第6話 廃村と美女の遭遇⑩
私は昔の前世の夢を見ていた
小学校2年生、6~7才あたりの大好物はカレーだった。
台所でお母さんが鼻歌を歌いながら、お鍋をかき混ぜている姿を、近くで見つめるのが大好きだった気がする。
まろやかな甘味の中にある、ほんのりとした辛み、蜂蜜を入れた後口は、お母さんの故郷の味┄┄食べたいなぁ~
そんなことを思いながら、意識を取り戻すと、とても懐かしい匂いが私の鼻腔を刺激して、頭がはっきりと覚醒した。
つい先程、夢を見ていたせいか? 私の口はカレーを求めていたから、お腹がグーと、いい音をしていた
近くではジルさんが味見をして、満足そうにしている姿を見て、匂いを嗅ぐ
「┄カレーだ、ゴクリ┄」
小さく呟くと口元から涎がもれる
「凄い音だな、ライのおなか」
「へ? うわ! テラ、近くにいたのかよ! びっくりした」
「うへえ、酷いな、その反応┄。まあ、いいや、おはよう┄┄目が覚めて安心した」
「え? なにが┄? あ~! そういえば賊に雷撃くらわされてたっけ、忘れてた」
「┄わすれてんなよな、心配したのに」
「あはは! ごめんごめん。それよりテラが助けてくれたのか?」
「いや、違う。ジルだよ┄┄颯爽と現れて、美味しいところをとられた」
テラはそう言ってからムスッとして教えてくれた。
ジルさんが助けてくれたんだ、嬉しいかも
でも、テラも私を助けようとしてくれてるのは知ってるから、そんなにむくれなくていいのに
「ばーか! テラが助けようとしてくれてんの知ってるから┄気にすんなっての!」
「┄助けようとしてくれてんの、気づいてんなら、いいや」
頬を掻きながら、テラは照れつつも腹の虫がグーとなっていて互いに笑った。
そんなとき、私達の近くらへんから声が聞こえた。
「┄ちょうで良いタイミングで戻ってこれたようだね、良い匂いだ」
「あっ! 主! はい、前と同じ味に出来てます。久しぶりだったので、少々、苦戦しましたが」
「お! ジュンヤさんが、戻ってきたみたいだな?」
「ほえ?」
ジルさんの近くに、とびきりの美女が近づいてきて、親しそうな会話をしている。
テラまで、その美女を知っているとは、どういう状況なのでしょうか?
私は、おいてけぼり感覚で、変な声がでてしまう。するとテラは私が気を失っている間の出来事を話してくれた。
「┄なるほど、盗賊の頭をジュンヤさんが倒して、ジルさんが私達を助けてくれたってこと?」
「えらく簡単な解釈だな。長々と話した俺がバカみたいじゃん」
「あはっ! まあ、気にするなっての。それより、お腹すいた!」
「あ! 俺も、腹の虫がうるさいし┄┄」
互いにはぁ~っと息を吐くと、ジルさんが私達を呼んでくれ、私はまだ少し痺れた体をテラが支えてくれながら、ジルさんがいる場所に移動して座る
そしてジルさんは食器に、ご飯とカレーを入れ
た。合体してカレーライス!!
懐かしすぎ、やばい旨そう、匂いサイコー
ジルさんから私はスプーンを受けとり、嬉々としてカレーライスを受けとると食べようとした
だが、テラの反応が気になり見るとカレーライスを受けとるなり訝しげな表情を浮かべつつ、口に一口入れた瞬間、ガツガツと食べ始めた。
テラもカレーライスの魅力にやられたな
と思うものの、今の私は食べ物を腹に収めることが最優先だ。いざ、懐かしきカレーライスよ!
私が今、食べてあげるよ!
そうして私はカレーライスに夢中にかぶりつくように食べ始めたのだった
その私の様子をジュンヤさんが、クスッと笑い見られていたことなど、気づいていなかった。




