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2.牢の中で

ーーーー12年前ーーーー



聡明で、威厳があり長男としてのあり方を教えてくれた父が…

優しく、常に父の横で彼を支えることに誇りを持っていた母が…

生意気で、俺にわがままばかりいってくる妹が…

正直で、俺をいつも尊敬してくれていた弟が…


ーーーー殺されたーーーー



蝋燭一つなく、窓といえば大人でも手の届かない高さに格子のかかる子供一人通るのがやっとの大きさだけのものが一つ。そんな暗さでカビくさい牢の中に俺はいた。家族のことを思うと頬を伝う涙が一向に止まらない。膝を抱えて顔を伏せるが周りにはばれているだろう。だが、俺に声をかけるやつもいない。


(ちくしょう…。ちくしょう、ちくしょう!!許さねぇ!!許せねぇ!!……復讐してやる!!……)

感情的になればなるほど涙は止まらないーー。




何日たっただろうか。一生分。もしくは来世分の涙を流しきった俺は同じ空間の中人間に目を向けることができた。空間を共にしてるやつらはどうにも生気が足りない。目に光とやらも誰一人ない。

(こいつらはどんな事情でここに来たんだ。)

俺より小さな子が何人も、話せないやつらもちらほら。

(貴族…は俺だけ…か?)

この牢にはたまに大人が来る。番人とえらくきらびやかな服を来た男。コイツらはいつも固定だが、毎度もう一人いる。お客と呼ばれるやつらは俺たちを見て何人か選び、きらびやかな服を来たやつに金を渡す。選ばれた子供は牢を出ていく。


きっと子供を売買しているのだろう。


本当に腐った国だーー。


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