表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ついし

作者: 弥亞

勉強を姉に依存してる妹の話

1学期末テスト2限目-数学B

試験開始前はあれほど騒がしかったのにチャイムがなるとみんなお利口さんだ。

静かに問題を解き始める。

時間を厳密にプログラムされたロボットみたい。

さて、問題用紙を一瞥して回答に取り掛かろうとするが…頭を抱える。

ええ…と小さく声が漏れる。

教室のあちこちから同様の声が上がる。

試験中なので控えめに辺りを見回してみると明らかに様子がおかしい。

クラス中の殆どが頭を抱えている。

正確な数を添えると1人を除いて全ての生徒が問題に悩んでいた。

そんなに難しい問題なのだろうか。

そうではない。

一問だけならともかく全ての問題に唸っている。

私もわからない。

…バッチリ対策もしたししっかりお姉ちゃんにも教えてもらったはず…。

ただ記憶の奥にぼんやり残ってるこれは…テスト範囲外の問題ばっかり…。

なんで…ここからここまでしか出さないって言ったやん…うええ全然わからん…。

お姉ちゃんは当たり前のようにすらすら解いてるけどこんなんできひん…もう無理…追試や…お姉ちゃんごめん…。


試験が終わると同時にお姉ちゃんに泣きつく。

「お"姉"ちゃ〜〜ん」

「わっ、なに、どしたの?」

「どうしたのじゃないよ…めっちゃテスト範囲ちがうやん…あんなん無理やし…追試やあ…」

「え、うそ、範囲間違えてた?」

「お姉ちゃんの教えてくれた範囲じゃなくて問題で出たところ…」

それに気づいてすらいないのか…。

「うわ、ほんとや…先生言っとった範囲と違う…」

追試になるとお姉ちゃんと一緒に帰れない。

一緒に居られる時間が著しく減ってしまう。

10分以上離れると発作が起きる…もうだめ…私死ぬんだわ…。

「…そんな顔しなくても。追試なんてちゃちゃっと終わらせちゃえばええのんに」

「でも30分くらいはかかるけど」

「30分なら少ないやん。頑張って…って言ってもまだ決まってなかったか」

確定してるみたいなもんやし…。

「また図書館にでもおるし終わったら一緒に帰ろーね」

はぁ天使犯すなにその顔。

「待っててくれるん?」

「当たり前やん…追試やからって先に帰るとかわたし薄情すぎん?」

優しい…すき…。

「そもそもの話範囲間違ってたんならちゃんと文句言わなきゃ。試験の意味なくなっちゃうもん。きっと追試なんて無いよ」

「うう…そう言ってくれると気が楽…」

そうだよね。

範囲違ったんだもん。

しかも見た感じみんな追試対象だし。

大丈夫大丈夫。


-数日後-


すっかり忘れてた。

「今回赤点だった奴ら全員追試なー」

そんなぁ…。

「全員、範囲が違ったんですがそれは…」

「それは今回先生が悪かったが習った範囲ばかりだったんだから出されても文句は言え無いはずだぞー」

あんまりだぁ…。

めそめそしている私を他所に他の子たちがなんとか追試を回避しようと説得を頑張っている。

「うるさいぞお前ら追試課題倍にするぞ」

みんな黙り込んでしまう。

「因みに今回赤点じゃなかったのは5人だけだからちゃんと把握してるからなー。その上青点だった奴は覚悟しとけよー」

横柄だ…。

私が正に青点だったからな…。

範囲外でも習ったはずとか…お姉ちゃんと勉強しないと理解できない私を潰しに来てるとしか思えない。

先生の教え方わかり辛いもん…。


放課後教室に残ったのはほとんど全員か…。

ガラガラと先生が入室してくる。

「おーう始めるぞー。おら井ヶ谷姉お前違うだろー」

「はーい、今出まーす」

別に追試対象じゃなくてもいてもいいやん…。

鬼教師ぃ…暴君ん…。

あーあ…1時間コースかな…。

私今日死ぬんだわ。

「れい…元気出して?」

「無理…死ぬ…」

「そんな大げさな…図書館で待ってるからね」

「うん…」

お姉ちゃんが教室から出て行ってしまう。

1つ前の席はいつもの背中がなくなってやたら寂しく見える。

はあ…なるだけ早く終わらせちゃおう…。


-2時間後-

追試の先生の説明の枠が終わった。

後は順次課題が終わったら解散とか言われたけどまだ誰も席を立っていない。

お姉ちゃん分欠乏症で命の危機を感じる。

一刻も早く終わらせて図書館に駆け込まなくては…!


-1時間後-

やっと合格もらえた…。

私最後やん…。

「おういいぞ井ヶ谷ー。なんだお前いつも成績いいのに範囲違いには対応できなかったのか」

何を他人事みたいに…。

「まあ、そうですねー…お姉ちゃん待たせてるんでさっさと帰りますね」

「おう。おつかれさん。そういや井ヶ谷姉は今回も凡ミスで点落としてただけで次点と40点以上離してダントツトップだったな」

「えへへ。すごいでしょ」

自慢の姉だ。

褒められると気持ち悪いくらいにやけてしまう。

まあ、いつも次点は私なんだけどね。

さらに次点との差はいつも10点20点は当たり前だ。

うちの高校そんなに頭良くないから…。

って今回のテストお姉ちゃんが95点で次は55点なのか

赤点ギリギリすぎるやん

回避したのが5人だけなんでしょ…。

お姉ちゃんのレベルが高すぎた。

「おう。さすがだ。気をつけて帰れよ」

「ありがとうございまーす。さよならー」

先生への挨拶もそこそこに急いで図書館に向かう。

気づいたら3時間も経っていた。

テスト返し日程で早く終わったとはいえもう17時を回っている。

図書館て何時までやってたっけ…とぼんやり考えながら薄暗い廊下を走り出す。


自身が駆け抜けた時に起きた風がふわっ…と甘い匂いを巻き上げた。

大好きな匂い。

同じシャンプー使って同じ洗剤使ってるのになぜか違う私たち双子の姉の匂い。

急ブレーキをかける。

「…お姉ちゃん」

こんなところで寝ちゃって…。

「おねーちゃん」

「…んえっ…」

だらしない顔。

「あっ、れい〜。お疲れさまー」

にへ〜っと笑いかけてくれる。

ううぁかわいいなああもおおお。

3時間お預けされていた分の愛がお姉ちゃんに漏れ出す。

抱きつきたい衝動を抑えるので精一杯だ。

てか無理。

「お姉ちゃんん」

床に座ったままのお姉ちゃんにくっつく。

「わっ…ちょっと、今汗臭いから」

「ちょっとだけやから」

駄々をこねてみる。

甘い匂い…。

かわいい…かわいい…すき…。

「もう…お疲れ様。こんなにかかるなんて思わなかった」

頭を撫でてくれる。

「うん。ありがと。ごめんね遅くなっちゃった」

「ううん。へーき。それより聞いてよ。図書館今日はテスト日程だったからって4時で閉まるとか言い出しちゃって…」

「えっ…てことは1時間ここで待ってたの?」

「…そうなるかな」

「ごめんね」

「いいってば。ほら、早く帰ろ。きょーちゃんもみかんちゃんもお腹すかせてるよ」

「うんー…」

気にしないでって言ってくれてるけどさすがに気にするかな。

流石にね…。

…あんな陽のあたる冷房も効いてない廊下で寝てるからひたひたに汗かいちゃってるじゃん。

髪が何束か顔に張り付いている。

えろい。

「ちょっと顔洗ってくるね」

「あっ、うん」

じろじろ見てるの見透かされたかな…。

少し待つと顔と腕を濡らしたまま帰ってきた。

「ひあー、涼しいー」

「あっはは、滴ってるよー」

「んふー。いい女でしょー」

「わかる」

「…急に真顔になるよね」

「いや。お姉ちゃんはいい女やよ」

かわいすぎて罪。

「こんなちんちくりんのどこが…皮肉言わないでよ」

「そこがいいんやんわかってないなーもう」

「…それっていい女なの」

「当たり前やん」

不服そうな顔をする。

その顔もまたかわいい。

「あっ、5時24分の電車乗れそうやん?」

「えっ、そんな際どい電車あるん」

今17時05分だから…走ればなんとか間に合うかな。

帰る時間遅くなっちゃったの私のせいだし…これ以上遅くなるわけにはいかないよね。

頑張って走ろう。



「れっ…待って、まっ…」

お姉ちゃんがバテた。

木にもたれてひゅーひゅーと荒い息をするお姉ちゃんにそこの自販機でお茶を買ってあげる。

「ありがと…ごめっ…」

17時20分か…これは厳しいかな。

太陽が沈んだばかりの空が徐々に暗くなっていく。

「余計な汗かかせちゃったね」

「いやっ…わたしが言い始めたことやし…ごめん」

「なんで謝るねん。30分くらいお姉ちゃんと喋っとったらあっという間や。ゆっくり歩こ?」

「…ありがと」

お茶のペットボトルの蓋を締めて手に引っ掛けて歩き出す。

その後ろを連れ立って歩く。

夜になりかけの匂い…好き…。

ん…少し雨の匂い。

帰る方角を見ると真っ黒な雲が立ち込めている。

少し雷鳴も聞こえる。

降るのかな…家まで持つといいけど。

後ろを歩くとお姉ちゃんの甘い匂いがふわふわと鼻孔をくすぐる。

「れいー」

「んー?」

「これからはテスト範囲以外も教えよっかー?」

「あー…」

今回みたいなことになったらまた大変だしね…。

「れいってたまに苦手なとことか出てくるやん?それってテスト範囲以外の知識を応用したりすることもあるからきっと全部やっといたほうが引き出しが増えて問題も解きやすくなるよ?」

なるほど。

「…それなら確かに全部教えてもらった方がいいかな」

「おっ、意欲的やねー。おっけー、任せて」

図らずも褒められてしまう。

勉強がんばろ…お姉ちゃんがどこの大学行きたいかわからないけど。

高校の時みたいにお姉ちゃんのレベルを私のレベルに落とさせるなんて絶対させない。

今度は私がお姉ちゃんのレベルに追いついて一緒な大学行くんや。

「いっつも教えてくれてありがとね。こんな情けない結果なんか二度と出さんように頑張る…から、これからもよろしく」

もうしばらく、お姉ちゃんには家庭教師してもらおう。

これくらい甘えても許してくれるよね…?

「もっちろん!期末テストの結果なんて気にすることないんやって。れいは教えればちゃんと出来る子なんやから、わからないこととあったらなんでも教えてあげるよ。ただ…あんまり無理しちゃダメだよ?」

今なんでもって。

無理かあ…お姉ちゃんに追いつくってなるとある程度無理しなきゃダメだろうなあ。

てか無理しても無理だよね。

脳みその仕組みが全然違う。

「適度にがんばる」

「うん。休み明けの実力テストはしっかり頑張らないと」

期末テストは成績にはあまり反映されない。

ただ前後期でそれぞれある実力テストはやばい。

これが今回だったらやばかった。

それこそお姉ちゃんと同じ大学どころかお姉ちゃんと違う学年になるところだった。

友達もいないから留年なんてしたら大変。

「あー、行っちゃったー」

線路沿いを歩いているので乗りたかった電車が煽るように横を通過して行く。

やっぱりどう頑張っても間に合わなかったな。

「走ってみる?」

「流石に無理じゃない?」

「あはは、わかってるわかってる」

茶化される。

電車が行ってしまったのを実感したからか歩みがさらに遅くなる。

そうだ、さっきの疑問を晴らしてみよう。

自分の目標にもできるしね。

「お姉ちゃんは大学どこ行くの?」

「なーにー、急に。大学ねえ。まだ早いんじゃない?」

「そうかな…もう二年生やん?一年生の後期には目標つけとかないとっていうし?」

「それもそうか。大学はねー…あんま考えてないかなー。みかんちゃんのとことか少し面白そうとか思ったことある」

「へえ、それじゃあこれからいろんなとこ見てみてって感じやね。お姉ちゃんやったら県外の一流大学も目指せるんやない?」

「県外かー。遠慮しとこっかなー。ウチも管理しなきゃやし。見てみてとかじゃなくて…大卒学歴要るかなあ…って」

えっ

「高卒で働くの?」

「うん。お父さんの負担も減るやろうし、きょーちゃんも見ててあげないと…っていっこ下だったか」

高卒か…選択肢としてはある…けどこのご時世大学出てないと色々大変そう。

「れいは行きたいとこあるの?あるんやったらわたしも働くから学費は遠慮しなくてもええんよ」

なっっ…。

「…お姉ちゃん」

「…なに」

「…私の性格わかって言ってるん」

「…まあ、そうかなーとは思ってた」

「そう。ならよかった」

知らないって言われたら精神ダメージがやばかった。

「高卒でも資格で武装すればなんとかなるといいんやけどねー」

「うーん、なにするか方向性は決まってるん?」

「未定!おもしろそうだと思ったら考える!って感じで迷走中」

進路は早いとか言いながらやっぱり考えてたんや。

そんな話をしていると駅に着く。待合室は冷房が効いていて涼しい。

17時28分か、全然間に合わなかった。

「じゃあー、私もお姉ちゃんと一緒に楽しいこといっぱいするから、閃いたら教えてね」

「りょーかいっ。…本当に、どうなるかわからないからね?普通に別のとこで働くかもしれないし大学行くかもしれないし…そこはまだ考えてないの」

少し早とちりだったかな。

「その時はその時やなー。私もなんか考えないと」

働きたくない…ずっとこのままお姉ちゃんとゴロゴロしてたい…。

待合室の椅子に座ろうとすると駅の外に電車が停まっているのが見えた。

「あれ?」

「どしたの?」

お姉ちゃんが座ってるところからは見えないのか。

「なんか電車がおる」

「え?ほんと?」

おかしいな、さっき横を通過して行ったのに。

こういう時こそ駅員さんに相談だ。

「すみませーん。あの電車って乗れますかー?」

一応定期を見せながら尋ねる。

「ええ、乗れるよ。もうすぐ発車するから乗るなら焦らずに急いで」

えっ、ラッキー。

「やった、乗ろう乗ろう。ありがとうございます」

そのまま改札を抜ける。

電車に乗ると涼しい。

寒い。

冷房効かせすぎでは…?

どうせ席は空いてないので…あれ空いてる。

1人分。

「お姉ちゃん席空いてるよ」

「あっ、ほんと。座っちゃいなよ」

お姉ちゃんはいつも1人分しか席が空いてない時は私に座らせようとする。

座れって言ってんのよ。

でもいつもわかってくれないので最終的に2人で立ってることになる。

これはわかりきってるので深く言及しない。

立ったまま落ち着くなりにドアが閉まる。

「走ってよかったね」

「ほやね、結果オーライ」

歩いてたら間に合わなかった。

ゆっくりと電車が動き始める。

「れい座ったら?いっぱい勉強して疲れたでしょ」

「えー…まあそうかもやけど」

「わたしさっき寝てたし全然大丈夫やよ」

もっともらしいことを言ってくる。

また…確かに少し疲れてはいるから…たまにはいいかな。

「わかった。じゃあお言葉に甘えて」

「うん」

最寄り駅までは3駅なんだけど乗った駅の次の駅が毎日すごい人が乗ってくる。

この駅の近くに高校が2つと中学校があるらしい。

中学生って電車使うのかな…?

少し遅い今日も例外ではなくあっという間に歩いて移動するのが難しいくらいの混雑振りになる。

お姉ちゃんが話の途中でぼそっと人増えてきたなーとこぼす。

「かわろっか?」

「ううん、大丈夫。それでねー」

何事もなかったかのように話が戻る。

電車がゆっくりと加速し始める。

ぐーんと低い音とともに体に力がかかる。

ねむ…。

「れい?聞いてる?…眠いの?」

「ん…大丈夫」

「…ちゃんと起こしてあげるから寝ててもいいよ?」

そんな優しい言葉をかけてくれる。

「緊急停止いたします。揺れにご注意下さい」

車掌さんの次の停車駅のアナウンスを遮るように別のアナウンスが入る。

そのアナウンスが終わるよりも早く、甲高い金属音とともに後ろに引かれていた体が前に引かれる。

立っている乗客はバランスを崩してよろめく。

「わっ、わっ!」

お姉ちゃんもバランスを崩して慌てて私の後ろの窓枠に捕まろうとする。

その手を捕まえて引っ張ってあげる。

よく咄嗟に体が動いた。

それでも足りないみたいなのでスカートのお腹のとこに指を突っ込んで思い切り引っ張る。

バツンと変な手応えがあった。

長い時間をかけて電車は完全に停車する。

何人か転んでしまいそれにつられて5人ほどの塊が床に尻餅や膝をついている。

お姉ちゃんは引っ張ったので私の上に倒れ込んでいる。

うへへ…。

「…危ないとこだった…ありがと〜」

にへらと笑ってくる。

かわいい。

それよりもピンチだ。

なぜかお姉ちゃんのスカートがすごくゆるゆるになっている。

…どうやら引っ張りすぎてスカートのホックが壊れたみたいだ。

うわぁ…どうしよ。

「…れい?もういいよ?」

ずっとスカートと手を離さないわたしに不思議そうな顔を向ける。

「…ごめんお姉ちゃん…スカート壊しちゃった」

「えっ?うそっ」

お姉ちゃんが慌てて腰回りを確認する。

「うわあほんとや…壊れかけてたから直さんなんと思っとったけど…」

「咄嗟に掴んじゃって…」

「いいよいいよ、れいは悪くないから」

そんなことを言うとお姉ちゃんはスカートのホックを摘む。

「髪ゴム余ってない?」

「あ、余ってない。いいよ、あげる」

髪を解いてゴムを渡す。

「ごめんねー」

私が壊しちゃったんやから当たり前ゆのに…。

「これで良しかな?ふう。どうなるかと思った」

「ごめんね…」

「いいってば」

一息つけたので辺りの様子を伺ってみる。

「なんか大変やね…緊急停車ってどうしたんやろ」

「さあ?踏み切りかな」

生憎2両目に乗っているので前方の様子は伺えない。

さっきも駅で停まってたからなんか起きてるのかな。

そんなことを思いながらしばらく待っていると再び睡魔に襲われる。

「いつ動くのかな…ねむ」

「さあ?ちゃんと起こすよ」

「うん、、ありぁと。少しだけごめんね」

「いいよお」

お姉ちゃんの言葉に甘えて眠気に身をまかせる。

目の前で暇そうにふらふらする右手を捕まえる。

あったかい、、。

……。

…。

( ˘ω˘ )スヤァ…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ