襲撃⑧
食事も、もうすぐ終わろうとしている途中だろうか?突如!店の扉が勢いよく開けられた。
何事かと、あと一口で食べ終わろうとした手を止めてドアの方を見た。
なんと、そこにはエル兄がカウンターに寄りかかり、私達を見て深い溜め息をはいていた。
「┄┄エル兄!!」
バッと立ち上がる私、まだ食べている最中のテラが口をあんぐりと開けたまま驚きつつも、カウンターに寄りかかっているエル兄に気づき、食べかけのパンを置くとすぐにかけよった。
私もすぐに近づいて、どうしたのかと聞こうとしたら先にエル兄が口を開く
「まだ、ここにいたんだな二人とも。」
安堵するような表情をしているエル兄の態度は、本気で心配している口調で話してく話してくる
心配するようなことって何かあったけ?
と疑問がよぎっていた私と違い
テラはエル兄に近づくと状況を確認しようと観察したあと
「外で何かあったのか、よく見ると服のあちこち破れてるようだけど?」
テラは心配するようにエル兄を見て言う、私はその様子を見て驚いた。
カウンターに座り息を吐く、服の辺りは切り刻まれていて、怪我とかしてるのかと心配になったが、同時に違和感を覚える。
なんだろう私、何か大切な事を忘れてないだろうか?
知ってるんだ!この状況を┄┄┄
「┄┄今、村は領主により、┄┄襲撃を┄┄受けて┄┄いる。」
「┄襲撃って、村に、なんのために!?」
エル兄の言葉、そしてテラの反応に既視感を覚える。
どくんどくん
と鼓動が早鐘を打つ、胸が締め付けるような出来事がこの先に起こるような、そんな感覚の中、エル兄が状況の説明を続ける。
「目的は不明な点がある、だがセクイズ様の話しによれば、村の外れの森に向かっている者と、村を消そうとしている者とで別れて動いている可能性があると言っていたのだ」
「俺は命令で別の所へ行くつもりだったが、途中でお前らの安否が気になってな、ここに来たわけだ。┄┄本当に無事で安心した。」
苦笑まじりに笑う姿は、どこか痛々しかったが、私とテラは笑みを浮かべ礼を言うと
一人ずつ近づいて頭をポンポンと優しく置くなり、言い聞かせるように、ゆっくりとした口調で
「そういうわけだから、二人とも、ここをでるな。ジルさんが結界を張って、敵の目を眩ましてくれてるからな!」
忠告と外出を控えるように言われ、私は己の無力差を感じながら項垂れた。
だけどテラは拳を握りしめ、エル兄に抗議していた。
「嫌だ!!俺も手伝いに行かせてくれ、親父たちの手助けぐらい┄┄┄。」
バンッとカウンターを叩きつける音が鳴り響きテラはビクッと跳ね、エル兄を見ると目が座り、厳しい表情に変わってみられていた。
あまりエル兄のこんな表情を見たことがない私とテラは息をのみ、真っ直ぐエル兄を黙って見た。
少しの間を置き静かにテラを見るエル兄は言い聞かせるように話し始めた。
「手助け出来ると、この状況で言うのか。いま、俺は言ったよな!領主が襲撃していると┄┄」
「実力もわからない相手に、子供の、お前が父親の助けに行けるほど、世の中を甘くみるな!!子供は子供らしく、安全な場所で待っていろ┄┄いいな!」
穏やかな口調なのに、威圧感を込めたような話し方をするエル兄にテラは唇を噛み殺し、拳を握りしめ、下を向き小さく震えながら
「┄┄わかった┄┄。」
とこたえた。
エル兄さんは、いつもの表情に戻るとテラの頭を撫でくり回したあと
「┄ごめんな、テラの気持ちはセクイズ様に伝えとく。」
最後にポンポンと軽く叩き、次に苦笑じみた笑みを浮かべていたが、私を見て手でおいでおいでしたから近づくと1枚の護符を渡して来た。
「┄┄護身用の護符だ。もしもの時に持っておけ、用心のためにな!」
「うん、わかった。エル兄はもう行くのかよ?」
エル兄は頷くと私の頭をポンと叩いてから、店を出ていく姿は頼もしく思えた。
エル兄を見送ったあと、外出禁止を言い渡されてしまい。
どうしようかと思案するが答えなど出ず、唸るように腕組みをしていたとき、ふとテラが静かだと気づき視線を向けた。
するとテラは食べ残していたパンを無心に頬張っている姿がそこにあった。
「┄テラ┄┄なにしてるわけ?」
何故に、このタイミングで食事する理由があるのか?
と疑惑の目で見て聞くが、テラは最後の一口が終わるまで何もいわず、食べ終ると立ち上がり、私を見ると不適な笑みを浮かべ
「行こうぜ、親父達のところに!!」
明るい口調で言うテラの発言に「┄はあ?」と驚きと呆れのまじった声が口からもれてしまう。
「なに、言ってんだよ!いましがたエル兄に、外に出るなって言われて、テラも了承したんじゃなかったのかよ!!」
「したさ、だけどエル兄の前でな。俺はそんな理由だけっていうのが、納得できないんだ。」
「それに┄┄俺は、この襲撃の中、村を狙う理由を知りたいんだ。無知は罪だって親父から教えられてるんでな。」
「┄┄これだけは、譲れねぇーー。┄┄どうするライ、俺と行くか?」
強い信念のあるテラの言葉に、私の心は動かされる。
エル兄の言ったことを守るべきだと、思ってたはずなのに、行って自分の目で確かめたいという思いが強くなり、つい頷いてしまう
その私の反応にテラは、さすがと言わんばかりに悪い顔をしていた。
イタズラを閃いた子供かよ!まあ、子供だけどね┄┄
「だけど、外は危険なんだぞ、どうやって行くんだよ!」
「┄大丈夫だって、俺とライだったら、連携すればいけるさ!」
「どこから、そんな自信が出てくるんだか。まあ、その考え嫌いじゃないけど」
「だろ!そんじゃ、出発だ。」
私とテラは外に出る計画をたてていた頃、カウンター奥の動物が目を覚ましていたことなど、知るよしがなかった。




