜか罪悪感が止まらなかった。
なんで殺してしまったんだろう。
その思いしか思い浮かんでこなかった。家の近くにある踏切の警報機が鳴り響く。この辺りは人があまり来ないから、遮断機はない。
――その刹那。
何かが背中に当たる感触がした。
俺はその「何か」に押されて、線路の中に立ち入ってしまった。
その目の前には、電車が来ていた。
小さい頃からここで電車を見てきたので、知っている。ここのあたりに駅はない。だから、電車は高速で通過すると。
どんどん電車が迫ってくる。
そして、電車にぶつかる瞬間。
踏切の方に、二条さんが見えた。
ニヤッとした不気味な笑みを浮かべて、制服の袖を口に当てて笑っている。
僕は、ある思いが浮かんだ。
――ああ、俺は運命の相手にも裏切られてしまったんだな。
俺の意識はそこで消えた。




