第8話 村人の子供の失踪ー作戦⑤ーテラ視点
「┄ってわけだ┄わかったやろ?」
ナイトが最後に確認するように言われ、俺は余りにも衝撃な作戦に驚いて固まっていたが、ハッとして頷きそうになったものの
念には、念にと、もう一度┄話して欲しいと頼む
するとナイトとカーラ、ディグレの3人は互いに顔を合わせ笑み、頷いたあと説明を再び開始してくれた
目の前には┄何処に隠していたのかと突っ込みたくなるような、大きな紙を地面に敷いており
紙には建物の図面や盗賊の配置の場所、部屋の数、トラップの位置、義族長の部屋や道筋の経路が事細かく、書き記されていた
ディグレが牢の俺達のいる位置を示し、通路の階段に指を流すようにする
「このルートには主に、僕達の他に数名の無実の罪で囚われた人物が8名ほどいるんだ」
「右隣に4名、左隣に4名、他に看守は10名いるけれど、朝、昼、夕、夜の4回に分けての交代制をして巡回しているんです」
「それと階段方面の1階に上がる場所から先には盗賊がウジャウジャいますね、まあ人数は10~20人ぐらいでしょうね」
盗賊って廃村の所にいた奴の生き残りか?
いやもしかすると分担に行動している可能性もあるよな、それよりも┄だ
「なあ、この情報って、どうやって入手してるんだ┄普通に外の状況がわからないと思うんだけど~?」
この詳しい図面を見ていて不可解な疑問が浮かんでしまい聞けば
「話を聞いてなかったのかよ!」
とカーラから突っ込まれた
俺はアハハと笑って誤魔化す
「しょうがねぇな、ここは、このカーラ様が説明してやるよ。この図面は主に看守から教えてもらった情報を元に仕上げたんだ」
「あ、言っとくが、その看守の四人は俺らの味方になってくれる手筈になっている」
「それに隣には親父の部下が二人いんだ騎士のな」
「┄へ、マジでか⁉」
「本当ですよ、無実の罪って言ったでしょ。義族長が僕達を助けに来た人物に、謂われ無い罪で拘束し捕まえたんです」
「ですが偶然か必然か隣の牢にカーラの父方である部下さんがいたのですよ」
「そういうこった、脱出時は一応┄心強い人物がいる。で! そいつらからも色々と情報交換し書いたわけよ」
カーラはヘヘッとドヤ顔をし、ディグレは┄苦笑しつつ、付け足すように話してくれる
「まあ、纏めますと、看守さん達をこちら側に引き込み、屋敷の経路や部屋の数、トラッブの情報を知ったんです。あと、ナイトの父親の部下さん達に、盗賊を目視出来る、サーチスキルの人がいたので、場所などの配置を知ったんですよ」
「┄なるほどな┄でも、よく看守を引き込めたな?」
「それはな、俺のおかげなんやで! 品質の良い物や、金銭面の物などを売買するつもりで、交渉したんや」
「元よりここの看守は悪と違うみたいでな、子供の俺らに甘く慈悲の心があったようなんだ、協力者を見極めて口説き落としたわけやな」
「あのときは、見事な商人みたいでしたね」
「ああ、まったくだ」
「そないに褒めるなや、恥ずかしいやろ」
頭を掻いて照れるナイトにカーラとディグレが称賛する姿は、仲良しだな~っと思いながら
何だか無性にライに会いたくなってきて、変に寂しく感じ、首を振る
いまは寂しがってる場合じゃないよな、ライもいま頃は脱出するために頑張ろうとしてくれているはずだ
ならば俺もやるべき事をしよう、再会したときに、無様な姿は見られないな┄うし! っと気合いを入れ直す
カーラとディグレがナイトを称賛している間、図面へと近づいて┄もう一度┄じっくりと色々、目を通してゆく
敵の情報や配置、脱出経路は安全に進めるのか? とか、少し前に話していた俺のバッグに入っている荷物の利用方法などを考えていく
すると妙に違和感があることに気づく
地下牢から1階へ昇り、入口の玄関で脱出できる可能性が高いが、看守だって交渉し協力してくれる人物らの安全であっても
他にも意図として敵に賛同し動いている人物も┄必ずしもいる可能性だってある
盗賊の実力だって、あの廃村での強い奴等と同等か、それ以上の実力者だっているだろう
それに緑色の髪の男が目の前に現れた場合┄勝てる自信が沸かない
あとライの捕らわれている場所だって┄無事であればいいが、もしもライが傷など受けていたら、俺は普通でいられる気がしない
だが┄ライの事だから、大人しく捕まっていないだろうから、きっと脱出するとき合流できると信じよう
そんな事を考えつつ、ライの事を頭の隅にやり、いますべきことに思考を巡らせ、上手くいくべきルートなどを頭に刻んでゆく
すると不意に視線を感じて図面から顔を上げれば、カーラ、ディグレ、ナイトが不思議そうな表情をする
「┄┄なに┄人のこと見てんだ?」
「┄いやあ~意外と考えてるんだなぁ~って思ってよ」
「まったくですね、僕もそこまで考えてませんでした」
「俺っちもだ、意外に要点見てるんやな┄」
「┄へ⁉┄も、もしかして┄声が漏れてたのか?」
ディグレとナイトとカーラが一緒になって頷いたあと、付け足すように感想を呟く
「どっちかと言えば、地図を観察し、小声で呟く推測の声が耳に入ってきただけですけどね」
「そうそう┄。いや~中々の推測だったぞ、俺らも気づく事が出来なかったことも、あったんだと実感させられた」
「┄ほんま┄すげえ見解だった、気づかん部分があったんやと考えさせられたわ」
うんうんと3人して、それぞれが納得して述べる姿に、独り言を聞かれた事に対して恥ずかしくも、くすぐったい気持ちが込み上げてきた
俺的には、独り言に対しては┄ただの思案であり、人に聞かすつもりはなかった
だからこそ照れがきて
突拍子もなく褒めんなよ!
と胸中にて一人ゴチていれば、3人から生暖かい視線を向けられ、俺の気持ちに気づいているような反応にカーッと顔が赤くなっていった
「なあ┄テラが気づいた点は他にもありますか?」
ディグレが俺の反応にクスリと笑いつつ、そんな質問をされて
手で顔を仰ぎながら俺は、カーラとナイトをみれば、思いっきり注目する視線を向けられていたことに戸惑いながらも頷いた
すると3人は俺に何処を気づいたのかと意見を求めてくるため、一通りに要点や疑問、気づいた所を意見し、互いに色々と話し合いをしていくのだった。
◇◆◇◆
何分間経ったかはわからないが、話しが纏まりを見せはじめ、俺とディグレ、ナイト、カーラは互いに笑む
そしてナイトが地図を折り畳み、懐にしまい、俺は荷物の中にあるものを出していく
改めて荷物を見ていき、必要になるものをナイトとカーラに渡す
「カーラはナイフと繩だよな┄」
「ああ、武器がナイフってのが少しばかり頼りないが、戦う点は┄お前らを守れる実力はあるからな┄繩は敵を縛れるし」
フフッと笑みを浮かべる表情が少し黒い気がしたが┄見なかったことにする
「え~っとナイトは針金だっけ┄?」
「そうや、これがあれば牢屋の鍵など、ちょちょいと開けれる万能道具やし、先を尖らせて、敵を暗殺出来るから便利なんやで┄!」
は? 暗殺⁉ って何を物騒な┄
とか思うが┄ここから脱出するとき戦ったりするんだから、戦闘手段かな
でも┄ナイトの奴、何で┄針金で鍵を簡単にあけれるんだ?
そう思いナイトをみれば、妙に楽しげな感じなせいか、聞くと┄とんでもない事を言いそうなのでスル~しておくことにした
次にディグレの方を見ると荷物から雷系の魔石を渡した
「ディグレは雷系の魔石でいいのか?」
「はい、僕は魔力があるのと、雷属性なので、相性も良いと思いましたから。それに┄これ使えば色々と便利なんですよ」
「へ┄へえ~、俺的には使い方がよくわからねえから┄別にいいけどさ」
「あっ! そうでした┄テラは少し待ってて下さい」
ディグレは短く言うなり、ナイトを呼ぶと耳元で何かを呟くと、ナイトは苦笑気味に笑み
すぐに子供達のいる場所に行き、ガサガサと何かを取り出したのを見て
見覚えのあるものを俺に近づけて渡してきた
「ほい、お前の武器だ」
「こ┄これって俺が装備していた短剣じゃねーか‼」
よくよく見れば確実に俺の短剣だった
俺は少し前にジルから渡された短剣がないことには気づいていた。
きっと取られたのだろうと踏んで、初期の短剣があるし、あとで取り戻そうと決めていたのに
なんで┄そんなところにあるんだよ!
じと~っとナイトを睨めば、すぐに目線をそらしている
「いや~ほら、テラの持ち物って色々と値の張る物が多いやろ、あとで色々と┄商売になるかな~って隠してたんだが┄ディグレにバレてたので、出したんや、テヘ」
可愛げもない欲望のナイトに俺のこめかみに青筋が立つ
こいつ┄マジで┄殴りたくなるな
「いや~ん、怒らんといてや、すまん┄出来心なんや┄暖かい心を持とうな?」
急に謝るとは、俺は余程、顔が怖いことになっているようだが┄知らん、一発殴ろう!
手をバキバキにならし┄殴ろうとしたときだった、急に上の方向から爆発のような音が鳴り響いた




