襲撃⑥ ー聖獣視点ー
村の騎士が進軍してくる少し前に時間は戻り、ジルの喫茶店カウンター奥にて
聖獣は自分用に、用意されたクッションにて目を覚ます。
「クハ~~っ!!」
身体を起こして背筋を伸ばす、前足と後ろ足を一本、一本伸ばす。
少し身体を見ると、包帯を巻かれていた。
あの優しい人がしてくれたのだろう?
温かくて、撫でてもらうと気持ち良かった。
けど、どこか懐かしい気がする、何で?
そんな事を考えていたら、自分のしっぽが近くにあった何かに当たり、ガシャーーンと音が大きく響きビックリして、つい毛も逆立ち、身体も跳ねて、また近くにあった物に当たり、ゴトゴトと物に当ててしまう!
(ビクッとするのは、しょうがないよね。)
自分でやっていて、何をしているのかと疑問がわくが、身体の本能なのだから、仕方がないと失念し反省した。
音が止み、静寂が戻って安心するのも束の間、人の気配を感じ、本能が警戒せよと命令がくだる。
自分自身も、人間に対しては本能と同じ気持ちなため、警戒体勢をとり来る敵を待った。
男二人の人間が現れ、自分のそばまで近づいてくる
全身の毛が逆立ち威嚇の声がでた。
「フーー!!フーー!!!」
(訳/誰だ!┄この人間が┄!!!)
力強く警戒の声を上げてみたが、二人は顔を見合せ、何故かホッと安堵している。
そして互いに笑顔で、話しかけてきた。
「大丈夫そうだね。傷もジルさんが治したみたいだし、すごいよね。」
「ああ、あんな傷だらけだったのにな?」
安心させるようなことを言ってるのだろうとは思うが、人の言葉が理解できるわけもなく
意味不明な単語を並べる人間に、余計に警戒心がわいた。
「フーー!、シャー!!」
(訳/貴様ら、何者だ)
怒鳴るように叫ぶつもりで言おうと発音するが、動物な鳴き声が出た。まだ自分は未熟者であり、未成的な部分があるため話せないのだと思案し、悔しく思うが、敵に背を向けるなど、自分のプライドが許さない!
「シャーー!!」
思いっきり警戒の声を上げると、二人の人間は困ったような表情をして、しかし、一人の男が前にでた。
「落ち着けって、俺達は何も危害を加えるつもりはないんだって。」
髪の色は特殊な力で染めているような、魔力を感じさせる男が何か言っていたが、気遣っているような匂いの中に、自分に対して好奇心と敵意を感じさせる。
出方の様子をみたら、不意をつくように、自分の身体に手が触れかかり、咄嗟に敵の攻撃と判断し、ガブッと手に噛みついた。
力加減などせずに思いっきり、噛みついたことにより、口の中に、血の味がした。
気持ち悪い血の味に、口を離すとトスッと音と、ともに自分の身体が落ちた。
どうも、男を噛みついたとき、少しだけ空中にういてたらしい。
そんな状況的な考察を思案していたとき、苦痛な声が上空より聞こえた。
上を向くと男は手を押さえている様子を見て、ダメージは相当与えられたと安堵した。
視線を感じて、上方向を見るともう片方の男がジーと自分を見る
(何だ!仲間を攻撃されて、睨んでんのかよ!)
「フー‼シャー!フー!」
(文句あるなら、こいよ、受けてたつ!!)
戦う体勢をとり、毛を逆立てるとその人間はなにが可笑しいのか、苦笑を浮かべ、つい先ほどの男と同じように、自分を触ろうとしてきた。
自分は咄嗟に飛びつこうとしたが、何故かその男の瞳を見た瞬間ドキッとし動きを止めてしまう
青空を浮かべるような、優しく見つめる瞳
自分の本能にある警戒心が緩んだ。
どうして?
不可解な疑問があったけれど、次の瞬間には霧散した。
身体を触られ、自然な動作で抱き上げられていた!
うわっ!離せ!
と思っているのに身体が抵抗する、撫でられることが気持ちよく、そして夢を見ていた時に感じた懐かしい感覚が自分の中にあった。
動揺する中で、抱き上げている人物を見るとニッコリ微笑みを浮かべている姿に目をそらす、妙に自分の顔が熱く感じた。
そして撫でられている中で気持ちよく、安心して瞼が落ち自分は眠りにおちた。
夢を見る、温かい家族と兄弟達と仲良く幸せだった頃の思い出、そして大切だった人からの約束との記憶を┄┄┄┄




