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犯罪組織ダークコンバート

「幹部…中ボスか」

自分はそう呟くと片方の男が笑い出した。

「クハハハハ!中ボスだぁ!?俺達がか?」

どちらも顔を隠していて不気味だ。

「自分達はそこの部屋に用があるんだ!邪魔をするなら容赦はしないぞ!」

笑っていた男はピタッと笑うのを止めた。

「ほう…?ガキの分際でよく喋るじゃないか。なぁ?」

「ああ。全くだ」

短剣を持った男が歩いてくる。

「そのようなことを言えるような力を…」

次の瞬間。男の姿が消えて自分の背後にいた。

「━持っているのか!?」

「くっ!」

「きゃあ!」

ギリギリ避けるがクロミと離れてしまった。

「安心しろあの子どもには手を出さん…殺すのはお前だけだ」

「ああ…そうかい!『トラップバインド』!」

光の鎖が男を拘束する。

「ほう…これはなかなか…」

動けなくなったのに動揺しないのかよ!?

「でもその程度じゃ止まらないよー?」

片方の男が魔法を詠唱しながら言う。

「ならここで今倒す!『ホーリーバレット』!」

この零距離だ。絶対当たるだろう!

魔法を放った瞬間、男が一瞬で姿を消した。

「慢心だな。その程度では勝てんぞ?」

「なっ!?」

男はなんと真後ろにいた。そのまま短剣で自分の顔面斬りつける。

自分は辛うじて避ける。だがどうなっているんだ!?消えたと思ったら背後に現れた。一体どんな細工を…?

「ほらほらぁ!そっちだけじゃないよー!?」

「っ!?『マジックシールド』!」

もう一人の方はかなりの量の魔法を同時に放ってきた。

分割詠唱か!?でも同時に魔法は撃てるはずないのに!

「どうした?こっちにもいるぞ?」

「くそ…!」

前と後ろからの攻撃が激しいから魔法の詠唱ができない…!

このままじゃ…死ぬ!

「がはっ…!」

遂に背中に魔法が直撃した。自分はクロミの元まで吹き飛ばされた。

「マコトさん!」

「ぐ…」

「ほう?まだ立つか?」

一発当たっただけでかなりのダメージだ。魔法使いも厄介だがあの瞬間移動してくる奴のスキルはなんだ?

まるで影を渡って来てるような…

「待てよ……影か?」

影を渡ってくるのなら自分の背後を取ることは可能だ。しかも一瞬で。

「試すか…『マジックブレード』」

自分の手に魔法の剣が現れる。

「魔法が駄目なら剣か…いいだろう!」

妖術師だから剣術スキルなんて持っていない。でもそれが無くても剣は使える!

「ふっ!」

「なにぃ!?」

やっぱり影を渡ってきていた!奴が消えた瞬間自分は背後に気を張っていたから剣で受け止めることができた。

「影を渡ってくる技か…あなた人間じゃないね?」

戦法がバレた途端動きが鈍くなった。そして人間じゃないことを指摘すると笑い始めた。

「てことはあいつも人間じゃないことか!」

剣を弾き、斬りつけようとしたが影渡りで躱された。

「あーらら。もうバレちゃったか」

「…その通りだ魔術師よ我々は人間ではない」

二人はローブを脱ぐ。


「我々は━━魔族だ」


青白い肌、頭に生える角と背中の翼はまさに悪魔だった。

「…堂々と正体をバラしてもいいの?」

「ああどうせお前らはここで死ぬからな!」

二人は同時に走ってきた。

「なっ!?」

「そらそらぁ!」

いやいや…悪魔二人を同時に相手にするのはかなりしんどいぞ!

「後ろだ」

まずい!影渡りしてきた!このままじゃ当たる…!

「ギャハハハハハ━ガッ!?」

「なんだ…!?」

突然一人の悪魔が吹っ飛んだ。今のは…魔法?

「やっと見つけた…探したぞマコト!」

「…ミヅチ!?」

クロミの後ろにはミヅチと大きな翼を持つ魔物がいた。

「くっ!なんだあの男の隣にいる魔物は…!?凄まじい魔力を感じるぞ!?」

自分もミヅチの隣にいる魔物からかなり強い魔力を感じる。

「もしかして…召喚獣?」

「ああ…ギルドマスターの力見せてやるよ!いけシルヴィード!」

「フォオオオオ!」

ミヅチの召喚獣から大きな魔法陣が展開される。そして次の瞬間…

「ぐわあああ!」

「グギャアアア!」

悪魔二人に強力な雷が放たれた。そしてそのまま奥にある扉まで吹き飛ばされてる。

「す…すごい」

「大丈夫かマコトさん!?」

ミヅチの後ろからリトが現れる。

「リト!もしかして合図は…」

「いや見えはしなかったがナツキが教えてくれたんだ」

グッジョブナツキ!

「くそがぁ!舐めやがって…!」

悪魔二人はフラフラと立ち上がった。流石魔族…回復早いな!

「マコト!」

自分はリトから杖を渡される。

「暁の宝杖…!よしこれなら!」

杖によって魔力が上昇する。自分はその魔力で魔法を詠唱する。

「な…何なんだあの魔力は!?」

「クソガキがぁ!そんなの止めればいいだろう!『ダークバレット』!」

「ふっ!」

リトが剣で魔法を弾く。そして剣を悪魔二人に向けて突きつける。

「相手は僕だ。かかってこい!」

「貴様…後悔するがいい!」

悪魔から魔力が溢れる。あの動きは…影渡りだ!

「リト!」

「大丈夫!……ここだっ!『ライトニングスラッシュ』!」

「なっ!?ぐわあああ!」

なんとリトは影渡りの仕組みに気づき、背後に現れた悪魔を剣技で攻撃した。

悪魔の腕が切り飛ばされた。

「ぐぉおお……貴様なぜわかった!?」

「同じ方法で戦う魔物と戦ったことがあるんでね。動きがわかるんだよ」

すごい!自分が苦戦した影渡りを一発で見抜くなんて…

「おいおいこっち忘れてんじゃねぇか!?」

もう一人の悪魔を見ると周りにたくさんの魔法弾が見える。

「なんだあの量は!?」

自分と戦った時とは大違いの量だぞ!?流石にこれは卑怯だぞ!

「くらいやがれ!」

リトに向かって一斉に魔法が放たれる。

「リト!」

「…!了解ミヅチ!」

リトはすぐに下がると突然目の前に透明の壁が現れる。

「なに…ぎゃああああ!」

壁にぶつかった魔法は反射して悪魔に当たる。

短剣の悪魔も反射した魔法に当たり吹き飛ぶ。

「こ…これは?」

「ミヅチの魔法さ。この透明な壁は魔法を反射するんだ」

ミヅチを見るとうざいドヤ顔でこちらを見ている。めちゃくちゃうざいぞ。

そうしてる間に自分の魔法の詠唱が完了する。

「詠唱できた!行くよ!」

「ああ!ドーンと放て!」

「ぐ…『ダークシールド』!」

悪魔は二人で魔力の盾を展開する。だけどそんなのは無意味だ!

「吹き飛べ…『オーバープラネットエンド』!」

正面にある魔法陣から凄まじい魔力が溜まる。

そしてその魔力はとても巨大な波動砲となり放たれた。

「ぎゃああああああああ!!」

魔法は悪魔の魔力の盾を一瞬にして粉々にして直撃した。

「ば…馬鹿な…!?我々が負けるの…か!?ぐ…ああああああ━━」

悪魔の断末魔と身体は魔法によってかき消された。

でも激しい轟音と共に奥の扉まで吹き飛ばしてしまった。

しばらくの沈黙。

「…ちょっとやりすぎじゃないか?」

あ、やっぱりそう思います?

「うん…ちょっとやりすぎたから魔力が…」

あの魔法は一番魔力の消費が多く、詠唱も長い魔法なのでこういう最後の最後で使わないと危ないのだ。

おかげで魔力は残り少ない。

「全く…だが良くやった。これで組織は終わるだろう」

「いや…あいつら幹部って言ったからまだラスボスが…」

おそらくあの部屋の奥にいる。

「そうだ…クロミ!」

「う…」

どうやら激しい戦闘に気絶していたらしい。

しかし突然クロミは無言で立ち上がって歩き出した。

電波受信したのだろうか?またフラフラと歩いている。

「ちょっ…ちょっと待ってよクロミ!」

「お…おいマコト!なんだその子は!?」

「事情は後で話すからできればついて来て!」

「何がなんだがわからないが…この奥に何かあるんだな?」

自分は頷く。ミヅチは行くか悩んでいる。

「仕方ない…行こう」

「いいのかいミヅチ?」

「ああ…この組織にはお世話になったからな。たっぷり礼をしなくちゃな」

おぉ怖い。目が笑ってないぞミヅチ。

遂に自分達はダークコンバートの最深部?に向かった。

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