表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼黒の王と綴られた軌跡  作者: ユミエリ
第2章 それぞれの出会い
97/104

第9話 真実と継承ー脱出②ーディグレ視点 前編

攻略対象者のディグレ視点です。少しの過去と村長との出会いを書いてます。

僕は幼い頃から人ならざるものを見ることが出来る体質だった。


だからだろうけど両親が恐怖すると思って話さずにいたものの、一人で誰もいない場所にて会話している所を両親に見られ┄僕は恐怖される目を向けられると思っていた。


でも┄それは杞憂で終った。


だって僕を抱きしめ┄喜んでいたからだった。


「┄怖くないの? きみ┄わるくないの?」


理解と困惑、動揺が一気に僕に襲い、両親に対する態度がよくわからずに問えば


「やはり┄お前も我々の家系の血を受け継いでいたのだと┄いつか覚醒するだろうと思っていたのだ。だから┄気味悪くなるなど┄ありえん!」

「そうよ┄もとより┄そんなこと心配しなくていいわ、貴方は私達の最愛の息子なのだから」


優しく暖かい両親からの愛情は、僕の心を救い、抱きしめ返し泣いた。


そして┄力の操作方法や普段、見ないための瞳変化の仕方などを学んでいき、幸せな生活を送っていくが


ブルス義族長の黒い霧が村の中を襲い、僕は一人┄両親から守られつつ、一つの銅像である祠に避難させられていた。


この状況に普通なら恐怖を感じて泣いてもおかしくないのに、僕は冷静な心が働いて┄ぼんやりと村を眺めていたとき┄


まるで惹かれるような感覚と視線に祠を見れば、うっすらと透明な人物が悲しげに村を見ていて


『どうしてお前は┄』


と短めに呟いている姿が、儚げに見えた。


「┄白狼の化身って┄ここの場所だったんだね┄」


なんとなく声をかければ、バッと男だとわかる人物が僕を見たあと、驚いた表情を見せた。


『お前┄我が見えるのか?』

「うん┄見えるよ。白い髪が銀色で月のように美しいね┄耳なんかも┄モフモフしてそうだよ」


すごく思ったままに話して見たとき、彼は┄とても眩しげに僕を見て、優しげな顔になった。


『┄なあ┄童よ、お主は┄我を視る目を持つが┄怖くないのか?』


怖い? そんなのは思わない、こんな周囲が綺麗で、淀んだ空気が晴れたような感じを纏っているのに、どこに恐れなど抱く必要があるのだろうと


首を振り、彼をみて近づくと透明な手に僕の手を重ねてみれば、少しビクッとする反応があって


「うんん、怖くないよ。だって┄白狼って村の守護神だって聞いてたし、君を見てると特に暖かいよ」


にっこりと僕が笑えば┄口をパクパクと開閉を繰り返し、文句を言いたげだったけど┄呆れつつ


『┄┄よい性格をもってるな童は┄』


と深く溜め息を吐かれてしまった。


「┄本当のことしか言ってないんだけどな┄」


僕はポリポリと掻いてから、そこまで言葉にしようとした矢先、村の方角から爆風が吹いてきた。


『┄童よ┄急ぎ我の近くにこい┄‼』

「え⁉┄う、うん‼」


唐突に何で⁉ と思ったものの┄彼の表情と声音に意味合いと危機感があるのだと理解した僕は、急ぎ祠の近くまで寄った。


その瞬間、波動の波が僕達の場所までスピードが上がり┄襲いかかってくる闇があった。


さすがにゾワリとする寒気と嫌な予感が僕の脳裏に浮かび、村を見ようとしたが、黒いものが眼前にあり見ることができず、迫ってきていた


だが突如┄バシンと目の前に透明な壁にでもあたるように、瞬時に消えていくのを繰り返していた。


何が起こったんだろう? と思っていれば、近くにいる彼が僕の身体の前に手をかざしているのがわかり


上を向けば┄怒りがこもるような表情と、苦しげな声が聞こえる


『┄止めねば┄なるまいお前を┄ブルス┄』


彼の言葉に【ブルス】という名前が出て、何で知って⁉ と口を紡ぎそうになるけれど、彼が白狼の化身で、村を媒介にして見守ってくれているならば、ブルス義族長の悪を知っていても変ではないと思いなおす


そして同時に気づく┄せっかくの出会いをなかったことにするのは嫌だな~とか、緊張感のないことを思ってしまう


「こんな緊急時だけど┄封印って解いてもいいのかな?」

「┄┄は? 何をトンチンカンなことを言っておるのだ⁉」


次々に襲う闇を弾きながらも、間抜けな表情を向け、呆気にとられているが僕は笑み、彼の力と存在の消滅の意図と、このまま自分を庇い続けた結末を説明し


そして┄何故か彼に惹かれる思いを告げたとき


彼は一瞬だけ瞠目しつつも┄どこか理解しえる思いがあったのか、ふふっと笑い口角が上がった。


そのあと『封印を解いてくれ』と短く告げてくるため┄祠に僕は一点に光る場所へ手をあて、両親より教えてもらった言葉を紡ぎ出せば


祠の周囲に光の魔方陣が顕現して広がり、弾かれるように壊れた。


僕は咄嗟に彼を見れば、透明な身体がハッキリとした姿となり、次には白狼へと変化して、村の方向へ向くと、息を吸い込み光の咆哮を吐き、黒が、闇が切り裂かれ、消滅していった。


凄いな~っと思った客観的な感動を浮かべていたけど、村をみて僕は落胆へと変わる


村が炎と剣戟に、悲鳴や怒号が何故か僕の耳に入り、身体がブルッと震えてくる


他にも人に見えない精霊や幽気となる魂の苦しみが聞こえる


さすがに┄この苦痛な声は嫌だと耳を塞ぎたくなったとき┄僕の耳に彼の声だけが静かに入る


『煩き人の声は我が消した、いまは我の声を聞いてほしい┄よいか?』


僕は彼に┄促され白狼様に目を向ければ、狼の表情は僕だけを見て、優しい瞳を向けてくれたことに安堵し、コクンと頷き返した。

読んで下さりありがとうございます。また良かったらお読み下さると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ