遊園地
あれから、バタバタはしたものの
職場の一件が収まり余裕出てきたのを見て
二人で予定合わせては、遊園地に行けることを楽しみにしてた。
周り曰く、こんなうきうきソワソワしてる
自分を見たことがない。と。
少し反省。
もちろん前日の準備も手間取りまして
着る服や小物、髪型など決めてた
翌日。
待ち合わせの駅前集合。
予定より1時間前に着いてしまった…
『俺楽しみです!!』
『うん。私も楽しみ。』
『てか、先輩もう待ち合わせ場所居るじゃないですか!?』
ん?ということは…………
目の前には、私服な後輩がいた。
かっこいい…!!
「…先輩もう!着いてるなら、連絡くださいよ!!」
「あ…ごめん、忘れてた。今日はよろしくお願いします。」
「こちらこそ…!!さ、行きましょ!」
「う、うん!」
手を繋がれて、電車で隣同士に座り
遊園地に向かった。
「着いた…」
周りを見渡すが、のっぺらぼうではなかった。
人の顔だ。とほっとしてると
後輩が、スマホアプリを使い遊園地の乗り物を調べていた。
「ね、何か乗りたいのある?」
「俺は、なんでも好きなんで先輩が乗りたいやつまず行きましょ」
「…!ほ、ほんと!じゃ………」
間。
「せ、先輩………あの、絶叫系オンリー…」
「ご、ごめんなさい…あの、お水買ってきます!」
「……うぅ、」
遊園地の飲みは高い。500入ってる見ずですら200円
安いところで水買ったら、たぶん4本は軽く買えるだろう。そんなレベル。
でも今は、後輩がぐったりしていることに気づかず
久しぶりの絶叫系ではっちゃけた自分がいけないのだ。
「あと、たべもの何か居るかな?軽食…」
「あれ、ねぇ君もしかして…」
「…?はい。なんでしょう………っ!!」
「久しぶり!元気してたんだ」
「…あ…あぁ、」
幼なじみの。あの時自分を見捨てた。
あの………幼なじみ、
「ひ、人違いです。」
「☓☓☓ちゃんだよね?」
「…………ッ」
聞きたくない…聞きたくない……!
「先輩、」
「…!」
「なんだ男連れかぁ…これさ!俺の連絡先。じゃーね」
「………っ」
「先輩、顔が真っ青…」
気づかれたら、今日帰ることになる。
それだけは嫌だ。作り笑顔、しないと…
どう、やるんだっけ?
「……ごめんなさい、」
「とりあえず、椅子に座りましょう?」
「…うん」
間。
後輩の為に買った水も、何故か自分が飲んでるし
精神的苦痛がすごい。
自分の名前なんて久しぶりすぎて、
「あの人、先輩のなんなんですか?」
「……。今から、言うの聞いても嫌いにならない?」
「はい。先輩のこともっと理解したいので!」
「………ありがとう。」
少しだけ、心がほっとした。
ありがたい限りだ。
わたしは重たい口を開き、過去のことを少しずつ話して言った。
がばっ…!
「…わっ、」
「先輩〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「…ここ外!、」
…ほろほろと涙がこぼれ落ちた。
こんなことって、もっと早く後輩と出会いたかった
そしたら少しは変われたのかな…
「ありがとう」
ぎゅっと、抱きつかれ迷子だった手を
大きな背中に回し、
少しの間そのままにいた…
「せんぱ………ぎゅるるる」
「…ふふっ、お腹正直すぎ…ははっ」
「あ!ちょ、笑った!!も〜〜〜〜」
「お腹減ったね。何か食べようか」
「…はい。」