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あれから会うもなく3年が経ちました。

作者: 尾道小町

わたしはシルビア・ウッドサイド伯爵令嬢です、人生でこれ程、身も心も捧げた御方はおりません知り合ったのは、わたしがボランティアで教会の子供達のお世話をしていたときのことです、そこへユリアス王太子殿下も身分を隠し通われておりました。


3ヶ月程してユリアスさまがわたしに「愛してる」と、告白されてわたし達はお付き合いすることになりました。


ですがユリアスさまが王太子殿下だとは知りませんでした。



彼とは添い遂げる事はできませんと解っていて愛してしまったのです。

彼は隣国の尊い方との御成婚が決まっていて、お会いするのは今日が最後です二度と会いません『サヨウナラ』


1年後彼は盛大な結婚式をされるのです、ある方から打ち明けられました。


隣国のダイアナ王女その人からの告白でした。

ユリアスさまのお子を授かりましてわたし達、結婚することになりました。


『シルビアさま祝福してくださいますね』と、告白されてわたしは胸がつぶれそうです。

お祝いの言葉は『おめでとうございます』それしか出てきませんでした。


私は授かった子を一人で産んで育てる決心をし

まして、隣国に住まわれている、お婆様の屋敷に身を寄せ静に暮らしていこうと、この屋敷で穏やかに生きていこうと決心しました。



お婆様の屋敷で暮らして3年、可愛い息子にも恵まれて幸せです、そんなある日、勅命でエメラルド国の宰相様がこられお会いすることになりました。



「登城してほしい」と、言われ息子の事が知れたのかと気に病んでいました。



仮面をした若い男性が突然現れて訊ねられました。

「貴女はユリアス王太子殿下の、お子を産んだと噂されています事実なのですか?」



ユージンを抱き上げ顔は見えないように気を配って答えました。

「わたしは隣国とは関わりはありません、この子は王太子殿下とは関係ありませんから、お願いですお帰りください」




「貴女は隣国エメラルド国シルビア・ウッドサイド伯爵令嬢ですね?」



なぜ、この方は私の名前や爵位まで、ご存知なのかしら?

「遠路遙々お越しくださり、ありがとうございます、ですが、わたしはエメラルド国シルビア・ウッドサイド伯爵令嬢ではありません、お帰りください」少し声が大きくなってしまいました。



「俺が誰か解りませんか?」

そう言いながら仮面を外し顔を、お見せになられてわたしの愛する、お方の顔です金髪碧眼の美丈夫、エメラルド国ユリアス王太子殿下でした。



仮面をしていたので顔が、はっきりしないから

雰囲気は似ているなと思っていたが確信は持てなかったのです。



一国の王太子殿下が隣国にわざわざ来る?普通来ませんよ暇人か!?信じられない結婚してるはずだし何しに来たのかしら?



ユージンは俺の子だと確信している彼女を説得して早く国に帰りたい!

彼女が居なくなり城の婚約候補達に実家に戻って貰うことが意外と難しく迎えに行くのが、あれから3年もたっていたのだ。






王太子殿下の隠し子と噂されて肩身の狭い思いをしています。


わたしとユージンは今エメラルド国エメラルド城に居ます!

なんども説明したのですが理解してもらえず今にいたります。



まあ私の説明が辻褄が合わないし、ユージンがユリアスの幼少の頃にそっくりだと絵姿を観せられ、ビックリ可愛らしいユージンです、こんなに似るものなのですね血筋は凄いです。



ユリアス王太子殿下が手紙をわたしに読めと渡されました。

これはわたしの元侍女がユリアス王太子殿下に出した物のようです!



ユリアス王太子殿下、わたしはウッドサイド伯爵令嬢の侍女をしていたサマンサと申します。

失礼を承知でこの手紙を書いております、シルビアお嬢さまは貴方を心から愛しております。



この手紙を書く前、王太子殿下の婚約者と名乗る方が来られ『ユリアス王太子殿下と合うのはもう止めて欲しい私達は愛し合っているのです』と、告白されて帰られたのです。



この手紙…が届く頃には、お嬢さまはこの国にはいません。


わたしはユリアス王太子殿下の幸せを御祈りしております。


追伸 


お嬢さまはご懐妊されておりました。






これを読んで直ぐ婚約者候補1番のダイアナ王女だと解り候補者から外した。



ダイアナ王女は婚約者ではなくて婚約者候補だったの?

「ユリアス王太子殿下、王女さまは、確かに婚約者だと仰ってわたしは信じてしまいました」


「王女が全て話したよ、直ちに婚約者候補から外れてもらったんだ」


「あの子は俺の子だよね?」


「はい、そうですユリアス王太子殿下と血は繋がっていますが貴方に渡すつもりはありません!」


「君はもう俺を愛していないのか?」


「愛してるけどユージンを取り上げられたら生きていけない結婚だって身分差があるし無理だと承知しております」



「結婚のことは3年前から考えていたんだペルホード公爵と養子縁組をしたら結婚できるから安心してほしい!」



「だけど貴方には沢山の婚約者候補がいらして・・・・・・他の方はどうするのですか?」



「彼女達には、3年前に自宅に帰ってもらっているし婚約者候補は、もう1人も居ないんだ」



知らなかったユリアス王太子殿下はわたしと結婚するつもりで?

「解りました暫く御城で泊まり、これからのことを考えてみます」



わたしはユリアス王太子殿下の全部を信じている訳ではありません、だって家の両親に訊いたら、わたしが隣国の祖母の屋敷で生活してることくらい、解るはずです3年も掛かるかしら?


何か怪しいわ信じられない!




ユリアス王太子殿下とユージンの初対面です、

今わたしのお婆様であり王太子殿下の大伯母上様であるエリザベス・ウッドサイドと、この国の王太子殿下がわたしのことで話し合いをしています。


「ユリアス王太子殿下、わたしがシルビアの祖母でエリザベス・ウッドサイドです、お久しぶりです」


「お久しぶりです、幼い頃1度お会いしただけなのに覚えてくださり嬉しいです大伯母上様」


城の個人的応接間にお茶や茶菓子も用意されて3人で話しあいをしています。


「少し良いかしら?」


「はい、大伯母上様何でしょうか?」


「私の可愛いシルビアに会いに来るの3年も掛かったのは、どうしてかしら?」


あれ、大伯母上様もしかして怒ってるのか?

「それはですね、大伯母上様のお屋敷に行くのは・・・・・・少々行くのがですね躊躇いが有りまして・・・・・・」


ユリアス王太子殿下は土下座をして謝った。


「大叔母上様お許しください、これには訳がございます、シルビアにダイアナ王女が婚約者だと嘘を吹き込み、シルビアは自分の意思で城から出ていき」


「シルビアを探していたけが見付からないので私の屋敷の敷居が高かったの?」


「そうです、大叔母上様。それにダイアナ王女と残りの婚約者候補を城から追い出すのに時間が掛かり過ぎました。

彼女達は隣国の王女や公爵令嬢で身分の高い者が多く、意地だけで城に居座り、時間が掛かったのです」



一国の王太子殿下の土下座はもう見てられなかった。

「お婆様もう、その辺で赦してあげてください」


「そうね、年取るとお説教が長くなるって本当ねユリアス王太子ごめんなさい立って頂戴」


ユリアス王太子殿下は足が痺れてヨロヨロしながら、まるで生まれたての子鹿のように立ち上がる。

「いえ大丈夫です」


「それではユージンとのご対面ですよ、呼んできなさい」


侍女が返事をして部屋に連れに行く。


「はい」





侍女が連れて来た子供は金髪碧眼、色白の可愛らしい女の子に見える、髪は切った方が良いな長いから美少女に見える。


ユージンが話し始めた。

「このひと、おとうたまでしゅうか?」

本能で父親と解ったようだ。


侍女が優しく話し掛ける。

「ユージンさま良く解りましたね、お父様ですよご挨拶なさいませ」


ちょこっとお辞儀をしてユリアス王太子殿下に抱きついた。


「あいたかったでしゅう、おとうたま」


ユリアスはユージンを抱き上げ抱き締めて。

「俺も会いたかった、こんな幸せな日が来るとは思わなかったよ」



「今日は3人で寝ましょうね」と、シルビアが話した。


「おかあしゃま、おとうしゃま、ほんとうにいいの?」


「良いわ」「良いぞ」



「明日、城に戻ることになる大叔母上様には申し訳ないが俺も忙しい」


「仕方ないと思います」


ユリアス王太子殿下には仕事が山のようにあって早く帰って取り掛かる必要があった。





追い出されたダイアナ王女は『父上追い出されました!悔しいです』泣き縋ると、レンガドール国ジョージ王が怒り始めた!


自分の可愛いダイアナ王女が追い出されたのだ宣戦布告をして国境に歩兵に鉄砲隊と騎馬隊合計5万を配置した。


脅しのつもりで配置しただけで本当に戦争するつもりは無い!戦争はお金も人も消耗して勝利したら領土が手に入るだろうが娘を嫁がせたほうが金も人も消耗しなくて済むから楽だ。


だからユリアス王太子との婚姻を成立させたいどだ。

戦争だと脅して、エメラルド国の出方を待っている。


ユリアス王太子殿下が戻り次第、返答をすると宰相が書状を届けてきた。


エメラルド国、宰相は仕方なくダイアナ王女が戻るのを赦し時間稼ぎをするため、お城の滞在を許可したのだ。





王太子殿下達は城の様子を敏感に察して、シルビアとユージンは侍女に部屋を案内させた。


執務室で宰相の話を訊いていた。


ユリアス王太子はダイアナ王女を追い出したいと思いイライラしていた。

「はあ、何てことだジョージ王は戦争したいのか?」


「それは無いと思います武力はこちらが少し上ですし、こちらには大砲も有りますからジョージ王は負ける戦争はしない男です、今回はダイアナ王女を追い出したのが気に食わないのでは?」


「じゃあダイアナ王女は暫く城で暮らすのか?」


「まあ、そうなりますね」


「クソー、俺はお守りはしないぞ!」


「大丈夫です、お守り役ならネイビーに任せました。王太子殿下達には近寄らせません」


「ネイビーか?あいつは女嫌いだろ?」


「はい、ですがネイビーは美形ですし公爵令息ですから一緒に居るには十分喜びます、ネイビーは任務には忠実な男ですから、それなりに接してダイアナ王女も喜ぶでしょう!」


「解ったネイビーにダイアナ王女が俺達に近寄らないよう命令しとけ」


胸に手を当て、お辞儀をした。

「仰せのままに」








ダイアナ王女が遣りたい放題で、ユリアス王太子の部屋にユージンとわたし3人で使っています、ダイアナ王女にわたしとユージンのことは、まだ内緒にしときたいようです。


解っています知れたら戦争になるでしょう!

わたしやユージンも巻き込まれて命を狙われるかも知れない、でも何だかモヤモヤしていてダイアナ王女はまだユリアス王太子殿下を愛してる?



ダイアナ王女の部屋は王太子殿下の部屋から、かなり離れた客間です。


深夜、何故知ったのかダイアナ王女はユリアス王太子の部屋に入ろうとして見張りの警備係が捕まえて暫くの間ネイビー公爵令息の屋敷に監禁処分されていました。


屋敷、敷地内では自由に出来たのですが、それ程不自由はしていないでしょう。


ダイアナ王女が戻ってくるまでにユリアス王太子殿下の部屋は簡単には近寄らせないよう鍵は二重に警備係は10人以上に増やしました。


ダイアナ王女が城の部屋に戻ってユリアス王太子の部屋に近寄れないので執務室に忍び込むようになりネイビーに王女の部屋の前で寝るよう頼んでいた。



ユージンが部屋に、とじ込もって居るのも飽きてきてシルビアが寝ている隙に部屋から抜け出し庭園で遊んでいると侍女が話し掛けてきた。


女性がニコニコ微笑でユージンの頬を撫でながら話し始めた。

「こんにちは、初めましてお名前は?」


「こんちゃ、ユージンといいましゅ、としはシャンシャンいでしゅ」


「もしかして、お母様のお名前はシルビア様ですか?」


「しょうでしゅよ、しってましゅか?」


「ええ、よく知ってますよ、お部屋まで一緒に行きましょうか?」


「あーい、かえりましゅう」


庭園から戻り部屋まで送って貰うと侍女から包みを渡された。


「最近お母様は、お疲れではありませんか?」


「そうでしゅう、いまもねてましゅう」


侍女はユージンの手を握り話す。

「その包みの中には元気になる薬が入ってます、お水に混ぜて飲ませてあげて下さいね」


「あーい、ありがとうでしゅう」





部屋に入るとまだシルビアは横になり寝ていた。

水差しからコップに水を注ぎ込み貰った薬を入れて混ぜた物をベッドサイドテーブルに置いてシルビアを起こした。


「おかあしゃま、やさしいジジョからもらったおくしゅりでしゅう、のんでくだしゃい」


「貰ってくれたの?ありがとうね」


「はーい」


シルビアは飲んで少したって、コップを落としていた。


ガシャン


「おかあしゃま、どうしまししたか?だれかよんできましゅう」


大声で皆が気付くように叫んでいた!

「おかあしゃまがおくしゅりのんでー、たおれました、だれかー、たしゅけてください」


ただ、ただ。泣きながら助けを求め叫んでいた!そんなことくらいしか出来なかった。


あの侍女は誰だったのか?




意識不明の愛する大事なシルビアは一命は取り留めたが意識不明になっていて俺はユージンが話していた侍女を探したが行方不明だ見付け出せたら必ず処刑してやる。


ダイアナ王女はシルビアが意識不明なので私と結婚しろとゴネていたが俺にその気がないことを話し戦争なら受けてやるとレンガードル国ジョージ王に書状を出したら撤退した。


矢張思った通り本気で戦争をするつもりはなかったようだ。





この国には妖精の木を見付けて願い事をすると叶えてくれると言う昔話しがある。


藁にも縋りたい気持ちの俺は城にある図書室で色々調べていると妖精の木は見える者にはダイヤモンドのように輝いていてる木です。


見えない者には普通の木にしか見えず国中を歩き回り探すしかないらしい。


見えたとしても妖精王に嫌われると願い事は叶えられず、その者は粒子になりその場で消えてなくなる。


今までの妖精の木はイラス国から発見されたのが多いようだ願いが叶ったのは1度だけで確率が低い。


ほとんどの者達は消し炭になっている!


ユージンに必ず妖精の木を見付けて願いを叶えてもらってくると、約束して旅に出ることにした。


旅の共には親衛隊ロマネスク隊長と隊員2人とイラス国に向かうことにした。


イラス国まで着くのに1ヶ月掛かったこの国は半分以上が砂漠で本に書かれていたことは妖精の木はその砂漠のオアシスの何処かで妖精の木の栽培地だと書かれていた。


仕方ないからイラス国のオアシスが載っている地図を頼りに探索をはじめた。



1日目のオアシスには水飲み場に普通の木々と草花が咲いて休憩所が有り宿泊もできるようだ。


休憩所の個室を借りて休んでいると支配人が挨拶にきて話した。


『明日、西の奥にある木を見たら貴方が探してる木を発見できるでしょう、恋人の病は回復するはずです』


そう話すと消えていた。


支配人の話しが本当かどうかは確かめようが無いが朝、出掛けることにした。


帰りに立ち寄り説明すると支配人は別人でそんな話はしていないと語っていた。


早朝になりユリアス王太子殿下にロマネスク隊長とソレイユ隊員とユリアン隊員4人で西の奥にある木を探しに向かう、朝日は東から昇るが朝日より明るく西だと解る程、虹色カラーで光っていました。



その虹色カラーの木までたどり着きその輝きの虜になりそうなのを、グッと我慢して心の底から愛する恋人が毒で意識不明になり、ユージンは自分のせいだと今も泣きながら母親の意識が戻らない事を嘆き悲しんでいる事などを妖精の木に触れながら祈りを捧げていた。


祈りを捧げて3日食事をせず水だけ飲んで祈り続け虹色カラーより明るく美しい男性とも女性

とも言えそうな妖精の頂点が現れた時ユリアス王太子殿下は跪きその神々しい妖精王を見詰めていた。



妖精王は話された。

〘お前は恋人が毒で意識不明になっている、彼女を目覚めさせたいのか?〙


「はい、彼女は4歳の子供もいます、目覚めたら俺は何でもします」


〘ユリアスよ!彼女と息子の記憶だけ消すが良いか?これから1年その間にもう一度お前が2人を愛することができたら、彼女はそのままお前達と暮らし仲良く歳を重ねる事ができるが、ユリアス、お前が彼女への愛を思い出せないようなら、シルビアと息子は俺の者だ2度と2人には会えないだろう〙


躊躇うこともなく妖精王と契約をしていた。

「解りました約束します、どうかシルビアを目覚めさしてください」


〘では、その願い叶えよう〙


目の前で光り輝いたと解った瞬間、妖精王の声が消えて同時にユリアス王太子殿下は気を失っていた。







何か大切な・・・・・・忘れている。

2ヶ月程、城を離れ視察に出掛けていたがその間、何処で何をしていたか思い出せない。


ロマネスク隊長はシルビアとユージンの話をしていたら全く違う言葉を発していた。


ユリアス王太子殿下はロマネスク隊長は旅で疲れ意味の解らない話しをしている、俺の命令で

・・・・・・あれ!何しに行った!


暫くすると視察に出掛けたことも記憶から消えていた。


城に戻ると俺の専用侍女シルビアと彼女の息子ユージンを紹介された。彼女を見ると何だか懐かしい心の奥が温かくなるんだ何故だろうか?




私が、ユリアス王太子殿下に私達の関係を語ろうとすると言葉が出なくなり困惑していた。

「私はユリアス王太子殿下専用の侍女です、それから息子のユージンです宜しくお願い致します」


可愛らしい子だな俺にもこの子、位の子がいてもおかしくない歳なんだが。

「ユリアスだ宜しく頼む」


ぺこっとお辞儀をして挨拶していた。

「ユージンでしゅう、よろしゅく、おねがいしましゅう」


本当に可愛い子だ何だか胸が熱く鼓動が響いて俺はどうしたのか?



次の日からユージンと遊んだり勉強を教えたりしていた、物覚えが早く剣術も筋が良いので子供の頃使っていた剣を渡すと、とても喜んでくれて嬉しかった。


食事も侍女シルビアとユージン3人でする事が多くなった。



侍女シルビアは『私は侍女なので、ご一緒できません』と話していたが王族の命令だと言われて一緒に摂る事を承知した。


シルビアからの提案でシルビア達の部屋での食事になり小さなテーブルに向かい合い座り食事を始めた。


この時、懐かしい光景が脳裏に浮かんでシルビア親子と一緒に過ごして・・・・・。


頭が痛い!混乱しているのか?


親子団欒の幸せな時間だが、3人とも複雑な心境でシルビアは毒で眠っていた事を話そうとすると声が出ない、息子の父親が誰かを話そうとしたら声が出せない。


ユージンはおとうしゃまを呼ぶと声が出なくなる仕方なく。

「おうたいしゃま、ぼくをおぼえてましゅか?」



「すまない、覚えていない、だが沢山これから話せばきっと思いだすよ」



「あーい」

おとうしゃまは、おかあしゃまとボクのことをわすれてる!でも、オモイダシテくれる!



「今日の料理はシルビアが作ったのかな?」



「はい、ユリアス王太子殿下が好きな物ですよ」



「パンも君が焼いたのか?」



「気に入りましたか?」



「ああ昔、誰かが作ってくれた物に味が似てる」



「そうですか良かったです」




私を覚えていなくても、好きな食べ物の味は覚えているんだは良かった希望はある、これから毎日色んな食事に、お茶も出してみましょう。







〖サンドラ侯爵令嬢〗



ファルス・ローバンゼット侯爵3代前の王様の弟で孫娘をユリアス王太子の王太子妃にと進めてきた。


ユリアス王太子殿下は即、断わったが、それでも一度は会ってみてくださいと、しつこく食い下がってきた。


これ以上、断われば角が立つかな?

「解った!一度会うだけだ」


やっと会ってくれる!

「はい、ありがとうございます孫娘サンドラも、喜びます」


ローバンゼット侯爵は喜んだ会ったら、サンドラの虜になるだろうと考えていたのだ。


それ程サンドラ侯爵令嬢は美しく賢く根は優しい自慢の孫娘であった。




早速孫娘サンドラ侯爵令嬢と会うことになり、ユリアス王太子殿下は、こんな約束するべきでなかったと後悔していた。


何となくシルビアが知ったら誤解するのでは?

嫌われる?

俺はシルビアの気持ちが気になるのか?

何故だ!




謁見の間で紹介されるだけの話だ直ぐ終わらせてシルビアとユージンに会いに行こう。



ローバンゼット侯爵とサンドラ侯爵令嬢(孫娘)が謁見の間でユリアス王太子殿下が現れるのを待っていた。


ローバンゼット侯爵は孫娘との結婚を望んでいる昔は娘のフィオナと王様が王太子殿下の頃、結婚させようと計画していたが今の王妃と結婚したのだ。


今度こそ孫娘サンドラとユリアス王太子殿下を結婚させようと登城させて婚約者候補になっていたがシルビア伯爵令嬢と婚約が決まりそうで諦めた。


ダイアナ王女が色々画策し自滅してくれたお陰で、シルビア伯爵令嬢は毒を盛られ目覚めないので婚約の話も無くなり、こちらにチャンスが巡ってきた。


シルビアが目覚めた時は意気消沈したが、ユリアス王太子殿下がシルビアと息子ユージン2人の記憶が無くなっていたのだ。これ以上ない運が回ってきた。


まあ、サンドラは妖精のように美しく性格も優しい自慢の孫娘なのでユリアス王太子殿下もきっと愛するようになるはずだ。


嫌々サンドラ嬢と会う約束をしたのだが邪険にできない、ユリアス王太子殿下である。

「ローバンゼット侯爵にサンドラ嬢、遅くなった面を上げよ」


やっとだ!これで王太子妃はサンドラに決まりだ!

「ユリアス王太子殿下お久し振りです、やっと孫娘と会ってくださり、ありがとうございます」


本当に執拗い、まあ、これで俺の態度で諦めるだろう。

「俺も忙しくてな」


「サンドラよ、ユリアス王太子殿下に挨拶をしなさい」


綺麗なカテーシーをしながら挨拶をした。

「サンドラ・ローバンゼット侯爵令嬢です」


ピンクブロンドの髪に翡翠色の瞳、色白で美しい娘が笑顔で此方を見ている。


ユリアス王太子殿下は美しい娘を見て好ましいと思い見つめていた。





ユリアス王太子殿下は悩んでいた。


謁見の間で紹介された、サンドラ侯爵令嬢との事が城で噂されているようだ。


会ったその日に惹かれていたがシルビアの事も気になっていたのに、庭園でサンドラ侯爵令嬢と2人で散歩していたと婚約も時期に決まって発表されるだろうと囁かれていた。


サンドラ侯爵令嬢に惹かれてるのに、シルビア親子が気になって仕方ない、シルビアとユージンへの気持ちが何なのか解らない、頭が割れそうに痛くて今日は早めに就寝することにした。


この時シルビアとユージンに会いに行ってたらと、後で後悔していた。





サンドラ侯爵令嬢は、お祖父様に進められ嫌々ユリアス王太子殿下に謁見の間で会ったのだが、とても好ましい顔立ちに話をしていて楽しかったのだ。


このような気持ちは初めてで結婚したいと思うようになり噂のシルビア伯爵令嬢に息子のユージンの素性を侯爵家の影の者に調べるように命令した。


暫くして影の者から報告書を受け取り読んでいると、シルビア伯爵令嬢はユリアス王太子殿下の元婚約者候補でユージンはユリアス王太子殿下の息子だと解った。


思ったよりショックが大きくて、サンドラは彼を知らないうちに愛いするようになり彼を自分のものにしたいと思い焦がれていたと悟って。


ユージンはサンドラがこれから産むだろう跡継ぎの邪魔者になる確率が高くなり暗殺するしかないサンドラ侯爵令嬢は邪魔者は排除するのが一番そう考えた、この事は誰にも話せないし、お祖父様にも秘密にしないと。




〖十死一生〗


最近シルビアとユージンは危ない目に遭っていた。


階段から落ちたり庭園の池に落とされたり食事に毒を盛られていた時は毒がかるく後遺症も無く安堵した。


2人が誘拐されそうになり大騒ぎになって、初めてユリアス王太子殿下は危険を感じ調べるように命令したのだ。


前のユリアスなら、もっと早く調べたり護衛を付けていただろうが、2人を忘れて他の女性に心が傾き始めているのだ、仕方ないのか?




妖精王は怒っていた、シルビアとユージンに危険が迫っていて全て妖精王が守っていたのだ。


このまま2人が天に召されたら妖精王の物にはならない。


ユリアスは何をしているんだ!

彼奴にとってシルビアとユージンは最愛の人だろうにもっと大切にしろよ!


ユリアスの記憶を奪った事が原因で話が複雑になったのに妖精王はユリアスが悪いと考えていたのだ。


それにシルビアとユージンを自分の物にするには、ユリアスが他の女性と結婚することが条件なので2人が死ぬと妖精王の物にはならないのだ。


サンドラ侯爵令嬢が嫉妬で、ここまでするとは予想していなかった。祖父は優しい孫娘と自慢していたが勘違いだったようだ。

侯爵令嬢がこんなにも愚か者とは想像できなかった。



数日後、サンドラ侯爵令嬢は最悪な命令を侍女にした。シルビアの部屋の扉が開かないよう細工をして放火するようにだ。







シルビアはユージンにこの城から離れて、お婆様の屋敷で暮らそうと話していた。

「ユージンお婆様の屋敷に戻って暮らすのはどうかしら、お父様の記憶は戻らないし辛いでしょう?」



「お母様、僕はお父様と離れたくないです、一緒に居ればきっと僕たちの事を思い出してくれます」


私1人なら・・・・・・ユージンは、この城に居たらきっと暗殺されてしまう、どうしたら良いのだろう?

「もう少し考えてみましょうか?」


ユージンはこれで、お父様の記憶が戻ったら親子3人で幸せに暮らせる、そう思って母シルビアの手を握り微笑んだ。

「はい」




寝付いて暫くすると何かが燃える匂いがして、喉が痛いシルビアはドアまで行き開けようとするが開かない!


煙りで喉が痛く咳き込みながら花瓶の花を取り捨て、シーツを濡らして被って、ユージンと2人で体当たりをしたが女と子供では、びくともしない。


ドアを叩き叫んで助けを呼び続けた。


ドンドン

「助けて!誰かいませんか?お願いです、ユージンだけでも助けて下さい!」

ドンドン


段々燃え上がり素手で叩くのは熱くて、痛くて椅子で叩き始めたがもう無理だと悟り、窓ガラスに椅子を投げつけてガラスを割ったところで気を失っていた・・・・・・。






王族直属の組織CUがシルビア親子の救出を行い捜査を始めた。



ユージンはシルビアに守られ次の日には目覚めたが、シルビアは煙を吸い込み危篤状態で、ユリアス王太子殿下が付き添っていたが仮眠を取るため部屋に戻っていた。



妖精王が姿を現し呪文を唱えて上級ポーションを作りシルビアの枕もとに置いてユリアス王太子の夢に話し掛けて説明した。



『俺は妖精王だ、ユリアスよ俺が作った上級ポーションをシルビアに飲ますのだ。即効性だから直ぐ治るだろう』



シルビアの容体はほっといたら死亡して妖精王の物にはならないので、仕方なく干渉していた。



ユリアス王太子は目覚めるとシルビアの寝室に向かい枕もとに有るポーションをシルビアに口移しで飲ませた。




シルビアはユリアス王太子殿下とユージン3人で幸せに暮らしてる夢を見ていたら、いきなり誰かに刺されユリアス王太子殿下とユージンに看取られながら亡くなる夢を見ていた。



イヤーッと叫び目覚めるとユリアス王太子殿下と、ユージンがシルビアの手を握って心配そうに見守っていた。



「あっ、ごめんなさい怖い夢を見ていたのよ」



此処は天国なの?



「お母様、良かった目覚めた!」



「シルビア良かった」



親子3人抱き合い喜んだ!



サンドラ侯爵令嬢が腕を組み3人の様子を見て嫉妬で頭がどうかなりそうだったが、シルビアを睨みながら話した。

「侍女がこの国の王太子殿下と抱き合うなんて不敬ですわ!」



ユリアス王太子殿下が私の誘いを断りシルビアの元へ行くと話されてショックだった。

私は今まで人に対して憎いと言う気持ちになったのは初めてだった。




「申し訳ございません、ユージンはユリアス王太子殿下から離れなさい」



サンドラ侯爵令嬢は心優しい令嬢と思っていたが違うのか?

「構わない、無礼講だ!」



ユリアス王太子殿下が初めて私を見て訝しむ眼差しで見つめてくるわ。



サンドラ侯爵令嬢はシルビアが元婚約者候補で、ユージンはユリアス王太子殿下の息子だと知っているがユリアスは記憶が無いのだから貴族の上下関係を話しても問題ないと判断していた。



サンドラ侯爵令嬢が侍女に命令して火を付けた事は知られていない、あの侍女を始末するよう侯爵家、執事ドルトムントに命令してした。

大丈夫よ全部、上手くいくわ。



暫くすると城の池に侍女の死体が発見され噂になっていた。



火を点けた侍女が自分の犯した罪の重さに耐えられず自害したのだと噂する者と、全ての罪を着せて侯爵令嬢が命令して殺したと噂されていた。




サンドラ侯爵令嬢は今まで使った経験の無い武器を使うと決意していた。女の武器、色仕掛けを使ってユリアス王太子殿下を自分の物に、そう考えていた。



彼女は解っていなかった。ユリアス王太子殿下が女の色仕掛けに喜ぶ男性でないことを、そして今まで何度も繰り返し色んな女性が寝室のベッドに忍んで待ち伏せていた女性を捕らえて牢屋に投獄してきたのだ。



ユリアス王太子殿下のベッドに裸で待ち伏せしていたのですが、ユリアスは戻ってこなかったのです。



深夜、若い兵士2人がサンドラ侯爵令嬢が裸で王太子殿下の寝室のベッドに居たのを発見し逮捕して投獄したと噂になっていた。



火事を起こさせ、シルビア親子殺害命令を出し実行犯での侍女を殺害した罪は重い。



銃殺刑か斬首か絞首刑どれにするか悩んでいた!



ローバンゼット侯爵は、美しく優しい孫娘が犯罪を犯してしまうなんて、思ってもみなかった。



これでローバンゼット侯爵家は破滅だ。



儂が欲を出して、ユリアス王太子殿下と結婚させようとした欲深い儂を赦せ・・・・・・。



ユリアス王太子の胸が最近はモヤモヤして特にシルビアを見たり話すと胸が痛い。



そう言えば昔、ある女性を見るとこんな気持ちになったな誰だった?



会いに行ってみるかな、案外原因が解るかも知れない。






『ユリアスの脳にモヤがかかってるようだ』




俺は執務室で書類の山を読んでサインをしながら考えていた。

シルビアやユージンを思うと幸せな気分になる。



2人の存在がこんなにも気になる、シルビアは侍女でユージンは彼女の息子だ。



いくら考えても納得いく答えが出てこない。



記憶をたどり身分を隠して教会に奉仕活動に通っていた頃?



誰かに『愛してる』と、囁いてるのを思い出した。



あれは誰に囁いていたのか、恋をしていた。そうだ彼女を妻にするために大勢いた婚約者候補を追い出す方法を考えていた。



彼女は確かに俺の側にいたんだ。

君の名は?



他は全て覚えているが彼女の顔と名前が思い出せない、妖精王に会いに行ったような?



ああ!頭が痛い。



シルビアに会いに行って話でもするかな?







コンコンコン

「シルビア話があるんだがいいか?」



「ユリアス様どうされましたか?」



「昔好きだった女性がいたが、どうしても思い出せない」



ユリアス様は、わたしを忘れているのですね。

「ユリアス様好きだった方の事はもう忘れてた方が良いと思います」



わたしは愛してるユリアス様を、これ以上苦しまないように話しましょう。

笑って最後の言葉を、言葉が出なくても良いから、いつの間にか涙が零れていました。




「ユリアス様、愛しています」



「シルビア・・・・・・」

この胸が締め付けられそうな気持ちは何だ?

ドクンドクン




あああああ



この気持ちは愛だ。



「俺は、愛してる!君をユージンも愛してる」



そして全部思い出した。妖精王との約束を!



〘ユリアスよ!彼女と息子の記憶だけ消すが良いか?これから1年その間にもう一度お前が2人を愛することができたら、彼女はそのままお前達と暮らし仲良く歳を重ねる事ができるが、ユリアス、お前が彼女への愛を思い出せないようなら、シルビアと息子は俺のものだ二度と2人には会えないだろう〙



妖精王に言われた言葉も思い出した。




シルビアがユージンや自分達の関係を話す、ことはできないように言葉が出なくなっていたが、愛してるは言葉にできた。










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