第6話 廃村と美女の遭遇⑨ーテラ視点2ー
「┄┄┄┄で! 誰なんだよ、あの美女は?」
俺は美女がいなくなった後に、ジルからすぐに離れて、睨みつけながら聞いた
「私の元主人である、ジュンヤ様だ。結構な実力のある冒険者をしているんですよ、今は」
「┄貴族か?」
「┄いいえ、貴族ではありません」
「貴族じゃないのに、あの美貌は凄すぎるんだが┄」
「おや? 美しい女性は、苦手なんですか、テラ?」
「┄少し、苦手だ。でも、嫌ってわけじゃなくて、俺の好みは違うだけだし」
「┄┄ほう? テラの女性の好みですか? 教えてくれるんですか┄私に?」
俺は、そこまで言ったあと、しまったと思う。
ジルの奴が口元をニマニマと笑っていたからだ!
「そ、それより! ジュンヤさんの食事の用意するんだろう、俺も手伝うぞ!」
「ふふ、逃げましたね。まあ、いいでしょう。私は一度、ライを治療してから用意をしようと思っていましたが、テラが手伝ってくれるなら、準備をお願いしましょうか」
「準備するものは┄┄┄」
◆◇◆◇◆◇◆
そのあと俺はジルから頼まれた材料の下拵えをしていた。
材料は、じゃがいも、人参、玉葱、あと肉だ
最初は野菜の三種類をそれぞれに四角く切り分け、何だか丸いザルという奴に入れていく
寸胴鍋と言う鍋は、ブルーヒスト村のジルの店で見たことがある
しかしだ! いったい何人前を作る気なのかと疑問が浮かぶ
他にも、ジルのバックは異空間に繋がることもあり、ありとあらゆる料理道具が収納されていた。
ジルよ、あんたは料理人かよ!
と突っ込みたくなったが、よく考えると料理人だと思い、いたった
村じゃ喫茶店で軽食とか出してたもんな
「┄用意はできたようですね」
「まあな」
思案に浸りながら準備を終わらせた頃に、ジルが戻って話しかけられた。
俺はふふん! とドヤ顔をして自分がやった物を見せた。
ジルは、どれどれと野菜の切り目を見てチェックされる
そして俺を見たあと、頭を軽くポンッと置き、誉められた。
「良くできてます。これで、美味しい料理ができます」
「そっか! と、ところで┄この材料で何を作るんだ、シチューか?」
「いいえ、シチューではなく、主の故郷で食している、まろやかな甘味の中に辛みを秘めた料理『カレー』と言う名前のものを、作るつもりです」
「カレー? なんだそれ? ジルはそんな料理を作れたのか? 食べたことないけど」
「そうですね、主との思い出の料理なので、作る気になれませんでしたから」
「ふーん」
ジルがそこまでして守る思い出の料理か。興味が沸くな!
そう思うとグー! と腹が鳴ったら
ジルは俺の腹の虫を聞いて、クスッと笑った
「料理は煮込み物なので、テラはライの側にいてあげて下さい。賊がいなくとも、ここは廃村ですからね」
「わかった」
俺はジルに返事を返すと、ライが寝ている場所に移動した。
ライが寝ているのは料理をしている場所からは、そこまで離れてはいない所で寝ている
俺は近くに座り、寝ているライを見ると、気持ち良さそうに寝ている姿が無防備で可愛いと思った。
本当に何で、これが男なのかね?
ツンツンとつつくとむにゃと言う
昔から変わらない寝姿なのに、可愛いと思うため、口角がニヤニヤしてしまう
なんだろう、イタズラ心がふつふつ沸くな
ツンツンとまたやると、頬の柔らかさが気持ち良く、楽しくなっていた
「おやおや、テラ┄楽しそうですね」
ジルの声でハッとして、俺はボンッと顔が赤くなってしまい
ゆっくりとジルを見ると、ライが寝ている場所の近くで、煮込み料理をしている、ジルとの距離は一メートルしかなかったことを思い出した。
「┄べべ別に、ただ、様子を見てただけだし! 気持ち良さげにライを見て安心してたんだ┄楽しんでなんかねえよ!」
「そうですか? 楽しそうに見えましたし┄┄顔が赤いですよ」
俺はジルの言葉に、よけいに赤くなり、そっぽを向いて
「うっせ!!」
と言い返した




