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蒼黒の王と綴られた軌跡  作者: ユミエリ
第2章 それぞれの出会い
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第6話 廃村と美女の遭遇⑤ージル視点ー

テラとライが戦闘が始まる少し前、私は主と二人で久し振りに協力戦闘を楽しんでいた。 


タイガービートは計40体はいて、狩りごたえのある獲物に、私の口元は自然と笑みを浮かべ、手からは爪を伸ばし戦闘体勢に入る。


主はそんな私に呆れながらも、とめることはせずに、自由にさせてくれるようで、気持ちが高揚する。


だから、私は一人称を変えて、俺に戻る! 穏やかな自分ではなくなり、ただ一人に遣える従獣になり、マスターのために戦闘をする


こんなに嬉しいことはない、久し振りの感覚に興奮しない方がおかしい。俺は足を地面に低く構えタイガービートと戦闘を始めた。


◆◇◆◇◆◇


タイガーは主に重心の強い攻撃をし、爪や口、回転の捻り技、魔法の火弾攻撃を得意としている。


俺は確実な命を刈り取っていると、戦闘の片隅で、主の戦闘を見えて歓喜する。


やっぱり、あなたの戦闘は綺麗だ!


剣戟にタイガービートが真っ二つに切られ、血が花のように散り、舞う姿は美しく魅了される


残酷かつ美しい主の剣舞は一瞬の戦闘を忘れさせるようだった。


「よそ見をする、余裕があるんだな┄よほど主が好きか?」


とそんな渋めな声が俺の耳に入る

だから俺は、爪による攻撃を声がした後方に向けて仕掛けた。


するとそこには、タイガービートのわりには足元の色の毛並みが縞模様に灰色の毛が混じり、そして先程のタイガービートとは様子の違う個体が、俺を見て爪を弾き、反撃をする


「へえ、俺の攻撃を受け止めるとは、なかなかやるな?」

「別に┄┄。どうでも、いいんだよ。こんな攻撃力があっても、意味ねえからな! だから、ワシ以外を倒してくれや、面倒なんで一抜けするんでな」


「それ言いたくて、声をかけたのか?」

「┄そういうこと、じゃあな」


そう俺に言うなり、少しの距離の反撃体勢をやめて、素早く回転し、殺られたような芝居のように飛躍し飛ぶと倒れた。


まるで、適度の仕事はやったと言わんばかりの態度の芝居に呆気にとられた。


そして同時に思う。

あのタイガービートの瞳は、何者を拒絶し絶望していた昔の俺と重なるため、気にかかった。


だが、今は他の奴ら(タイガービート)との戦闘をし、倒すことが最優先事項だと思いなおした。


◆◇◆◇◆◇


20分間の戦闘によりタイガービートを一掃し、あと僅か10体という所まで倒した頃だろうか?


急にタイガービートと盗賊の2~3人の生き残りが、何故か動きを止めた。


俺は不可解な敵の行動に訝しげた

その瞬間だった、突如としてタイガービートと盗賊が妙にザワザワと統率を乱しはじめたのだ!


「セルジオ、俺の側に┄誰かいる?」


主の言葉に俺は、すぐに近くに戻ると、前方の方向を警戒するために見てみると、異変はすぐにあった。


つい数分前に相手をしていた、盗賊の頭が姿を消し、盗賊の頭がいた場所には、黒い外套を被っている人物が立ち、俺と主の方向を視られいた。


俺は、イヤ私は爪を仕舞うと、腰の剣を抜き

魔力を剣に纏わせ、先制攻撃を仕掛けようとした。


┄┄が!


急に主が私の前に手をやり止められた。


何故、ですか?


「┄主?」


私は主に、どうしてか? と疑問に思い見る

すると酷くやりにくい相手のように、外套の奴を見据えている


「セルジオ、あの男に近づいては、いけないよ。危険だから┄┄」

「危険┄ですか?」

「そう。あいつは、やりにくいんだ。嫌な力を使うからな」


主にそこまで言わす相手とは、よほどであると思い、手を剣に当てたまま頷いた。


次に外套の相手は、ゆっくりと私達に近づいてくるなり、外套を外すと金髪の髪が流れ落ちるように姿を現し緑の瞳を主に向け、気安げに話しかけてきた。


「┄久し振りだね、B級・冒険者ジュンヤ・カイセイ、まさか君がこの事件に介入するとはね、あんたみたいな能力者に?」

「┄」

「ふーん、黙りかい? まあ、いいや! あんたには、あの事件の仮があるからね、そのぶん、せっかくの機会を無駄にする気はないんだ」

「勝負、してもらうよ」


外套の奴の話を聞いていると、どうも┄何かの事件によって、主と関わりをもったのだろうと推測がたった。

じっと様子を伺っていた私は、主の様子に寒気を感じた。


とても優しい主の顔ではなく、目はじっと外套の奴を見据え、口元がニヤッと円を描き


「┄勝負など、お断りします。不愉快な相手と戦うなど、気分が悪い」


「ふーん。あのこと、まだ┄根にもってんだ?」

「忘れませんからね、あんな酷い結末など」

「┄クク、そうなんだ。まあ、あんたのチート能力も効かないように、惨たらしくしたんだ、忘れないで、嬉しいよ」


互いに睨み合いながら、言う言葉、言葉の応酬に二人しか、わからない会話は、主の嫌悪の眼差しで酷いものであったのだろうと思った矢先だった


主が怒りでフツフツとオーラを放ち、静かに睨み剣に手をかけ、グッて我慢していた。


「┄忘れないことが┄嬉しいだと!」

「そうだよ! それだけ、俺を認識してるってことだからね。それに、俺はあんたの本気が見たいんだ、だから┄もっと戦いたくなるようにしてあげるよ!」


そう外套の奴が言い、己の掌に剣で貫き血が地面に滴り落ちた

その瞬間、外套の奴の周囲に黒い靄が舞い上がり、外套の奴がボソリと呪文を呟いた


すると広範囲に雷撃の筋が線のように地面をはい広がって行った

そして私と主にも直撃しようとし、私は咄嗟に結界を張り巡らす


それを見ていた、外套の奴は目を開き


「へえ~、君は聖獣なんだ、彼の┄」


と呟き、私の存在に気づくと、怪しい不吉な笑みを浮かべたのだった。

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