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仲間と不気味な笑み

犯罪組織ダークコンバートの建物を進み、クロミの言う通りに向かった先には…

「ここは…祭壇?」

「随分と古いな…」

扉の先には薄暗く、かなり広い石造りの祭壇の間だった。

「おやおや…来てしまいましたか」

「っ!?誰!」

奥から歩いてきたのは黒いローブで青髪の男。

「あなたは…ジャック!」

「やれやれ…あの時そのまま逃げてくれれば良かったのに…なぜここに来たんですかマコトさん」

「…それはつまりここに何かあるということ?」

「さぁ…どうでしょうねぇ?」

ジャックはニヤニヤ笑う。自分はジャックをじっと見つめる。

「そうですね…流石にここまで来てしまったからには━━死んでもらいましょうかね?」

「!?」

なんだ!?突然ジャックから禍々しい魔力を放たれる!

「ああ…素晴らしい!この力!流石は混沌の力!皆さんにも分けてあげたいぐらいですよ!」

混沌の力…?確か邪神の洞窟にいたデュラハンもそんなこと言っていたような…

「まさか…あなたがダンジョンを変えた犯人!?」

「さて…何のことでしょうかね?」

ジャックはすっとぼけているのか?

「でも私は戦闘は好みませんので…この子達と遊んでください」

ジャックのすぐそばに魔法陣が現れるとそこから魔物が現れる。

「なっ!?召喚!?」

「違いますよー?この子達は私の指示には従いません。なので…人を無差別に殺します」

ジャックは笑いながら魔物を召喚する。

「あなた達はここで何も見ていない…何故ならばここで死ぬからです!」

またかよ!もう聞き飽きたわそのセリフ!

「簡単に殺されてたまるか!」

「ああ…その通りだマコト!気をつけろよ!」


「『マジックバレット』!」

次々と出現する魔物を魔法でなぎ倒していく。

「くそ…キリがないぞ!?」

「逃げるか!?」

ここまできて逃げるのは正直嫌だ!でも魔物はどんどん湧いてくる。

「広範囲魔法が使えれば…!」

今自分は前回の悪魔戦で魔力を使ってしまってあまり強い魔法は使えない!

「ってそういえばクロミは!?」

戦闘に入ってしまって忘れていたがクロミはどこに!?

周囲を見渡すがクロミの姿は見えない。

「大丈夫だ!きっとそこら辺に隠れてるさ!」

「そう願いたい…っね!」

自分は魔物を蹴り飛ばしていく。幸い魔物個体は強くはなく、魔法を使わなくても倒せる。

「けど…数が多すぎる!ミヅチ!」

「ああ任せろ!やれシルヴィード!こいつらをなぎ払え!」

「フゥオオオオ!」

ミヅチの召喚獣の口から光線が放たれ魔物を一網打尽にする。

「すごいけど…まだいるぞ!?」

「なら…シルヴィード!アレ行くぞ!」

「フォオオ!」

ミヅチとシルヴィードは空を飛び翼を広げる。

後ろには巨大な魔法陣が展開された。

「フォオオオオン!」

「いけぇぇぇぇ!」

次の瞬間、シルヴィードの翼からものすごい量の魔法弾が放たれた。

魔法弾は魔物の群れに直撃して殲滅していった。

「ん…?」

ミヅチが魔物を殲滅した時、何故かジャックは祭壇の近くにいた。あの祭壇に何かあるのか…!?

「リト!ミヅチ!多分あの奥にある祭壇を壊せば止まるんじゃないか!?」

「祭壇…?あれか!」

「フゥオオオオン!」

ミヅチはシルヴィードに乗って祭壇に近づく。

「よし…やれ!」

「フゥオオオオ!」

シルヴィードはもう一度口から光線を発射しようとする。

「それを壊しちゃ駄目━━!」

「なっ!?クロミ!?」

突然後ろからクロミが叫んでシルヴィードの動きが止まる。

「おっと危ない!その召喚獣は危険ですね…消えてもらいましょうか!『ダークレイ』!」

ジャックの指先から魔法が放たれる。シルヴィードは翼で身体を守ったが吹き飛ばされた。

「ミヅチ!」

「くそ…シルヴィード!大丈夫か!?」

「フォオゥゥゥ…」

たった一発の魔法でかなりのダメージを受けている。

あいつらなんでこんなに魔法の威力強いんだ!?

「『ミドルキュア』!」

シルヴィードを回復させるとミヅチはこれ以上は危険と判断したのかシルヴィードを帰還させた。

そうしてる間にも魔物は容赦なくどんどん湧いてくる。

「すまないマコト」

「大丈夫…そんなことよりクロミ!壊しちゃ駄目ってどういうこと?」

あの祭壇には何かやばいものが封印されているのか?

「あれを壊したら世界は崩れる…とても危険なの」

「世界が…崩れる…!?」

どういうことだ…?まさか魔王とかが封印されてるのか!?

「ほう…そこのお嬢さんにはわかるようですね…?そう。この祭壇の中には恐るべきモノが封印されているのですよ」

どうやら何かが封印されているのは確かのようだ。

リトが魔物と戦いながら叫ぶ。

「そんなのを持っていて何がある!?」

「ありますよ?ここで得られる素晴らしい力がありますから」

ジャックは不気味な笑みを浮かばせる。

「ククク…この力であのお方も…」

「あのお方?」

「あなた達には関係ないことですよ!さぁ、ここで死んでください!」

ジャックの魔法陣から更に大きな魔物が現れる。

「ド…ドラゴンだと!?」

何時ぞやの街で召喚されたドラゴンと似ている。

ドラゴンは現れるのと同時にブレスを吐くために息を吸い込む。

「くっ…『魔力補給』!」

ドラゴンを処理するため、自分は魔力を回復させる技を使う。

なんで早く使わなかったって?今まで忘れてたんだよ悪いか!

でも回復するには時間がかかるため、すぐには魔法を使えなかった。

「ぐはっ…!?」

回復に集中しているとリトが吹き飛ばされてきた。

「リト!大丈夫か!」

「ああ…大丈夫だ!」

リトも前線を1人で張っていたのだ。数が多くなって下がってきたら攻撃されたのだ。全員限界の状態だった。

「さぁ…フィナーレです!」

ドラゴンのブレスが放たれる…!


「いやまだ幕引きには早いわよ」


「なに!?」

ドラゴンの上に何者かが降りてきた。

「『獅子突き』」

そしてドラゴンの頭に短刀を突き刺した。だがドラゴンは刺した者を殺そうと手を伸ばす。

「ギャ…オオオオ…!」

「黙りなさい」

ひらりとマフラーをひるがえしてドラゴンの首をねる。

首の無くなったドラゴンは悲鳴もあげられずに倒れた。

「…誰だ?」

「みんなー?生きてる?」

空から現れてドラゴンを倒したマフラーの女性は…

「はぁ…来るのが遅いぞナツキ!」

あの天然クノイチのナツキだった。

「ごめんなさいね。調べ物してたら大変なことに気づいたから遅れちゃった」

「調べ物してたら大変なこと?」

「ええ…あそこに祭壇があるでしょ?何が封印されてるかわかるかしら?」

「まさか…本当に魔王とか!?」

「うーん惜しい。正確には混沌の神の化身ね」

混沌の神…本当にいるのか…!?じゃあクロミが言ってたのって…?

「そこの女の子が言った通り。この祭壇を壊せば混沌の力が散り、世界のバランスは崩れる…最悪のシナリオね」

「てことは俺がもしあの祭壇を壊していたら…」

「言わずもがな。ね」

危なかった…自分も魔法で壊そうかと思ってたんだ。

「でも…そこの男を捕まえればこの祭壇の悪用は阻止できるはずよ」

ナツキはジャックを指差して言う。

「おやおや…私を捕まえるおつもりですか?…あなた達にそんな事が可能なのでしょうか?」

ジャックは余裕のある笑顔を浮かべている。

「ええ。可能よ」

ドゴォン!

突然爆発音と共に天井が崩れて空が見える。そしてその空から二人、垂直降下してきた。

「ナギサ!シズク!」

「やっほーマコト!随分と苦戦してそうじゃない」

「大丈夫ですか皆さん!『ヒーリングツリー』!」

シズクは回復する樹木を出現させる。室内なのに木が生えるのは異質だがそういう職業なので仕方ない。

「ナギサ!?来るなと言ったはずだぞ!?」

「何言ってんの!仲間が危険な状況だっていうのに見過ごせっていうの!?あとあんたが死んだらあのギルドどうするのよ!」

「ぐ…そうだな。すまない」

「うん。わかればよろしい。でも掃除ぐらいしてから行きなさいよ!また当番忘れてたでしょ!それから━」

ナギサがミヅチを叱っている。そういえばシエルとマリは…?

ジャックは自分達に二人仲間がふえて攻撃をやめる。

「ふむ…流石にこの戦力差は少々厳しいですね」

「その割には余裕そうじゃない」

「ええ。なんせまだ切り札が残ってますから…『サモンズモンスター』!」

再びジャックから魔力が溢れる。

「まずい止めないと…!」

だが更に現れる魔物に道を塞がれる。止めないとやばいのにどうすれば…!?

「大丈夫ですよ」

「ええ。何も考えずに来た訳じゃないから」

しかしナギサとシズクは焦らずにいた。

「フフフ…さぁ現れよ!私の━━がっ!?」

突然謎の銃弾がジャックの肩を貫く。

魔法陣は強制中断されたので消えていった。

穴の空いた天井を見るとシエルが狙撃銃らしい物を構えていた。

「流石にこれ以上はやらせませんよ?…マリさん!」

「…了解!」

マリの声が聞こえた時にはもう天井から飛び降りていた。

「ぐっ…やられましたね…」

「残っていても、切り札は最後まで取っておくもの…それがあなたの敗因…『アサルトショット』!」

ジャックの周りにいた魔物を一掃してジャックに銃を構える。

「チェックメイト…」

残りの魔物を倒して自分達はジャックを拘束することに成功した。


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