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蒼黒の王と綴られた軌跡  作者: ユミエリ
第2章 それぞれの出会い
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第9話 真実と継承ー過去の真実ーブルス視点 後編

次に意識を取り戻したとき、ワシは広場に┄そのまま放置されていたが、不思議と痛みなど、どうでもよくなっていた。


ゆっくりとワシは立ち上がり┄一人で夜になってたのかと思い空を眺め、すぐに前を向くと家に帰ろうと思えた。少しでも自宅に帰れば母や妹がワシの帰りを待ってくれている


そう思い自宅に帰ると、ワシは目を疑う光景がそこにはあった


母や妹は殺され、死亡していた


顔や身体はめった刺しにされ┄地塗られた剣があり抵抗したであろう痕跡などがあり、辺り一面に血飛沫がある


ワシの家なのか┄ここは?


と思うなかで、妙に笑えてくるとき、不意にテーブルを見る


するとそこには暖かいはずの食事が並べられ、ワシやスライル、妹や母の料理や食器に料理が添えられていて、出迎えてくれるはずだった妹と母の笑顔があったのだ


ジクジクと胸が痛み、目頭から涙が溢れ落ちていき、ワシは叫びながら皿やコップ、テーブルなどを蹴り飛ばし、辺りにあるもの全部を壊して壊して壊して壊していった。


ワシがいったい何をしたというのだ‼


どうして何もかもを奪ってゆくのだ!


無我夢中で暴走し、落ち着きを取り戻した頃には、部屋がめちゃくちゃだが気にせず、妹や母の遺体を外に出すと、スコップで穴を掘り埋めた後、ワシは家の地下へとおりていき


鍵を開けて中に入るなり┄趣味で作っていた禁術の書を開き、ワシはワシである部分の姿を変えていった


痩せた体は太り、声や見た目を変えていけば、誰もワシであるとは気づかない


「┄いまは別にいい┄ただ┄彼女を待って┄もっと禁術を改良し、村人から復讐してやる」


理由なき罪は倍にして断罪する


ワシから大切なものを奪った報い、受けさせてやる┄絶対に‼


◆◆◆


これはワシが人を辞めたときの瞬間か?


まるで客観的に感じていれば、急に場面が変わり、つい先程の出来事が映像のように見え始める


自身に起こることを見せつけるように、ループし┄何度も繰り返し流れ、巻き戻り続け┄心が疲労し憎悪が膨らんでいった瞬間


バッと目を覚ましたとき┄身体からは嫌な汗がつたわり落ちて行く


汗を拭うように手をやれば、ワシは驚いた。手には人であり、人でない異形の形をしている


何がおきたのかと立ち上がり、窓に写る姿は、ワシのままであることに安堵すると同時に┄気分がおちついている


「┄なるほど┄悪魔はワシの味方らしい┄これならば儀式を早めに動けるな」


自身の手を開閉し繰り返し、身体の中に力をめぐらすような感覚があり呟いた


そのとき、ふと外を見れば┄妻が拐われた時刻と同じ夕刻へと近づくような時の中にいることに気づく


「┄これも┄また、運命の悪戯か┄つくづく面白いではないか┄」


ニヤリと口元が笑み、次にワシは執務机に近づくと一番上の引き出しをひき┄中にあるものを取り出し、次にそれを口の中に入れた


もし悪魔がワシに入れたものが何であるのかは知らぬが、それを増幅と促進効果を高める価値があると思える


血流に薬が効き始め、脈動をうつが気持ち悪くはないと感じると同時に姿が変わり、呼吸を整えたあと


窓に写るのは本来の姿、痩せた肉体に弱い己れ、そして両手は異形、髪は白髪という、おかしな人物が立つ


「┄復讐で偽りはいらぬ、力もあるならば┄儀式に動く準備の姿がいい。さて┄動こうか┄再び邪魔が入らぬ前に、そして対策を練らねばならん」


きっと対面した、あの冒険者二人が色々と動く可能性がある。見た目や行動┄話し方は人を探るような物言いをしていた。


妙に勘を巡らし、頭の回転もいいのだろう、わざと結界の話しに乗ってきた


今頃┄信憑性のある証拠を見つけ、行動してくるような手腕もあるだろうし、いずれここを知り┄乗り込んでくるだろうと推測出来るしな


ならば先に邪魔されないようにするのが賢明だろうさ


窓に手をあて思案し決意を固めているとき、扉のノックの音がしたあと誰だと問えば、無粋にも乱暴に扉を開け放ち、一人の盗賊の男が入ってきた


「おい┄てめえ┄俺達にいったい何を飲ませやがった!!!」


ワシはゆっくり扉の方向を見れば、盗賊は脂汗をかき、苦しげな表情で扉に手をあて怒鳴る姿に


ああ┄やっと効いてきたのかと考える


「┄は? ワシは何も飲ませていないが┄」


原因はワシにあるが、しらを切るように笑みを浮かべれば、男はワシをみて一度、目を見開き、誰だと苦しげな瞳で見つめてくる


まあ姿じたい変えているぶん、よくみればワシに気づけそうなものだがと思いつつ、ツカツカと近づき┄男の胸ぐらを掴み


「┄ワシはブルスだよ、盗賊の人┄」


と告げれば┄ハッまさかと言う表情をするが┄ワシが顔を近づけ、こやつの弱点を告げれば、驚きと┄ともに固まるものの、すぐに怒りへと変換する


「┄貴様がブルスなら姿など、どうでもいい! さっさと早く解毒剤を寄越せ‼ だいたい他の者と俺等を化け物にすんじゃねぇー、契約と違うだろうが‼」


姿はどうでもいいとは面白い奴だな、それに威勢が良い、こういう奴を犯すのは楽しいだろうが、薬の効いた奴は手は出さん


身体が腐り別のものに変わっていく姿は実験成功だとは思うがな


などと盗賊の言葉をスルーしながら思考を巡らしていれば、盗賊の怒声がだんだんと弱くなり、胸ぐらを掴んでいるとドロッと身体の肉が垂れてくるのを感じ、手を離す


思考は現実へと戻し、相手を観察していたら


肉がドロドロと溶けるように垂れ流れ、苦痛の声と自身の絶望している姿は、とても醜くく、人と骨がアンバランスになっていく


「┄クク┄面白い現象だな┄ある意味、芸術品のような感じだ」


盗賊の観察のもと、じっくり眺め、ワシはニヤニヤと笑み、近くにてメモをとる


もう少し薬の配合を考えれば、より美しい化け物が出来そうだな


とか楽しげに眺めているなか、扉の向こうより、色々な叫びと怒声、悲鳴などが聞こえ始める


近くにて完全な骨とかした盗賊になど感心をなくしたワシは、部屋を出ると普通の人間ならば地獄絵図だろう状況をみた瞬間ゾクゾクする


禁術の薬にて化け物に変化するもの、半分しか溶けなかったもの、骨だけになったものと変化が見られたからだ


じっくりと2階より観察し┄今後の対策案を考えたあと、ああ┄良いこと思いついたとニヤリと笑む


どうせ邪魔される前に、このゾンビどもを操り、時間を稼ぐのも手かもしれん


ワシはそう決心し┄薬用に仕込んでおいた言葉を呟けば、ゾンビと化け物とかした者達は奥へと引っ込んでゆき


次に動くときのため言葉を紡いでおく、タイミングは入口の扉が開いたときだ


さて一応の対策は終わるが、念には念を入れ、キメラを二匹ほど、建物内に放しておくか


まあどうせ買い手の見つからん奴隷へ、襲わせるよう命令してるしな


あの執事どのは今頃ワシの奴隷を食しているはずだ、まあキメラが来ても強い方だから気にせんだろうしな


「┄では、儀式の場所に向かおうか」


ワシは呟き、儀式の間へと歩いて行った。

 

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