1.序章
初めての投稿となります。小説がそもそも初めてです。
使い方もよくわかりませんが、よろしくお願いします。
ーーーこの国は腐っているーーー
ーーー貧しい人間、弱い人間から富を奪いーーー
ーーー自らの富を増やす貴族ーーー
ーーーそして、この国を統べる王族もーーー
耳をつんざく音がする。きっと他の仲間がこの城を壊してくれたのだろう。
この先に彼女がいる。あまりの激情にあまりの興奮に手が震える。剣をもっていられるだろうか。
「この扉の先……か」
男はそう呟くと緋色の扉に手をかけた。かつて何回もくぐった扉。その時は、この扉を通る度に吐き気がしていたが、今日はそうはならない。……震えだけはやってくるが。
視線を向けた先に彼女がいた。声まで震えてしまっては意味はない。男はできるだけ悟られないように声をだす。
「久しぶりだな。アンジェリカ・マリーゴールド・レミリア王女」
王座に座っていた女ーーレミリアはくすくすと笑い余裕と言わんばかりの表情で俺を見る。
「さぁ……?お前など知らんが?」
5年ぶりにみる彼女は相も変わらない。きめ細やかな銀の髪も、琥珀色の目も、毒々しいほどに真っ赤な唇も、そして口角の端をゆっくりとあげる笑い方も。
「あぁ、そうかよ。じゃあ俺が思い出させてやるよ。」




