第6話 廃村と美女の遭遇⑥
前半、ジル視点、後半、ジュンヤ視点です
嫌な目付きだ。
そう思いながらも、私は外套の奴を無視し地面や周囲の情報を確認し、不意にテラとライの事が脳裏に過り息を吐く
「┄この力は状態異常を発生させる魔力の陣ですか、まったく何をしてくれてんだって、感じですね」
「┄あの子達が、無事だと┄いいんですが┄」
ポツリと呟くと主が、前にいる私に不思議そうな感じの声音で声をかけた。
「あれ? セルジオ以外にも、誰か┄いるのかい?」
「はい┄。まだ┄10歳ぐらいの子供を預かり王都まで送り届けていたんです」
「┄この村には、休憩がてら立ち寄りまして、詳しい事情はのちほど」
「┄そっか。運が悪かったね?」
「いいえ、主にあったので、逆に喜ばしい事です。それに、あの者達にも、良き訓練になりますから」
私はにっこりと笑うと、主は私の横にくると苦笑気味に笑い
「┄セルジオの、成長を見た気がする。いい性格になったね」
「┄ありがとうございます」
「┄┄┄まあ、いいや。ねえ、セルジオ」
「┄はい」
「┄俺が、あの者を引き付け戦うから、その子供達の手助けをしておいで」
「何故、ですか?」
「┄僅かながら、力を解放しないと、その子供達の命に関わるからだよ。あの者が何をするかわからない、言ったろ、厄介だと」
「┄わかり┄ました」
シュンと私は横で手助けできない事に悲しくなり、俯いたら
「┄まったく、セルジオは」
と主が言って肩に手を置く
「そんなに俺のためと思うなら、1つお願いがある。あとで俺の好きな料理を振る舞ってくれたら、嬉しいよ」
優しい笑顔で主が提案してくれ、私は、バッと顔をあげてから頷き
「はい!!」
と返事をしました。
主に食事を振る舞うなど、何年も前┄以来です。
久し振りに腕を振る舞い、主に満足してもらう料理を作らなくては!!
私は少々、気持ちがホクホクする
しかし、主の声により気持ちが切り替わる。
「セルジオ、ほのぼのモードは終わりだ! 結界を解いたら、すぐに動きなさい!」
「あの、主の手伝いは」
主は首を振ると外套の奴を見つめ、静かに話す、まるで小さい子供を言い聞かせるように
「セルジオ、俺はね┄。ここにいるべき存在じゃないんだ。でも、俺は選び、ここにいる。前の物語は終わり、今の物語は┄君が預かる彼等にある。それを見守り、加護をするのが、セルジオの使命になっているんだ」
「俺の今の立場は、メインキャラではなく、わき役の役割のモブとなっている。そんな人物に、手を貸すのは、違う! そうじゃないか?」
主の正論は、確かに正しい。
でも、私は。私だけは、主と従魔の間柄でいたいんです。
世の中にあるシステムに何が起ろうとも、強く、強く┄┄願った相手が目の前にいる。
その現実だけが、私の心を動かしているのに、あなたは平気で私を突き放す
ぎゅっと拳を握りしめ、唇を噛み締めていると、主は何故か笑い
「戦いが終わったあと、色々と話そう」
「だから無理強いはしないよ、大事な子供か? 俺か? 決めるのは君だ、どうする?」
選択肢を私に提示し、選ばせる
とても不利な選択肢に、私は息を吐くと、行くべき道は最初から、あなたの手の上だ。
私は結界を解くと主から背を向けて、子供達のいる方向へと向いて走った。
◆◇◆◇◆◇◆
セルジオが選んだ道に、俺は微笑ましく思い、見送ると外套の男である奴を見据える
すると、俺を見て、口角を上げてニヤリと笑みを浮かべる
「へえ~、聖獣を逃がしたんだ」
俺は静かに愛剣を手に当て抜くと、シュンッと音をたて、手を握りしめ
「あたり前だ、あの子は俺の大事な従魔だ。貴様のようなゲスに触れさす義理はない!」
「ふーん。急にしゃべりだしたら、口汚いな。けど、君らしい。お相手願おうか、ジュンヤ・カイセイ!」
「今度こそ、ぶっ殺してやるよ!!」
俺は素早く魔力を剣に纏わせ攻撃を仕掛けた。
外套の男は火属性のファイアーウォールを使い、無数の火弾を顕現させ俺に向かって放つ
1つ、1つに魔力を込めている、俺は剣で弾き飛ばすか? 切り出すか? を繰り返し攻撃を
する。その度に、手にはビリッと電撃が走り痺れるが、俺の様子など気にしないように火弾の攻撃が続き、重く感じ始めた。
嫌な攻撃をしやがる!
俺は舌打ちをし、土属性の魔石を剣に投げて、嵌め込むと剣に土の岩の色が変わり、魔力を込めなおし、力を解放し外套の男に向けて走る
◆◇◆◇◆◇◆
数分後の攻防戦を繰り返したあと、俺は僅かな
剣先を男の首もとにあてる状態にて、終了した。本当は殺してやりたい気持ちがあったが、不可解な攻撃をしてくる、こいつのやり口に違和感を感じたからだ
「┄それで、俺に戦いを煽ったのは、時間稼ぎか?」
「へえ? よく気づいたな。┄┄なんでと聞いていいかい?」
「戦闘を仕掛けてるくせに、状態異常や、遠距離攻撃をしたりと、わざとらしくてな」
「本当の目的を、話してもらうぞ」
シャキと男の首もとに近づけると、男は笑みを浮かべたまま
「┄本当の┄目的ね。蒼の王の力を受けた者どもの抹殺かな。ついさっき君が逃がした聖獣君が預かる子供を拐うのが目的なのに、そこに転がるバカどものせいで計画がパアッになったんだ」
「┄でも、まあいい収穫は、あったがな」
「┄収穫だと?」
「そう、とても欲しかった1つさ」
俺はそう聞いて、驚くと
「へえ、俺の言葉で検討がついたのか? さすがは銀色の紋章使いだな」
クククと笑った、男は首にあてた俺の剣に手をあてるなり、なんの力か剣に嵌めた魔石を破壊し、次に電撃が走る瞬間
俺は剣を男から離し、すぐに地面に刺す
鉄は電気をよく通すと、実験で知っているからな。すると電気は地面を伝い流れだした。
その隙に男がいつの間にか距離をとると
「┄へえ。電撃を塞ぐとはな、いいね。なら、これはどうかな?」
男は地面に手を当てると、魔方陣が発生し
その場所よりグールが召喚された。
個体数で、30体だ
何をしてくれてんだ、こいつは!?
ジロッと睨みつけると、男はクククッと笑い
「┄俺は、回収しないと、いけないバカを思い出したんで、こいつらと遊んでてくれや! じゃあな!」
そう言って、姿を消そうとした。
「┄ふざけるな! 転生しているのに、何故、お前は、こんなことをする!!」
俺は咄嗟に、あの男が言う単語に前から気になったことを言っていた。
すると男は、ジロッと俺を見ると目を細めて
冷めた表情で
「┄あんたは絶望する瞬間を味わってないから、言えるんだ。何もかも、消える黒き王だけが俺を救える」
「┄待て、義隆!」
「┄その名前で、呼ぶな! 気分が悪くなる」
義隆は舌打ちをして、消える
「┄アホが、絶望など┄俺は知っているんだぞ。やはり黒き王が義隆を変えたのか、あのときのように、許せねえ!」
俺は剣に力を込めると、懐から光属性の魔石を取り出し嵌め込むと、手の甲に魔方陣を描きだし、そしてグールに顔を向けた後に攻撃を仕掛け戦いに身を投じる
そして数秒間の間に殲滅した。
「┄黒き王、やはり足取りを調べる必要があるな」
一息吐くと、回りにはグールの屍が転がる中
ある決意のもと、セルジオのいる場所に合流すべく移動した。




