表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/50

世話の焼ける弟

 群馬の『ド田舎(山の中)選挙区』。


結城は水神村の山道を山川由紀の婆さん、山川(山川トメ)を乗せて軽トラ(地元用選挙カー)を運転している。

携帯電話が鳴る。


 政信からの電話である。


結城は携帯を懐から取り出し、


 「何だ。運転中だ、電話するな」

 「あ、すいません。あの例の裏口の件です」

 「アトにしろ・・・」


政信はその言葉を無視して、


 「バッチリです」

 「バカ野郎! オマエの話を聞いてると事故っちゃうよ。ちょっと待て。今、車停めるから」


結城は路肩に車を停める。

後ろの座席に座るトメを見て、


 「トメさん、わりいねえ。三分待っててや」

 「良いよ。どうせ、急ぐタビでもあるめえし」


結城はまた携帯電話を耳に、


 「もしもし、土屋。オメー、親父の口癖、知ってるだろう。5W1Hだぞ」

 「あ、すいません。昨日、浦口さんの所に行って来ました」

 「結論!」

 「 OKでした」

 「そんな事、あたりめーえじゃねえか。切るぞ」

 「いや、一人で良いんですよね」

 「ナニッ?」

 「あの~、浦口さんが一人で良いのかと」

 「・・・」

 「もしもし、モシモシ、結城サン?」

 「聞こえてるよお~。おい、応接の棚の陳情ファイルを広げてみろ。息子の進学で悩んでいる親が居るだろう」

 「あッ! そうか、分かりました。また後で電話します」

 「いいよ。電話なんかしなくても」


 結城が携帯を切る。


トメが後部座席から結城に赤飯の握りニギリメシを差し出し、


 「忙しいねえ~。これ、食うか?」


結城は驚いて、


 「あ、イヤ~、いやいやいや、こりゃーすんません。旨そうだ」

 「誰とシャベってたんだい?」

 「世話の焼ける弟ですよ」

 「そ~けえー」


結城は握り飯を頬張る。

                          つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ