二百文字小説『二度参り』
初詣の時、若者達が御神木にゴミや吸殻を投げ捨てていた。
私は、彼らに罰が当たるよう願を掛けた。
私の隣で仲睦まじい親子が鈴を鳴らし、娘が手を合わせて言った。
「誰の願いも叶いませんように」
父親は、何故そんなことを願うのか――と訊いた。
「だって、誰かがきっとあの人達に罰が当たるよう願ってるもの」
私は頭をかきながら、願掛けをしなおそうと参拝列の後尾に向かった。
先に詣でた連中が、背後からぞろぞろとついて来た。
神社にある「ガラガラ」や「鈴」で俗称されるものは、本坪鈴と呼び、お寺だと別の呼称を用いるそうです。
ご参考までに。