表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

AIで「なろう小説」はどう変わるか。「なろうRaWi」を使ってみた所感。

AIで「なろう小説」はどう変わるか。「なろうRaWi」に対する所感。


最初に断っておくと、本投稿はあくまで所感をまとめたものであり、何か一つのことをビシッという内容ではないということはご了承いただきたい。


さて、本題である。


「なろうRaWi 〜小説と人工知能〜」というサイトが、なろう作者界隈で話題になっている(と思う)。


当該サイトは、AIがタイトルとあらすじの評価値を出してくれるというものである。


将棋ファンである筆者は、AIの凄さは身にしみてわかっていた。だから、「なろうRaWi」にも早速食いついて、自分の新作(https://ncode.syosetu.com/n2750gp/)の評価値を出してみた。この作品は、短編版が日刊ランキングに乗っており、それなりに高評価をいただけるものと思っていたが、結果は、タイトルS評価、あらすじB評価というものだった。

タイトルは「べた褒め」で嬉しいが、せっかくなのであらすじも評価を上げたいということで、内容を見直してみた。


そうしてなんども試行錯誤してAIにかけていくと、ライバルが没落していく「ざまぁ」はちゃんと盛り込まれていたが一方で、主人公が周りから尊敬されるといういわゆる「さすごしゅ」の要素が入っていないということに気が付いた。その部分を直したところ、ちゃんとA評価をいただけた。「ざまぁ」と「さすごしゅ」は、人気のなろう小説の二大必須要素である。その片方があらすじでわからない状態だったのだから、それを直せたのは極めて大きいはずだ。つまり、かなり役に立ったと。



もちろん、AI評価が全ての人間に役に立つとは限らない。


将棋でもそうだが、基本的にはAIは「なぜそれが良いのか」までは言語化してくれないことが多い。

現在の「なろうRaWi」も、多少のアドバイスはあるが、まだ具体性は乏しい。

だから人間がAIを元に作品を改善するには、なぜAIがそういう評価を出したのかを自身の経験や知識に基づいて判断する必要がある。換言すると、最低限リテラシーがある人間にしかAIは使いこなせない。


でも、「なろう」に関しては、比較的様々な考察がなされており、「ウケる小説が何か」が人間によってかなり言語化されている。だから、かなりAIを使いこなせる人は多いはずだ。


おそらく、これから作者はAIの評価値を一つの指標として作品を作っていく流れになるだろう。



こういうと、なんだかクリエイティビティが損なわれるような印象を受ける方いるかもしれないが、そんなことは絶対にない。

それは今の将棋をみていればわかる。AI発の「独創的」な戦法が次々に発見されており、去年はAI発の「elmo囲い」戦法が、「革新性」を讃えられる升田幸三賞を受賞している。AIが名人を超えた今でさえ、人々が将棋に熱狂しているのは、皆さんもご存知の通りだ。



「なろう」においても、むしろ、クリエイティビティを発揮する一つの手段として、AIが活用されていくだろう。



ただし、いうまでもないがAIの評価は万能ではない。実際、月間3位・70000pt超えの拙作(https://ncode.syosetu.com/n9583gj/)をAIに判定させたところ、評価はBどまりであった。

自分で言うのもなんだが、この作品はタイトルは平凡で、内容もかなり荒削りだが、かなり人気になった。

少なくとも現状はAIの評価が全てでは全くない。しかし、まぁ、将棋のようにAIの評価はどんどん洗練されていくだろう。今から楽しみである。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] とても勉強になりました。 ありがとうございます。
[一言] 良い所に目を付けたと思います。トライ&エラーに評価システムを利用するなんて。まるで誰でも担当編集者が付いてくれた感じですよね。次は「未完ラノベ」の続きを書いてくれるシステムが出来て気軽に安値…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ