4.深紅のゼラニウム
「あの子が欲しいわ」
その言葉を聞いたときからは早かった。牢からだされ、言われるままに服を着替え、気がつくと彼女の前にたっていた。
「きゃーっ。買ってくれたの?」
カン高い耳障りな声で彼女は嬉しそうに話す。少女はこの腐った国の頂点に咲く花であった。アンジェリカ・マリーゴールド・レミリア王女。
世間での彼女の噂は、飼う動物を気に入らなければ殺す。使えない従者は首どころか死刑、鞭を惜しみ無く人にふるう人間だ。最近はスイートポテトが食べたいからと、政治に口を出し国の予算を使い芋畑を作り出した始末。
そんな彼女が何故安全に生きていられるかというと父親である国王が彼女を溺愛しているからだ。最愛の妻をなくした王は一人娘を大事にしている。
そしてまた、最大級の権力をもつ王は貴族に守られる代わりに、膨大な富を与えるといった、王族ー貴族間で腐ったwinーwin関係を築いている。
「今度は大事にするんだよ。壊れたら処理が面倒なんだから」そういって王は部屋をでた。
ーー壊れたら、処理が面倒ーー恐ろしいことを口にする王様だ。そして、今度は…か、前にもあったと、堂々と宣言する。日常茶飯事なのかよ。良いところのない頂点。国も腐るはず。
「名前は何にしようかしら。赤……深紅……」レミリアは俺の髪を掴み楽しそうに笑う。
「ゼラニウムなんていいわね!お前の名前はゼラニウムよ!」
「ふざけんな!俺には」
パシッーーー
反論しようとした所で鈍い音と供に左頬に痛みが走った。
「ーーーっつ」
「人形のくせしてなめた口きくんじゃないわよ。それが人形のルールでしょ?ね?ゼラニウム。返事は?」
「……………はい」
そう言葉を返すと彼女は構えた鞭をおろし、蠱惑てきな笑顔を俺に向けた。




