襲撃④
喫茶店【妖精のしっぽ】にたどりついた私達は店の前に立ちつくしていた。
何でか?
それは誰もいない店と言うものが
妙に怖いからだ!特に私がな!
テラはただ私につられているだけだ。
なあ、入らないのか?と目で言うテラに、くそーっと悪態をつきたいが勇気を出して扉に手をかけて回す、するとちゃんと私達が入れるように、鍵は開いていた。
店の中へ入ると、いつもは明るい店内が薄暗くて、少々不気味さがあった。
こういう状況を、よく心霊番組であったんだよね。
あっ!思い出したら怖さが倍増した、やめようかんがえるの。
さて、電気をつけたほうが辺りも見渡せて、動物が何処にいるか?、わかるだろう!スイッチを探そうと回りをキョロキョロしている私に、横にいたテラが不思議そうな顔をして声をかけてきた。
「なあに、キョロキョロしてんだ?」
「いやー、薄暗いじゃん!電気付けようかなって思ってさあ~、手探りで探してただけだよ┄┄うん。」
別に怖くないんだぞ!と強がってみたが、私の態度にテラが悪い笑みを浮かべたのを見て、嫌な予感がした。
こういう顔をしたテラは悪巧みをしたときに、よく見られるものだからね。
「そういやー、ライって昔から幽鬼系モンスターみると、怖がってたっけ?」
「もしかすると┄!いるかもな~~こんな薄暗くて、静かな所とか好むらしいし、ほら┄奥の方から音が!」
意味深な物言いで恐怖心を煽る言い方をテラが
した。
その時!本当に奥の方からガシャーーン!!やらゴトゴトと物音が鳴ったでは、ありませんか!!
私はビクッと跳ねて、テラの腕に抱きついてしまった。
無言を貫きつつ、ビビっていたら、テラが何故か身体を強ばらせていた。
なに、自分で言って、ビビってるわけ?
と思い、テラの顔をコソッと見てみると、何故でしょうか?頬を赤らめていたではないか!?
ふっ、やはり、笑いを堪えて身体を強ばらせていたのか!許すマジ!
バッと離れて、足蹴りをかまそうかと、構えようとしたが
テラは私から顔を反らし、何か小声でブツブツと言っていた。
(おや?笑いをガマンしてたのでは、なかったのか?)
首をかしげてテラを見ると、何か落ち着いたのか?一度だけ息を吐き、私をみたのち小声で「よし!」と呟いた。
「┄何が、よし!なわけ?」
イミフなテラの行動に疑問符を浮かべて聞くと、指をカウンター奥へと向けて
「あっ、いや┄。音がしただろう?もしかしたら動物が目を覚ましてるんじゃないか?┄┄行ってみようぜ!」
テラのいいぶんはわかるけど、妙に納得できず、じと目をしたが、私を無視して奥に進んで行くテラに、慌てて後を追った。