第6話 廃村と美女の遭遇③
ジルがライとテラから別れて、盗賊のいる場所へと向かっていた数刻前、盗賊どもは村の中央にある広場にて今後の行動を話し合っていた。
「お頭! 白狼の村の村長ども今回、どうも子供を実験に使ってるッスよ」
「へえ┄そうか。ならば┄もうそろそろワシらも白狼の村に協力しようではないか、せっかく村で待たされたのだ、参加できんのは宝の持ち腐れと言うものよ」
「じゃあ、行動できるんですね」
「そうだ。こんな村で燻り続けたぶんは、楽しませてもらう┄┄行くぞてめえら!」
「「おぉぉぉーーー!!」」
人数的に50人ぐらいの叫びが村の中に響く中
「すまないけど┄それは俺が止めさせてもらうよ┄」
とても通る声が頭の耳に届く
頭は声を探るように辺りを見渡すと、近くの木の側に人影が現れた。
「┄誰だ‼ てめえ‼」
警戒を込めて叫ぶと、人影は、はっきりとした姿が見え
次には、男なのか女なのか、わからないほどの中性的な人物が、にっこりと笑みを浮かべ、白銀の髪が動く度に揺れ、美しい顔を見せる
すると盗賊どもは一斉に見惚れ、頭も魅了されたように動けなくなっていた。
「うーん、誰って名を名乗る義理は、持ち合わせてないんだ。だって君達はここで、俺に討伐されるからね」
中性的な人物に淡々と言われ、盗賊の頭はハッと我に返ると、頭に血が上り、部下どもに命令を下す
「何をぼーっとしている! 話を聞かれたのだ、殺せーーー!!」
おー!!
と部下どもは、叫び中性的な人物に攻撃をしかけた。
すると中性的な人物は腰に下げている剣を取り、フッと笑みを浮かべ
「┄そんなに、やる気を出さなくてもいいのに」
ポツリと呟きながらも、盗賊へと向かい戦闘が開始された。
◇◆◇◆◇◆
10分ぐらいたった頃、盗賊の頭は後悔していた。
結構な実力者に喧嘩を売ってしまったと
頭は、膝をつき己れの愛剣を杖変わりに息を切らす
辺りに残っているのは、よくて10人~15人だ。
チッと舌打ちが零れた。
ワシは中性的な人物の戦う姿を見ると、剣先を血をつけることなく、相手を切りつけ、部下の命をたつが
服には血痕のあとはなく、当たる前に次の者を切りつけ、踊るような剣舞を繰り広げ、美しい。
敵ではなく、別のときに出会えたらよかったのにと思えていた
さて、どうする?
みとれてる場合ではない
いまを脱却するためにも、考えねばならない。
頭を捻り考えを巡らした時、中性的な人物の背中が僅かに隙を見つけ
部下に目線で殺れ! と弓を使える部下に指示をだす。
部下は頷き弓をつがえ打った。
よし、これで、深手でもあえば、ワシの手の内だ
ニッと笑い勝利を感じていた
だが┄! 中性的な人物に弓矢が当たる瞬間、風が吹き矢を吹き飛ばし、中性的な人物を庇うように、一人の金髪の男が現れた。
「┄主、無事ですか!?」
「┄やっぱりセルジアか、久し振りだね。┄元気そうで嬉しいよ!」
「はい。俺もです、主!!」
背中合わせで互いに会話をする様子に、知り合いであると判断し、助っ人かと舌打ちが出た。
この男も、中性的な人物の知り合いならば、実力者である可能性であると推測できる
撤退するべきか? 逃亡は不可能だろう
どうするかと思った矢先、部下が数名いないことに気づいた。
チッ、逃亡者が出やがったか。
普通であれは、見つけて落とし前をつける所だが、今はそんな余裕などない
やる前から、死の覚悟をするよりも希望をもつほうがいい。
ワシらだって1年、ここで遊んでいたわけじゃねえ! 奥の手は残してんだ、覚悟しやがれ!
頭は心の中で思案していたことを思い
遠くにいる部下に合図を送るため、光弾の珠玉を地面に叩きつけ砕く
すると光が反射するように明るくなり、彼ら二人が俺の方に気づくが、もう遅いぜ
動き出したはずだ。
部下によって┄┄解放している
ワシは口元に深く笑みを浮かべ、彼らを見据えた。
その瞬間だった、奥の方から雄叫びを上げた声が響いた。
「┄来たな。捕らわれた、タイガービート集団を、てめえらにくらわせてやるよ!!」
餓死しない程度に、餓えさせて飼い慣らしておいたんだ。
存分に食らわせてやるよ、ワシごとな!




