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姫と姫の策略

投稿遅れてごめんなさい!

今回は早めに投稿しました。

「来てしまいましたか…」

ギルド本部に向かっていた偽物のユマリア姫が到着してしまった。

「マ、マコト!妾を匿うのじゃ!」

「え?なんでですか?こっちが本物なら堂々と…」

自分は言葉に詰まった。確かあちらにはたくさんの警備兵がいたはずだ。もしこっちのユマリア姫が見つかったら……

「…即刻排除ですね。偽物として確実に」

「…それはまずいな」

「お前らなぜそんなに冷静なんじゃ!?人国の姫君の危機なのじゃぞ!?もっと緊張感を持たんか!」

いやそう言われても自分あんまり関係ないしな…

「私からもお願いしますマコトさん。こんな人ですが、一応国の姫君です」

「リスアス!?こんなとはなんじゃ!?」

リスアスまで頼んできた。これは断りづらいな…

「…仕方ない。ここまできたら手伝いますよ。中途半端に終わるのも嫌ですしね」

「すみませんマコトさん…ではこちらに」

リスアスは部屋の本棚に触れる。すると突然本棚が動き始めた。

動いた場所には地下に向かうはしごがあった。

「隠し通路…!?」

「本当は脱出用のはずなのですが…状況が状況です。ユマリア姫とマコトさんはここから地下を通って外に出てください。おそらく街道に出るはずです」

つまり自分一人で護衛しろと。まぁ大丈夫だろうけど。

でもなんでおそらく?リスアスの言葉に少し不安になる。

「…ちなみにここを使った回数は?」

「作っただけなので一度も使ってません」

おいおい…つまりこの脱出通路は何があるか分かってないんじゃねぇか!

「マコトさんよろしくお願いします」

「あんまり乗り気じゃないけど…」

「急ぐのじゃマコト!」

ユマリア姫はいつの間にかはしごを降り始めていた。

自分はしぶしぶユマリア姫について行った。

「……さて。こちらはこちらの仕事をしますか」

リスアスが扉を見つめて呟いていた。


「うー…ここじめじめするのぅ…」

「そりゃ地下だからね。湿気が多くてなんぼだし」

今自分達は、暗い地下を自分の魔法で照らしながら歩いていた。

「しかし…広いなこの地下…どこまであるんだ?」

結構歩いたはずなのだが、まだまだ先が見えない。

「マコト。道はわかるのか?」

「一応リスアスから地図をもらってはいるけど…かなり複雑過ぎるわこの地下…」

曲がって曲がって進んで曲がっての繰り返しだ。

恐らく今いる所からまだ五十キロはあるぞ…。文句言ってもしょうがないから、二人でしばらく無言で歩き続けていた。

「マコトよ…まだ着かんのか?」

「そう簡単に脱出できるわけないでしょ?今はひたすら……」

自分は足を止めた。すると後ろにいたユマリア姫がぶつかってきた。

「おいマコト!?急に止まるでない!」

「しっ…静かに」

自分はユマリア姫を静かにさせる。なぜそうしたかというと…

「━━━おい。本当にここ通るのか?」

「上からの命令だからな。ここを通ってくる輩を排除せよっていう命令」

「そんなのわかんねぇじゃん…」

声と気配からおそらく二人。多分兵士だろう。

「なんであいつらここを通るって知ってるんだ…?」

「ま…まさか情報が漏れたのか…!?」

でもリスアスの作った隠し通路だし…漏れたということはないと思うけど…

「仕方ない。ステルスキルだ…『インビジブル』」

自分は魔法を詠唱して姿を消す。

「ん?マコト?どこじゃマコト!?」

自分が突然消えてユマリア姫は声を上げる。

「ちょっと静かにしてください!バレちゃうから!」

「声だけ聞こえる…もしかして透明になっているのかの?」

お、物わかりがいいね。伊達に姫様やってないね。ユマリア姫に少し説明して、自分は兵士の声が聞こえた場所まで移動する。

(見たところ二人だけど…奥とかにはいないのかな?)

気配探知の範囲を広くしても反応なし。おそらくこいつらだけだろう。

「よし…『マジックバレット』!」

目の前に魔力の弾が現れる。ちなみにインビジブルの効果で魔法は自分にしか見えない。

なるべく一撃でやれるように魔法を魔力集中させて威力を上げている。

「ぐわあああ!」

「え?ぎゃあああ!」

大きな音と共に兵士は自分の魔法で吹き飛んだ。

……やりすぎた?壁にめり込んじゃってるけど大丈夫だよね?

「マコト…お前かなり鬼畜じゃな」

「さ…さぁ!さっさとここ抜けようか!」

自分は足早にその場から離れた。おふたりさん申し訳ない…


ひたすら歩いていくと外に出られる場所に到着した。

「でも行き止まりじゃぞ?上から出るのか?」

「うーん地図にはそこまで書いてないな…」

もしかして道、間違えたのかな?ここは明かりの魔法を使わなくても明るい。おそらくどこからか光が差し込んでいるからだろう。

「上から民の声は聞こえないぞ?路地裏の地下かの?」

「うーん…リスアスが嘘つくわけないしな…」

あの二人の兵士に出口を聞けば良かったかな…戻るにも気絶してるし…

「のぅマコトよ。少し考えたのじゃが…」

突然ユマリア姫が話し始める。なんか嫌な予感する。

「確かここは使われてなかったんじゃな?」

「うん」

「その地図もリスアスの設計した脱出通路じゃな?」

「…うん」

「そしてここが街道に出る出口のはずなのじゃな?」

「………うん」

「つまりここの上には出たことがないはずじゃな?」

「…………あ」

ユマリア姫の言葉でなんとなく察した。


「この上……建物が建てられておるじゃろ」


「……だから行き止まりになってるのか」

上を見ると出口らしき扉が見える。おそらく本来ならあそこから外に出れるはずだった…はずなのだ。

秘密通路なので出口を教えるわけにもいかないし、まさか建物の下は脱出出口だったなんて思いもしないだろう。

「参ったな…ここで平和が仇となるとは」

「いやこれはリスアスの設計ミスじゃろう…」

とにかく別のところに行かないと。もしかして追手が来るかもしれないからね。

自分達は別の出口を探すため、また地下道を歩く。おかしいなぁ…自分達ダンジョン攻略してるわけじゃないんだけど…

「ってああ!やばい!」

「ど…どうしたマコト!?何かあったか!?」

ダンジョンという言葉で思い出した。

「マリとシエル置いてきてた…どうしよう!?今頃自分をひたすら探してるかも…」

あの二人だから見つかるまで探し続けそうだし…急いで出口を探さないと!

「動くな!」

しかし出口を見つける前に兵士に見つかってしまった。

しかも一人や二人ってレベルじゃない。二十人はいるかも。

先頭にいるかなり重そうな鎧を装備した兵士が話す。

「警備の報告が遅いと思ったらまさか暗殺者がいたとはな…やはりユマリア姫のいう事は正しかったようだな」

「え…?あのユマリア姫がここにいろと指示したの?」

「…暗殺者と会話する口は持ち合わせていない!抵抗するなら容赦はしないぞ!怪我したくないのなら大人しくしろ!」

おそらく偽ユマリア姫の命令か。本物はここにいるのにね。

にしてもあっちの姫、警戒心高いな。ここまで警備を配置するとは。これは感心するね。

「でも…相手が悪かったかな」

自分は身体を加速させて兵士に急接近する。兵士の方は自分の動きに追いつけずに棒立ちしていた。

「……はぁ!」

自分は兵士を蹴り上げる。少しだけ力入れたんだけど…

ドゴォン!

あ、なんか嫌な音。

「ジ…ジルフィードさん!大丈夫ですか!?」

どうやら力を入れすぎたらしい。天井にめり込んじゃってる。またやっちゃった…

「マコト…」

「ちょっと!?なにその『お前という奴は…』って顔は!手加減はしたよ!」

「しかし結果が結果じゃからな…」

「ああもう!攻撃が駄目ならならそっちからこればいいよ!さぁあなた達…かかってこい!」

でも誰も来なかった。

ムカついた自分はやけくそで兵士達を吹き飛ばしまくった。

強すぎるってのもつらいものがあるなぁ…

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