第7話 白狼の村と冒険者試験①
朝食を食べ終える頃にジルさんから次の目的地が、白狼の村だと聞いて驚いた。
だって、私が夢で見たはずの場所に行くことになるとは思わなかったから、気を引き締めようとしていたときに、ジュンヤさんが急に頭を撫でて優しく笑う
「┄余り力を入れすぎると、後々失敗するから、あの時に言ってた通りにしたら大丈夫だよ」
「┄はい。力を入れすぎず、肩の力を抜くですよね?」
「そう、それを忘れたらダメだよ」
ジュンヤさんの言葉に従って、深呼吸をしていたら、テラが「どうしたんだ?」と顔を覗かれて、ドキッとしてしまい衝動的にチョップをしてしまった。
「いて! 何だよ急に⁉」
「ジュンヤさんとの会話中に、割り込んできたから、お仕置きじゃ!」
「なんだよ、それ!?」
ム~っと頬を膨らませているけど、テラが悪いし、そんな態度が一瞬可愛いと思う思考を振り払う
するとジルさんが手を叩き、注目を集めた。
「と言うことなので、食事の後片付けの後に出発します」
「ジルに質問!」
「はい、なんですか?」
「ジュンヤさんも同行するんですか?」
テラの言葉にハッ! たしかに⁉ と思えた。妙に自然と一緒にいるせいか忘れてたけど、ジュンヤさんも予定があるのではないだろうか? と今頃気づいた。
「主ですか? そうですね、一緒に次の村まで同行しますよね主?」
「そうだね。私も今回の仕事の報告を次の村でしないと行けないから」
「「あ! もう1つ、質問いいですか? ジュンヤさんの仕事ってなんですか?」」
今頃かと思うけど、聞くのを忘れてたから、何をしているのかと、気になって口にしたら、テラも同じ事を思ってたらしく声が重なった。
するとジュンヤさんは、私達を交互に見たあと
「そういえば正式に自己紹介していなかったね。私はジュンヤ・カイセイ、ランクBの冒険者だよ」
淡々と説明してくれて、テラと私は互いに「「まじ!!」」と言っていた。
そのあとジュンヤさんとジルさんとで盛り上がったあと、廃村の村を出ようとしたとき
クロエがジルさんのバッグから飛び出して、ク~ンと鳴いていた。
「おや、クロエが何かあると言ってますが、どうしますか?」
「何かあると判断したから、出て来たんだろ、行ってみようぜ!」
「そうだよ。前も、ついていったから、きっと何かあるとオレも思う」
私とテラはビシッと片手を上げて発言すればジュンヤさんは頷いてくれ、そしてクロエについて行くことになった。
◆◇◆◇◆◇
廃村の奥にある礼拝堂の側には、祠が1つあるものの破壊されてある
すぐ近くには丸い玉が転がされていた。
まるで捨てられているように見える
なんだろう┄この光景、何処かで見たことがある気がした。
┄┄┄たしか┄テラがその玉に触れて苦しむスチルの絵を思いだした矢先に、クロエが玉の近くに行くとテラも近づいて
「┄なんだ┄これ?」
と言いながら触ろうとしたとき、クロエがフー!! と警戒の鳴き声をあげた。
テラはその声に驚いて、触ろうとした玉から離れた。
「どうしたんだ┄クロエの奴┄びっくりした」
「それが危険だと教えてくれてるんじゃないの?」
私がそう言うとテラは振り向き、私とクロエを交互に見て、なるほどと納得したように、首を縦に振っていた。
うん? なんで┄そこで納得するかねテラ
「確かにそうかもな、クロエって祠のときも助ける優秀な奴だもんな」
ああ、なるほどね。確かにそうかもしれないと私も納得した。
「ところで、これ┄どうしたらいいジル」
「そうですね。普通ならば放置するべきでしょうが、これは結構┄危険なものです┄、周囲に悪い気を撒き散らしますから」
「┄浄化するべきね」
ジルさんの意見に、横にいたジュンヤさんが真剣な表情で口を挟んできた。
私、テラ、ジルさんは、ジュンヤさんを見るとニッコリと笑い
「闇に染まった物はね、光に弱いから、私が浄化してあげるわね」
「「┄ジュンヤさん、出来るんですか⁉」」
「主┄大丈夫なんですか? 前より┄力は弱くなってるのに?」
「うん。出来るよ、なんでか知らないけど┄彼等の近くにいると使えると感じるから┄大丈夫」
ジュンヤさんの言葉にジルさんは、渋々ながら納得し、私達は注目した。
前の方に歩き、玉の近くに来たジュンヤさんは┄小声で呪文を唱え始めると、髪の色が美しく輝き始めると、神秘的な光景は綺麗で私とテラは見惚れボーッとした。
その瞬間に、よりいっそうの輝きがしたあと、玉の色が黒い闇色から、七色に変化をとげた。
私とテラは「「すげー」」と小声で呟いていると、ジュンヤさんが玉に触れて持ち上げ、近くにくるなり何故か私の左手に持たせてきた。
「┄あの┄何でオレに?」
不可解なことをジュンヤさんがしてくるために、不安な表情でみてしまう
でもジュンヤさんは私を見て、笑みを浮かべた
「┄浄化したあと、君をこの玉が呼んでたから、┄┄受け取ってあげて」
「┄呼んでる┄ですか?」
「触れてごらん、君の魔力なら気づくはずだよ」
私は不安な気持ちで┄ジュンヤをつい見ると静かに笑うだけだった。
近くにいるテラは、そんなジュンヤさんを訝しげに見ている
「┄わかりました」
理解出来ないけれど、ジュンヤさんが変な意見を言っているわけでは、ないことぐらいは、わかっている。
私が不安に思っている1つを補ってくれているつもりだろうと信じて、玉に触れたとき
手にビリッと電気が走った瞬間┄声が聞こえた
『┄蒼の力を受け継いだ片割れよ、黒の使い子を救い出せ。君が約束した小さな子と共に』
この声って┄夢で聞いたような┄
そう思ったとき┄脳裏に嫌なビジョンが見えた
小さな一角獣の子供が外套の男によって連れ去られ、額にはまっている宝石を引きちぎっていた。
苦痛に歪む獣は、鳴き声をあげていた。
そして画面一面が血に見えて消える
私は┄玉をぎゅっと握りしめ┄┄気を失った




