表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/45

異世界での生活と戦闘

転生してから初めての朝。

もうこのセリフ転生小説の場合お約束でしょうね。

窓からは朝日と小鳥の声が聞こえる。

『オハヨウオハヨウ』

「……ん?」

窓を見ると小鳥?あれはカラス並みにでかいし色は青い。

てか今喋らなかったか!?

パタパタ…

窓を開けると鳥は逃げてしまった。

「…流石は異世界。朝から大変だ」


転生して二日目の朝。

食堂に行き、朝食を食べて外に出ることにした。

特に何も無かったので省略。


「あ、いたいた。おーいマコトー!」

玄関でナギサが声を掛けてきた。

「おはようナギサさん。どうかしました?」

「あれ?もしかして忘れた?昨日予定立てたじゃない」

昨日…?あぁ、日用品を一緒に買いに行くんだっけ。

「すいません忘れてました」

「別にいいよ私も半分は忘れてたから」

自分とナギサはお互いに苦笑いする。

「マコトさんとナギサさん!すいません遅くなりました!」

奥からシズクが走ってくる。

「準備に少し時間をかけてしまっ…ぷぎゃ!」

あ、転んだ。

「だ、大丈夫?シズクさん」

「うう…痛いです」

涙目で鼻を押さえてる。

これがドジっ子属性か…!

「シズクちゃんまた何もない所で転んじゃって本当にドジっ子だね!?」

ナギサは腹を抱えて笑ってた。

「は、早く行きましょう!」

シズクはスクッと立ち逃げるように外に出ていった。

「やれやれ…マコト行きましょう」

「え?あっはい」

自分とナギサもシズクを追うように外に出た。


場所は変わり、雑貨屋さんです。

「しかし…ほとんど前の世界にあったのと同じ道具がたくさんあるなぁ…」

シャンプーやリンスはもちろん、調味料、掛け時計…

「なんかファンタジー感ないなここ」

雑貨屋さんにもファンタジー感を求めるのは間違いなのでしょうか?

「ってやばい一番大事なこと忘れてた…」

どんな世界でも商売方法は共通。

はい。お金がありません。

「ナギサさん…お金のことだけど…」

「ん?あーごめん渡すの忘れてた!」

渡すのを忘れていた?

てことは渡される予定だったの?

「ミヅチから渡せって言ってたこと忘れてたよ!はい八万ダイト」

ナギサさんから八枚の札を渡されました。

なにこのお小遣いみたいな渡し方。

てか八万!?マジっすか!

ついでに単価を聞くと前の世界と同じく一円=1ダイトのようです。

札にも一万の数字書いてますわ…

「ファンタジー感がない…」

なんか銅貨とか銀貨とかでさ、ややこしい数字で使うのが異世界って思うじゃん?

無いのかこの世界には。しかも札とは…

「まぁいいか使いやすいし」

とりあえず色んな日用品を買った。

他の雑貨屋も回り、回復草や薬を買った。

次に婦人服の専門店です。

「こ、ここが…」

「あ、ちょうど私、下着調達したかったんですよ!」

はっ!落ち着け自分!意識を保つんだ!

だってこんな所生前入ったことあるわけないじゃん!

「お、マコトにはこんなの似合うんじゃない?」

う…なんだそのひらひらパンツァーは!?

「いやマコトさんにはこっちが似合うと思います!」

くっ…白パンツァーに小さなリボンとは…

れ…冷静になれ自分。ここは耐えるんだ…!

ナギサとシズクの意見を聞きながらとりあえず肌着を買うことができた。


「ただいまー!」

「おお、おかえりみんな」

ミヅチがホールで何かの本を読んでいた。

「なんか疲れた…」

主に後半。

「そんな疲れてる所悪いんだけどいいかな?」

なに!?追い討ちか?

「ちょっと森に行ってある薬草を持ってきてほしいんだけど…駄目かな?」

む?採取系か。そのくらいなら…

「いいよ。どこの森?」

「お、いいのかい?それじゃ…」

ミヅチは持っていた本をパラパラとめくった。

あるページで止めるとナギサにも声をかける。

「ナギサ!良かったらマコトと静寂の森に行ってくれないかな?」

「ん?マコトと?うーんまた急だね」

「ちょっと素材が足りなくなってね。欲しい薬草はこの紙に書いてあるから」

ミヅチはナギサに一枚の紙を渡す。

「えーと…ヨモグ草、月夜草、回復草か」

「回復草なら買ってきて持ってるけど」

「あーそれは駄目かな。あくまで静寂の森の回復草が欲しいんだよ」

なるほど採取する森によって若干性能も変わる訳だ。

「もしかしたら戦闘もあるかもしれないから準備はしておいてくれ。頼んだよ!」

ミヅチは早々と2階に上がっていった。

「はぁ…面倒だけど行こうか。丁度マコトの力も見てみたいし」

「自分の力ですか?」

ではレベル124の力見せてあげましょう。


馬車に乗って移動中、ナギサから森の注意点を聞いた。

「森は大体自然系の魔物がたくさんいるはず。ウルフとかデットツリーとか」

狼に木の魔物か。そのくらいいてもおかしくないよね。

「でも、本当は魔物より盗賊が怖いのよね…」

「盗賊か…」

確かに不意打ちとかありますからね。経験済みですが。

「まぁ私達なら大丈夫でしょ!」

フラグですよそれ。

馬車が急停止する。森の入り口周辺に到着したようだ。

自分とナギサは馬車から降りて森を見つめる。

「薬草の見た目とかわからないと思うからマコトは周辺の警戒をお願い」

「わかった」

「そんじゃ始めますか!」

初めての採取クエスト開始です。


「はっ!やぁ!」

次々と現れる魔物をナギサはズバズバ切り裂いていく。

「自分…いらないんじゃないんですか?」

「んー?いやマコトは必要だよ!だって強い仲間がいるだけでやる気は上がるしね!」

魔物を斬りながら言うセリフかよそれ。

ちなみにナギサの武器は短剣二刀流だ。

ナギサ曰く、弓よりこっちのほうが狩人っぽいでしょ?とのこと。

「ふぅー!しっかし魔物がいつもより多いな…」

「『スタミナキュア』…そうなの?」

生命力ではなく、体力を回復させる魔法をかけながら周辺を見渡す。

確かにまだ自分達には気づいてはいないが遠い所にまだまだたくさんの魔物の気配がする。

「とっとと採取して帰りますか」

「ええ。そうね」

自分が周りを警戒してナギサは目的の薬草を採取し続けた。

探索をしていると開けた空間に出た。

「ん…?」

何故か危機探知能力が反応している。

そしてこの展開どこかで…

森の開けた空間…魔物より危険なやつ…

「っ!ナギサ危ない!」

「え?きゃっ!?」

自分は咄嗟にナギサを飛んで庇う。

ビィィィイイイインッ!

あれなんかデジャヴ。

近くの木に矢が刺さってた。

「じゃなくて…!?」

自分はすぐに矢が飛んできた方向を向く。

「なに!?もしかして盗賊!?」

「多分!」

いや多分じゃなく絶対だなこれ。

「ちっ!外れたか!?」

「奇襲失敗!総員配置につけ!」

突如盗賊らしき声と多くの人の気配を感じる。

なんだなんだ!?まるで軍隊のような動きと指示をする盗賊だな…

てかこの気配五、六人ってどころじゃないぞ!?

「気配だけでざっと三十人はいるわよ…!?」

周辺には人影が見える。どうやら囲まれたようだ。

構えていると正面から盗賊のリーダーらしき人が歩いてくる。

「盗賊のヴィルヘルだ。有り金持ち物全部渡すのなら命くらいは助けてやるぞ?」

うわ!なにそのテンプレセリフ!

完璧すぎて逆に引くわ…

しかもご丁寧にお名前まで教えてくれちゃって…バカなの?

「はっ!あんた達なんかに渡すものなんてないよ!」

わーおナギサさん勝負腰だよ!大丈夫?

「ふむ。この状況を理解できないのかな?明らかに君たちだけでは無理があるが?」

まぁそりゃそうだ。この囲まれてる状況は明らかに不利だろうね。

「生憎、あんた達みたいなやつは大嫌いなもんで…ねっ!」

ビュンと盗賊リーダーの前に飛び、手痛い一撃を食らわ…せない!

「なっ!?」

「ふぅ…危ないお嬢さんだ」

反応してナギサの短剣を片手で止めている。

「…このぉ!」

残った左手の短剣を振るうがそれも止められる。

「俺に速さ勝負を挑むとはな…残念だが無駄だ!」

「ぐっ!」

ナギサは両手を掴まれているので膝で腹を殴られる。

そして後ろに回り、ナギサの首元にナイフを構える。

「さぁこのお嬢さんのせいでさらに危機的状況になってしまったわけだが…どうする?」

「……」

うーむ確かにナギサのせいで人質をとられたという問題が増えてしまった。

だけど、そのくらいは予想範囲内だ。

「…『インビジブル』」

自分の姿が消えて、盗賊達は慌て出す。

「お、おいどこいった!?」

「アイツ魔術師だ!どっか転移したんじゃねぇか!?」

いやここにいるけど。

「落ち着けお前ら!逃げたならまだ遠くに行ってねぇ!探してこい!」

「へいお頭!」

盗賊下っ端軍団は散開していった。

探す対象がまだここにいるのもわからずに。

だけどまだ数人はここに残っている。

仕方ないここはあの魔法で…

「ふ…どうやらあんたの仲間は見捨てられたな」

「くっ!離せ!私は見捨てられた訳じゃない!」

「ハハハ!この状況を見てまだわからないか!?」

盗賊リーダーは絶対的勝利が確定して大笑いする。

うわーめちゃくちゃウザいぞあのリーダー。

よくそれでリーダーが務まるな。

強いだけじゃ真のリーダーとは言わんぞ!

「『マジックフライト』」

自分の足元に魔法陣が現れるはずだがインビジブルの効果で見えません。しかも無音。チート能力だね。

とりあえず空に退却。

その笑顔、絶望に変えてやるぜ。

「焼き払え!『ホーリーエクスキューション』!」

キュインン━━ボオォン!

轟音と共に放たれた巨大な光の光線は盗賊達のいた所のすぐ近くで爆散した。はいビビってズレました。

「な!なんだぁ!?」

まぁそんな反応するよね。衛星光線みたいな魔法が隣で使われたら。

「静寂の森が一気に静寂じゃなくなったような…」

森にいたたくさん妖鳥や魔狼が逃げているのが見える。

うーむやりすぎか。だってこんな凄い魔法だと思わなかったんだもん!でもスッキリした。

「お、落ち着けお前ら!確認しろ!なんだあのばくは…ぐっ!?」

「よ~くやってくれたわね?」

ナギサが短剣を盗賊リーダーの脇腹に刺してる。

掴む力が緩んだのでその隙に抜け出したそうですね。

しかもそのまま盗賊の首元に短剣を向けている。

怖っ!ナギサさん怖いッス!

「くっ…」

この状況に絶望の顔になっている。ざまあみろ!

「ってやばい!魔力が!?」

もう残り四分の一になっている。

そりゃそうだ。インビジブルとマジックフライト。

どっちもかなりの魔力を使う魔法だし。しかも継続する魔法だからね。

しかもあの放った魔法四番目に消費魔力の多い魔法だし。

すぐにナギサの近くに着陸する。

カッコよく戻りたかったので降りる瞬間にインビジブルを解いた。

これで突然消えて、突然現れた感じになったはず。

「…っ!?マコト!?」

あ、ナギサさんいること忘れてた。

でも流石。自分が突然現れたのに短剣をピクリとも動かさない。

「大丈夫ですか?」

「ええ怪我はないわ。それより今のは…?」

「とりあえずそいつ縛っておきましょう。動かれると面倒だし」



「なるほど…姿を消せる魔法と空を飛ぶ魔法を使ってあの爆発みたいな魔法を使ったわけか」

帰りの馬車に揺れながら自分は説明していた。

「まさかそんな魔法があるとはね…驚きだよ」

どうやらインビジブルのような姿を消せる魔法はなく、あるのは種族特有の能力のみだとか。

「まぁ目的は達成したからね良しとしよう!」

自分は馬車に揺らされながら空を見る。

森から見える白い煙はなるべく見ないようにして。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ