第5話 初めての戦闘訓練と野宿 ③ージル視点ー
森の結界音が、ライに気づかれるとは、魔力が上昇しているようだと気づく
村の魂の影響かもしれないな。
まあ、いい。今はこの子達を守ることが、俺の役目だ。
木と木の間を素早く駆けていると、途中、テラを見つけた。
やはり若き少年が、悩む状況なのか両手で顔をあて苦しんでいる
まったく、ライが女性であることがわかれば┄苦しまずに、すむのでしょうが、私が言うべきことではないですしね。それに黙ってたほうが互いに面白いですし
「┄ふ、嫌ですね。あの人と同じ思考は┄」
私はテラから視線を外し、結界が鳴った場所へと急いだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇
ジルが結界に急いで向かっている頃、結界の前に一人の人物が立っていた。
「┄へえ、なかなか上手く結界を張ってるね。でも、あの子らしい、優しい感じだな?」
手を触れるとキーンと鳴り、その人物は優しく笑む
「まだ、綻びはあるけど、成長かな。おっと、あんまり触れると、あの子が来ちゃうね。いまは、会うときじゃないし、場所を変えよう┄またね、セルジア」
その人物は、それだけ言うとスーっと消え転移した。
◇◆◇◆◇◆◇◆
森の結界が鳴った場所は、この辺りだったはずだ。
私はキョロキョロと結界の触れられた場所を探すと、一ヵ所だけに懐かしい匂いがした。
「┄┄な!! ┄嘘┄┄だろう┄」
胸がぎゅっと締め付けるほどに、鼓動が高まる。
そして動揺した┄、嬉しくも苦しい気持ちが、沸き上がり手を胸にあて、声をだす。
「この匂いは┄主だ」
目をつむり、喜びで心をしめていき、涙が一粒こぼれた。
◆◇◇◇◆
10分ぐらいたった頃、ジルさんが戻ってきた。
「お帰りなさい。テラはさっき戻って、残ってる肉をやけ食いしてるけど、いいのかな?」
「ああ、大丈夫です。まだ残りは大量にありますから」
ジルさんは、そう言うと私の向かいに座り、笑っていた。
とても嬉しそうに┄
「あのう、獣はいたんですか? ワナを確認しに行ってたんですよね?」
「そうですね、いましたよ。とても珍しい┄ものがね」
「その獣は、捕獲出来たんですか?」
「┄いえ、逃げられてしまったようなんです。でも、私は嬉しいんです」
「┄嬉しい┄ですか? どうして?」
「また、出会える、きっかけがあるんだと希望が沸いて来るから┄です」
そう言ったジルさんは、とてもいとおしいような表情で言うものだから
「オレも見てみたいです」
と言っていた。
するとジルさんは、優しい笑みで「はい、いつか出会ったら┄」と約束してくれた。
そしてテラと私は雑談をしつつ
「トイレ長かったね」
と突っ込む私に
「うっせ┄。出るものが多かったんだ!!」
とテラはムッとしていたが、そのあと可笑しくなって笑いあった。
それからジルさんが出してくれた、シートの上に寝ることになった。
初の野宿だ。
横になり上を向くと星が綺麗で3人と一匹で見て眺めるなんて新鮮で楽しかった
だから、初めてのことだから、眠れないかと思っていたけど、いがいと疲れていたらしく、すぐに眠ることができた。
あ! ちゃんと皆に、お休みの挨拶はしたからね。
私はこの日、不思議な夢を見た。
月光の光が輝く場所では、1つの部隊が影の中を動き回る
ホー、ホーっと森の梟が鳴く中で
怪しげな動きをするものが呟く
「┄もうすぐ、もうすぐだ。あの白狼の村は┄わしのもの┄」
薄ら笑いの男が部隊を引き歩く、後方に小さな子供を連れて行く
足枷をつけたまま、無理矢理、歩かされていた




