遊園地とその後。
それからは、ご飯食べ
絶叫系以外で乗れる乗り物を探し
閉園まで一緒に過ごした。
「楽しかったなぁ、」
「俺もめっちゃめっちゃ楽しかったです!」
「また一緒に来てくれる?」
「…!!はい!」
数日後。
あのパワハラモラハラ上司は、人事の人に潰れかけのやばい部署へ飛ばされ本日から新しい上司が来るらしく
少しみんなうきうきしていた。
が。
そこには、何故か、あの幼なじみがいた。
「本日より、こちらの部署を担当させて頂く川辺と言います。みなさんとより良い環境作れるよう頑張らせて頂きます。」
男女共に釘付けだ。
「…仕事辞めるか。」
「ね、先輩。あの人遊園地で居た人ですよね」
「…うん。何故かーくんがここに、」
「…かーくん、」
「はっ、今のは、なし!なんでもない」
「ね、先輩は俺とあの人どっちが好きなんですか」
「は、え、なに………もしかして、ヤキモチ…?」
本人とも打ち解けず、あげく
あの『助けて…!!!!!!』と叫んだ際に見捨てられた時の光景がフラッシュバックされるというのに、
あんまりだ…はぁ、
「君たち、おしゃべりしてるけど話聞いてましたか?」
「「!?」」
「すみません。書類の確認作業してました。」
「……そうですか。あ、星芹さんはあとで話たいのでお時間作ってください」
「ひっ、あ、はい…」
この人は、余裕で私の名前を口にする
”星芹 友梨佳“と。
やめてほしい
それから、仕事を順調に片付け
昼時になると川辺との昼食へでかけた。
正直食欲なんてない。
むしろ今食べたら吐く。
そんなレベル。
「遊園地以来だね。ゆーちゃん。高校生の時からずっと君のこと探してたんだ。」
「……平和をこれ以上脅かさないでもらえますか。わたしはあなたの声も、姿も、何もかも嫌いです」
「それは、トラウマでってこと?」
「わたしは、もう自殺未遂もしたくないんです!!過去のこと考えたくもない。思い出したくもない。」
怒りの勢いで、自分が昔付けた自殺未遂の傷あとを
さらけ出してた。それは数十年経っても残ったまま
自分の傷として残っている
「わかりますか?あなたと仲良く接して楽しく過ごしてるだけで、学校中の生徒がわたしをいじめ、レイプまがいのことから!傷害になるようなことまで!様々に受けて!!生きるのが…辛くなって…………自殺しようとしたけど死ねなくて、がんばって生きてたのに…」
「ごめん……………ほんとに、償っても償えない傷ものにして、俺のせいでゆーちゃんが…目に前から居なくなって、初めて色んなことに気づいて。」
「辛いだろうけど、聞いてほしくて。」
「ゆーちゃんが、転校したあとにいじめをしてた主犯や度が過ぎた生徒は退学それを止めなかった教師は懲戒免職処分とかになったんだ。一気に生徒が学校から消えて、1ヶ月しないうちに学校の悪評広まったり、いじめの映像が広まったりしてたんだ。ニュースとかでも取り上げられるほどに…」
「…え。」
「それで、何とか知り合いに聞いて回ってゆーちゃんのお母さんやお父さんと連絡がついたけど取り合ってもらえなくて、俺から会いに行って殴られたりした。」
「それで更に事の大きさに気づいて、ゆーちゃんを探そうと思ってた時に君が遊園地で居たの見かけて……見た目とか凄い大人ぽくなっててびっくりしたけど、つい声かけてしまって…」
「まだ、怖いだろうに。ごめんね…」
「……知らなかった。お父さんもお母さんも隠してくれたんだ。」
こんな急展開に付いていけるわけもなく
ただただ、息を飲み込むくらいしか
出来なかった。
「謝られても心は癒えないし、正直何を今更って、思うよ。でもね。遊園地でも見たと思うんだけど」
「うん。」
「後輩くん、と………部署のみんなのおかげで、遊園地行った時に!人の顔が、あったの…」
「うん。」
「かーくんはのっぺらぼうなのかなと思ったら、ふつうにかっこいい顔してたし、ちょっと困惑だったけど、でも……」
「かーくん、話してくれてありがとう」
「どういたしまして」
「なんで、あの時助けてくれなかったの。ってききたいけど、それは、またの機会に聞くね。」
「…!う、うん…」
目に入ったのは、後輩のメッセージだ
『いつ帰ってくるんすか?』
『さみしい犬のスタンプ』
不覚にもかわいいと思ってしまった。
早く会って話したいと思い、その場をあとにしようとすると。腕を掴まれた。
「ゆーちゃん、あのね。俺。ゆーちゃんのこと好きだよ。今も、あの頃からも。」
「え」
「じゃ、奢らせてね。先に戻ってる」
「あ、えっ、ちょ…」
置き去りにされた。
…ずるい。