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新しい人生の創造

混沌の神によって自分はかなり怖い思いをしてしまったが女神様から教えられる魔法を習得することができた。

魔法を見ていると謎が浮かんだ。

「あれ…?効果が見れない」

『その魔法の効果は発動した時にわかるでしょう…大丈夫。あなたなら使う時を見極められるはずです』

うーん…それってかなり不安なんだけど…

「…女神様。なんか消えかけてない?」

『……ああ。そろそろ限界のようですね』

自分は女神を見るとクロミの身体から放たれる強い魔力がだんだん弱くなってきていた。

「限界って…もうここにはいられないってことか?」

『私はあくまでもこのクロミの身体を借りて話しているだけなのです…本当はここにはいられない存在でもあるのです』

「……」

『そんな悲しそうな顔をしなくても大丈夫ですよ。女神は他にもいますし、何よりこれで消える訳でもありませんから』

「…ということはまた会える?」

女神はクロミの身体で微笑む。まるで本当に女神様のように優しい微笑みだった。

「…魔法教えてくれてありがとう。また会いましょうね」

次の瞬間、クロミの身体がまた光り始め、気がつくとクロミから女神様の魔力は感じなくなった。

クロミはそのまま力なく倒れ込んできたので自分は慌てて受け止めた。


しばらく経つとクロミは目を覚ました。

「ん…?」

「クロミ…大丈夫?」

「マコトさん……そっかもう行っちゃったんだね」

クロミは空に手を伸ばした。

「私の使命は、おしまい。女神様は行ってしまわれたから」

クロミは泣きそうな顔になっている。

「これから…何をすればいいんでしょう…?」

この子は混沌の力を浄化することが使命だったから存在意義が無くなってしまったのだ。何とかしてあげたいけど…

考えてるとマリが隣に寄ってきて提案する。

「…マコト。この子をギルドに入れるのはどう?」

「ギルドか…確かにそれはいいね」

「ギルド…?」

「私達の家。…クロミちゃんも一緒に来ない?」

せっかくだからギルドに入ってみんなと一緒に生きていこう。

それがクロミの新しい存在意義だ。

「全く…勝手に話を進めるなよ…」

あ、ミヅチに相談無く承諾しちゃった。

「だ…駄目?」

「…そんな訳ないだろ?大歓迎さ」

やっぱりミヅチはいつも通りだった。

「とにかくここから出るぞ。そろそろ警備兵が扉を突き破って来る頃だからな」

自分は入ってきた扉を見るとドンドンと叩いており、今にも壊れそうだ。

「おーいシエルー!気絶してるナギサとシズク担いで来てくれ!」

「わ、私は気絶なんかしてません!」

いや服ボロボロだし…多分さっきまで気絶してたな。

「ナギサさんは何故か起きないので担ぎます」

「ん…?てうわぁ!?」

あ、シエルの肩からナギサが落ちた。

「いつつ…気絶してたのか私?」

「はい。しかもぐっすりと」

「それは寝ていたの間違いじゃないか!?」

「ミヅチさん。このようにナギサさんも問題なく目覚めました」

「聞いてよ!?」

最近シエルのスルースキルに磨きがかかり始めたような…

「よし…ちょっと待ってろ…『サモンズドラゴン』!」

ミヅチの前に展開された魔法陣から大きなドラゴンが現れる。

おお…白くてカッコいい!白龍だね!

「これに乗って空に飛ぶぞ」

ミヅチはドラゴンに乗る。シエル達もぞろぞろと乗り始める。

「あれ?ナツキは?」

なぜかナツキはドラゴンに乗っていないことに気づいた。

「もう少しここに残るわ…調べたいことがまだあるから」

「そうか…気をつけろよ。うっかり死んだりしたら困るからな」

「あら?私を誰だと思ってるの?」

「「「天然忍者」」」

おおう!?ミヅチとマリとナギサが同時に同じことを!?

「ふふふ…ありがとうね」

「いや褒めてないでしょ…」

自分とクロミとマリもドラゴンに乗った。これから飛ぶのだが…

ドンと大きな音がしたと思ったら警備兵がぞろぞろと現れた。

やっと扉をぶち破ってきたらしいね。

「見つけたぞ侵入者…いや侵略者め!覚悟━━━おぉう!?ど…ドラゴン!?」

いい反応しますね警備兵。よく見ると漫画のように腰を抜かしてる奴もいるぞ。

「よっしゃ飛ぶぞ!」

「グォオオオオオオ!」

ドラゴンは大きな翼を広げ、空高くまで飛翔した。


「おおー!すごい!」

「街が小さく見えますねー!」

「ってここまだセルフィアだったのか…」

街並みを見るとどうやらこの建物は街の隅に建てられてたらしい。確かにそれなら合図の魔法も見えますよね…

「あれ…でも敵のドラゴンはどうやってここに来たんだ…?」

少なからず本部があんな強いドラゴンが飛んできたらわかるはずなんだが…ステルス迷彩とかついてんのかね?

「………!」

「ん?どうしたのマリとクロミ?」

二人共自分の身体にしがみついている。

「……怖い」

ああなるほど。高い所ダメなのね。

「へぇーマリって可愛い所あるね…って痛い痛い!腕痛いから!やめて!落ちる落ちる!」

「…落ちていいと思う…いや私が落とせばいいのか」

「何を口走っているのマリ!?」

「…何やってんだお前ら」

あ…危ない所だった。自分から地雷踏んで危うく落ちる所だった…

しばらく飛行旅行をしている間、ミヅチら着陸ポイントを探していた。

「おっ。あそこいいかな…?」

ドラゴンはマリとクロミを思ってか、ゆっくり下降しながら広い空き地に着陸した。


「ふー!脱出成功だね!」

「よいしょっと…リトさん大丈夫ですか?」

「ああ。大丈夫…ごめんシエルさん。こんな僕に手を貸してくれて…」

今リトはシエルに肩を貸してる状態だ。どうやらダメージが一番多く回復に時間がかかってしまったらしい。

「大丈夫ですよ。ギルドまで歩いていくだけですし…そうでしょうミヅチさん?」

「まぁな。でもマコトは俺と一緒にきてくれ」

う…。もしかして怒られるのかな…。

「あんまり怒んないでよね!私達のマコトちゃんなんだから!」

「えっ!?なにそのマスコットみたいな言い方!?」

「怒らない怒らない。本部に向かうんだよ」

なるほど。もしかして敵のドラゴンについてと混沌の祭壇についてだね。

「でもそんなの聞いて大丈夫かな…?」

「安心しろ。お前はあの漆黒の翼と一緒にいたという名誉があるだろう?」

いやあれは半強制的にやっただけで…

「ってそうだ!ジャックについても言わないと!」

混沌の力で何かやろうとしてたし、多分あいつが黒幕だろうな。

でも言葉だけで伝わるかどうかわからない…

「あと女神の魔法のことも言った方がいいのかな…?」

「いやそれは言わない方がいいだろう。おそらく魔法について詳しく話さないといけなくなるぞ。なんやかんや言われるのは嫌だろ?」

うわ…確かにあのギルドマスターそこら辺かなり鋭いからな…これはクロミのことも伏せといた方がいいかも。

「さて…じゃ俺らはここから本部に行くよ」

「またギルドで!」

「セクハラしちゃダメだよー?」

「誰がするか!」

うーん自分が女だって自覚はわかり始めたが…いまいち馴染まないな…

口調はちょっと女寄りだけど一人称が自分だからな…

「どうしたマコト?先行くぞ」

「あ…ごめん!」

「悩み事か?」

「まぁ…そうだね。ちょっと色んなことがあったから…」

すると突然ミヅチは自分の頭を撫でてきた。

「まぁ大丈夫だ。マコトの悩み事なんて簡単なものだろ?」

「ん……」

いや全然簡単なものじゃないんだが…

「…っていうか自分を撫でるのやめんかい!」

「ハハハ。すまんすまん」

ガーと両手を上げて中断させる。

全く…マジでセクハラ行為として訴えるぞ…

こっちはかなりマジな問題なんだからな!?

…とりあえず性別のことは今考えててもおそらく意味無いだろうから、時間をかけて変えていくしかないだろうな。

「そのためにもやることはやらないとね」

自分とミヅチは本部にゆっくり歩いて向かった。

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