第8話 村人の子供の失踪ー作戦②ーテラ視点
少しの暴力シーンありです。
3人の攻略対象者とテラのやり取りなどをお楽しみ下さい
3人の忠告を守り、眠ったふりをして数分後に、階段から人が下りてくる足音がした
人数的に2人ぐらいだろう┄
足音は俺達のいる右隣の2つの場所にたどり着くと、叫び声や大人の男性の怒声、牢屋を蹴りあげる音などが牢屋の空間に響き出す
そんな声や態度を耳にて捉えながら、俺達の他にも捕らえている人がいるんだなぁ~っと客観的に感じていると
足音が俺達の方向へ近づいてくることに緊張が走る
いま┄俺から後ろの鉄格子には、2つの足音が止まり話し始める
「┄ほう~、今回は結構な人数を捕らえたようだな┄ブルスよ」
「はい、なかなかに上玉となっとります。まあ幼い子供もおりますが┄それぞれに商品としては、良いほうかと┄ヘヘ」
「┄ふっ、確かにな。貴族の好みそうな奴もいるし、奴隷になりそうな奴もいるな」
「よし、一人私のために出して見せろ、商品として見積もるにも┄試せねばならんからな」
「はい、少々お待ちください」
ブルスは了承したようで、牢屋の開く音がし、中に入る気配に、一度向きをかえようとしたら
近くにナイトがいて、人差し指を自分の唇にあてたあと、口パクで
『ジッとしてな、頼むから』
と言われてしまい、何で? と疑問符が湧くが、何かの意図があるのだろうと我慢することにした
その間にもブルスが、誰かの一人を掴み、連れて行こうとしている
誰が連れて行かれたんだ?
と思っていれば、チラッと連れて行かれる子供が目に入ると
それは┄あの片腕がない子供だった
「┄やーー! 離して┄痛い、痛い!」
無理矢理に連れていかれて引っ張っていく姿は┄酷く泣き叫んでいて
子供の叫びにブルスはイラッとし
「黙れ、クソガキ‼」
と怒鳴れば、子供はビクッと体が跳ねて余計に泣いているが、構わずにブルスは子供を牢屋から出していく足音がして鍵が閉まる
その音に俺はチラッとナイトを見れば、酷く辛そうな表情で口唇を噛み締めていた姿が入った次の瞬間
俺の耳に嫌な叫び声と音が耳に入ってくる
「┄ふ、いい泣き声だ、痛めつけたくなる┄これならどうだい┄ククク」
「┄いっ‼ くっ┄痛いよ~、痛い、やめて┄やめて痛い、痛い~~」
バシッ、ビシッ、バシッビシッ
と数回の乱暴な暴力の音、余計に泣き叫ぶ声、やめてと懇願し悲鳴を繰り返す
俺はナイトの言いつけなど、今の叫びで守る気がなくなり
ブルス達に気づかれないように寝返りを打てば、やっと牢屋の向こうで起こっている状況を確認できた
執事のような服を着た奴が┄片腕の子供のミクトルを平手打ちで、顔を数回と腕を吊り上げ、自分の目線に合わせ、厭らしい笑みを浮かべ、顔から出ている血を舐めとると、ミクトルはヒッと鳴いた
「血がいい具合だな┄ふむ、なかなかに美味いな┄」
「どうです┄貴方様もお買いになりますか?」
「うむ、悩むが、今回は┄やめておこう┄。ただし、この子供は一応はキープしといて欲しいがな┄」
フフフと笑い、ミクトルを見る目は、獲物の餌を見るような感じに見える
何だこの胸糞悪い光景は
俺はこのとき、何故に3人が動くなと言っていたのかと思っていたのか理解できた
俺が止めると余計に危険だと思っての忠告をしてくれていたんだと
しかし気分が良いものではないせいで、己れに感じる怒りを抑え、ぎゅっと手を握りしめ、我慢し寝たふりをしていれば、再びブルスが牢屋を開け、ミクトルを中に放り投げ
「良かったな┄クソガキ、もしかしたら、買い手が見つかるかもな┄」
と呟くブルスに、ミクトルは固まり、恐怖からか大泣きするのだった
◆◆◆◆
そのあとブルスは┄俺達の特徴や、他の子供の顔つきなどを、執事の奴に説明し
明日の昼頃までに買い手を見つけることを話していたが、話が纏まったのか牢屋の俺達に向かって
「もうすぐお前らの新しい飼い主が現れる。いまのうちに自由を満喫しておけ、ああ┄売れ残ったら残ったで、ワシの為の贄となり、役に立ってもらうがな┄」
と物騒なことを告げたあとに、執事と一緒に階段をのぼって行ったのを確認し、俺は起き上がり、すぐにミクトルの元に行こうとしたら┄もうすでに、カーラが慰めている姿があった。
それに、その近くにはナイトとディグレが腕組みをし
「┄やっぱりムカツキますね、あの執事もブルスって奴も潰したい┄いや、いっそのこと、本気で消すって手も┄」
と物騒なことを言い、ナイトなんてディグレに同意し、ジャラジャラと懐から何種類かの武器類が出てくるのを見て驚いていたら、ナイトとディグレに対して
「┄消すのは┄いつでもできる」
「それよりも┄テラ、お前┄確か救急用の箱を持ってたよな、ミクを手当てしてやってくれ、結構┄手酷くやられてるからよ」
と冷静な口調でカーラから言われ、俺は怒りが湧かないのかと疑問を感じていたが、それは俺の杞憂だと気づく
なぜならば、カーラの表情はミクトルのために笑顔を張り付けているだけで、目は怒気を孕んでいる
俺はカーラの様子に戸惑いつつも、コクリと頷き、ミクトルの方へと見れば、まだ泣きそうな顔をしていた
あれだけの仕打ちを受けていれば┄泣きたくもなるよな
それも小さいんだから、大人の力での攻撃になど、耐えられるわけがない
顔は赤く腫れているのが痛々しいと思うが、変わってなどやれない気持ちの中、俺はカーラからミクトルを受け取り
次に俺はミクトルの顔を撫でてあげてから、笑みを浮かべ
「いまから治療してやるから┄もう痛いのはなくなるからね」
と優しく告げてあげれば、ミクトルは俺を見つめ、何故か驚いた後、恥ずかしそうに頷いた。
あれ? 安心してくれたのかな?
まあいいか┄安心して治療させてくれると判断しておこう
うんうん、と自分を納得させて、カバンの中から救急箱を取り出し、中を開けて┄傷薬と消毒液を取り、何故か湿布薬もあった
本当に何でもありだな┄ジルの奴
少々、呆れながらもミクトルを治療していたら┄、何故か3人が俺の方をジッと見つめ、ボソボソと呟く声が耳に入る
「テラの奴って笑った顔┄初めて見たけど┄。子供をイチコロにする破壊力あるよな┄」
「本当ですね、ミクトルは┄少しばかり人見知りしますけど、テラにはすぐになついたし、あの笑顔は┄」
「だな┄あの笑顔┄┄、人にやるとタラシやな」
うんうんと妙な納得をされている
だから俺は心の中で思う
お前らは怒ってたくせに、変わり身が早いなと
でも┄それがこいつらの良いところではと、短い時間ながら感じていた
◇◆◇◆◇
ミクトルの治療を終えたあとに、湿布を頬に張るとひんやりしているらしく、気持ちよさげにしていることに安堵する
あんな弱者を嬲るような出来事で、心の傷を作って欲しくない、守ってあげないとな┄┄
俺は袋の中から、保存食のお菓子っぽいものを取り出して、ミクトルに渡すと「いいの?」と見て言われ頷けば
「┄ありがとう┄です、お兄さん┄へへ」
少し照れくさそうにして受け取り、お礼を言ったあと、友人達の方へと走っていく
そしてミクトルは自分より小さい子にお菓子袋を口で破き、分け与えている光景に
「┄ミクトルって優しいな┄」
という感想が出てしまう
俺の近くに、カーラが座るなり、ポンッと肩に手をあて声をかけてきた
「優しいのは┄お前だって、そうだと思うぞ┄テラ」
「そうかなぁ? 俺は何もしてあげてないよ」
ただ治療してあげて、お菓子を恵んだ、だけだし、傷つけた奴等から守ってあげられなかった
それを優しさというには『偽善』ていう言葉が過ってしまうんだ
だから言い返すとカーラはクスッと笑い
「┄いや┄してあげてるんじゃなく、してくれてるんだよ┄」
「え⁉」
カーラの言っている意味が理解できず横を向けば、カーラの近くにディグレとナイトが一緒になって座り、俺を見つめ笑いかける
「自覚なしですか? 本当にたちが悪いですね」
「ほんとうやな」
「┄テラは短い期間なのに俺らを信頼し、心配してくれる感情を向け、あいつらを思ってくれる優しさや激情を持ってくれてるってことだよ」
「けして偽物の思いではなく、本音から接する思い┄┄それが嬉しかったんたぜ、俺達は┄な?」
「「┄ああ┄」」
3人の言葉を頭の中で反芻していくと、妙に照れくさくなり、顔を背けてしまう
きっと今┄俺の顔は赤くなっている自覚がある┄。あまり称賛されてないんだぞ┄俺┄
「┄あ、照れてるよ┄」とカーラ
「あれ? 何で照れてるんです?」と笑みを浮かべるディグレ
「もしかして嬉しいんか? うぶやな~、おもろ┄」とニヤニヤなナイト
くそ~、ぜってえ、からかってるよな┄こいつら┄
そんなイラだちを感じながらも┄変にこのまま、突っ込めば話が進まなくなると思い、話題を変える
「あ~もう、からかうなっての! そ、それより┄これからどうするか┄考えようぜ、和んでる場合じゃないと思うし┄」
「まあ確かに┄でも大丈夫だと思うぞ、少し前にも言ったろ、テラは俺達が欲しい物を持ってるってさ」
「そうですよ、僕らが必要になった物をテラが持っていたのですから」
「だな┄脱出をするために、かかせないものや」
それぞれ3人が必要なものがなんなのか?
俺は首を傾げて疑問を感じながらも、妙に不敵な笑みを浮かべ、自信ありげな3人の物言いに、話を聞く価値はありそうだと思え
先を促せば、驚きの計画を聞かされるのだった
更新するのが遅くすみません。
頑張って書くつもりです




