4/5
4
その声はそう言っていた。
低いが若い女の声に聞こえた。
そんなに大きな声ではなかったが、私の耳にはっきりと残った。
――!?
目を開けて周りを見渡した。
がスタンドのわずかな明かりだけでは、部屋全体を見ることができなかった。
部屋の灯りをつけようかとも思ったが、怖くてその場から動けなかった。
するとまた聞こえてきた。
「く・る・し・い」
私は何も聞こえないふりをして、布団をかぶった。
空耳だ、気のせいだと自分に言い聞かせながら。
気がつくと朝になっていた。
いつの間にか寝てしまっていたようだ。
ホテルを出てそのまま工場に向かった。
そしてなんとか改善策をしぼりだし、昼には仕事を終えて急行で家に帰った。
その夜、私は考えた。
あの声は一体何だったのだろうか。
そして先輩の言っていた「気をつけろ」とはあの声のことだったのだろうか。
考えたがわからず、無理やり眠りについた。
次の日、改善策を会社に提出し、その後は通常業務に戻った。




